子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

映画 2013年の10本:反省を込めて

2013年12月31日 21時47分21秒 | 映画(新作レヴュー)
公私ともに予想もしなかったことが重なって,結果的にブログ執筆から脱落してしまったことに対する自戒の念を込めて選んだ10本。
久しぶりに鑑賞本数が二桁に留まってしまい,見逃した作品も多かったが,選んだフィルム,もとい,デジタル作品はどれも思い出深い素晴らしいものばかりだった。

1 愛,アムール:ミヒャエル・ハネケ
2 ホーリー・モーターズ:レオス・キャラックス
3 ローマでアモーレ:ウディ・アレン
4 ゼロ・ダーク・サーティー:キャスリン・ビグロー
5 パシフィック・リム:ギジェルモ・デル=トロ
6 嘆きのピエタ:キム・ギドク
7 パッション:ブライアン・デ=パルマ
8 42:ブライアン・ヘルゲランド
9 セッションズ:ベン・リューイン
10 ゼロ・グラビティ:アルフォンソ・キュアロン
(鑑賞順)

1は冒頭の台所の水の音からラストまで,リアルな老々介護の描写に緊張感がみなぎる。
俊英の復活作となった2は,中盤の行進やカイリー・ミノーグの使い方等,音楽ネタが素晴らしかったが,大島渚に捧げたと思しき大団円に打ちのめされる。
3はアレン作品の中では中位かもしれないが,それでも年を取っても軽やかなステップを保った話術の妙は,やはり挙げておきたい。
「ハートロッカー」に続いて中東戦争に材を得た4の描写に見られる粘着力は,この人ならでは。ジェシカ・チャスティンの素晴らしい演技も特筆もの。
5は実は初見ではやや肩透かしを食った感があったのだが,3Dで見直して評価を全面的に改めた。
苦手だったギドク監督作だったが,情念をエンジンにした物語の語り口が見事。「母」役の主演女優チョ・ミンスの美しさが,血に塗れた物語の格調を保っている。
7はこれまた巨匠の見事なカムバック作。リメイクだが,謎解きよりも艶っぽさで勝負する姿勢が買い。
史実野球ドラマをストレートに作ったことで,却って奥行きを得たのが8。窓口で「よんじゅうに」と言ったら「フォーティートゥーですね?」と聞き返されて恥をかいたのも,懐かしい思い出。
9では映画史上最も熱い牧師の掟破りと,女性同士の美しい「目配せ」が見られる。R18+指定の必要性は全くない。
今年のベストワンは文句なしに10。「トゥモロー・ワールド」での長回しへのチャレンジが,まさかこんな形で結実するとは思いもしなかった。

こんな作品群から受けた感動を少しでも多くの人に伝えるため,執筆にカムバック出来る環境となることを願って,皆さま良いお年を!


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