子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

2012年TVドラマ春シーズン・レビューNO.1:「リーガル・ハイ」

2012年05月05日 00時27分19秒 | TVドラマ(新作レヴュー)
古美門研介,職業:弁護士。TVドラマ界に久しぶりに出て来た真のヒーローだ。
テレ東「鈴木先生」で,言葉を使った切り合いで鮮血ほとばしるようなディスカッション・ドラマを繰り広げてみせながらも視聴率2%に泣いた脚本家古沢良太が,捲土重来,堺雅人という芸達者を起用して挑んで来たのは「笑える弁護士ドラマ」だった。

頭は切れるし,演技力もある。金にはこだわるが,金遣いは荒く,見栄っ張り。その証拠に,運転出来ないのに,フェラーリとポルシェを持っている。いまだ法廷では負けたことはないが,変な七三分けが妙な自慢。万能の執事を抱えて,今日も負け戦をひっくり返す。
この浮世離れしたヒーローは,最初から堺雅人を想定してあて書きをしたと思わざるを得ない程,役者とキャラクターとストーリーとが見事にフィットして,ワクワクするような物語を繰り広げてくれる。

第3話では内弟子となった新垣結衣が抱えるストーカー訴訟と,堺が手がけるプロ野球球団相手の訴訟とが並行して進んでいき,弁論の過程で新垣の思い出したくない過去が炙り出される。複雑な構成ではあったが,それを捌く語り口の滑らかさは回を追うごとに冴えてきており,同時に「勝つためにはフォーカスを絞って,何でもやる」という堺の仕事に関する拘りも,より鮮やかになってきている。
特に長台詞を難なくこなす堺の技術は驚嘆ものだ。何より,すべてを見通しているように見えて,結構穴もありそうなキャラクターを,なりきって作り上げる楽しさが視聴者にも伝わってくるのが素晴らしい。
どんな役をやっても,ほとんど同じ地で通してしまう新垣の天然さも,堺の上手さを引き立てるという意味では,これはこれではまり役かもしれない。

万能執事役の里見浩太朗は,同じくフジのドラマ「HERO」で,どんな注文にも応えてみせた万能バーテンダー田中要次の変形のようだが,これをやんちゃな長男(堺)の母親役と見れば,人生修行中の妹(新垣)も含めて,一風変わったホーム・ドラマとみなすことも可能だ。
数字は3回目までの平均で11%台と,中身の充実ぶりに比較するとやや物足りないが,「鈴木先生」の5倍以上の人がこの良質のドラマを楽しんでいると思えば,脚本家冥利に尽きる筈。今季最高の充実作だ。


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1 コメント

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ねぇ (nene777ne@yahoo.co.jp)
2012-05-06 10:15:19
はじめまして!ノヽ口―_φ(゜▽゜*)♪ 初めてコメント残していきます、おもしろい内容だったのでコメント残していきますねー私もブログ書いてるのでよければ相互リンクしませんか?私のブログでもあなたのブログの紹介したいです、私のブログもよかったら見に来てくださいね!コメント残していってくれれば連絡もとれるので待ってますねーそいじゃ+□+■+□+■+□+■+□+■+□+■+□+■+□+■+□+■+アドレス残していくのでメールしてね!そいじゃ+□+■+□+■+□+■+□+■+□+■+□+■+□+■+□+■+
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