子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

2023年J1リーグ第21節 札幌VS.新潟【0:1】

2023年07月15日 16時14分34秒 | 北海道コンサドーレ札幌
後半退場者を出して10名での闘いを強いられた新潟だったが,札幌に攻め込まれながらも常に余裕があったように見えたのは,守備陣に自信があったことに加えて,札幌の攻撃が単調かつ精度の低いものに終始していたことが大きかったはずだ。緊張感を保ち続けた新潟DFのライン・コントロールによってペナルティエリアに穴は見つけられず,やむを得ず試合終盤に空中戦に活路を見出すべく岡村を前線に残す作戦を採った札幌だったが,ゴンヒと岡村で競ったハイボールのこぼれを浅野が狙う,というパターンはついぞ一度も見ることが出来なかった。負けるべくして負けた一戦。今年久しぶりにJ2から上がってきたチームのタイトな守りを崩せなかったJ1残留7年目のチームは,底知れぬほど深い谷に落下しつつあるように見える。

失点シーンはDF陣の連携が明らかに緩んでいた時間帯だった。失点に絡む時の中村のいつものパターン通り,今日も左サイドを抉られたプレーは,最初の一歩の遅さが決定的だった。いつもそうなのだが,決してスピードで劣る訳ではないであろう中村が,常に同じパターンでやられる時の特徴が,静から動へのトランジションの悪さだ。監督からは「代表クラスの資質」と褒めそやされているようだが,奪いに行く時の判断や瞬発力に比べると,リアクション守備の際の切り替えテンポの悪さは致命的だろう。レッドを貰っても,試合を決められる失点を喫しても,一向に改善が見られないことは,首脳陣はおそらく問題視していないことの証左かもしれないが,このまま同じパターンで失点を喫し続けるようでは,チームとしても勝ち点を積み上げる為の道筋が見出せないのではないか。

それ以上に厳しい状態なのは,攻撃陣だ。「リーグ屈指の得点力」という謳い文句は,数字が示している通りだが,今日のゲームを含むここ数試合の内容を見ても,それが「小柏頼み」だったことは明白だ。フィニッシャーとしてもアシスタントとしても優秀なのは勿論,相手DFを追い越し,引き付けるという,攻撃の組み立てにおいて一番大事な要素を一人で担っていた小柏の欠場が,札幌の攻撃の屋台骨をポキリと折ってしまったことを肌で感じ取った新潟の選手が見せた,自信に満ち溢れたプレーがそれを見事に証明していた。
小柏の献身のおかげでのびのびとプレーしていた浅野が,彼のサポートがなくなった途端に剥がれたメッキの修復は,ピッチ上での存在すら忘れさせるような最近のプレーを見る限り,極めて難しいだろう。

今日の試合で一番得点の匂いがしたのは前半の終わり近くに,左サイドを上がってきた駒井のクロスにスパチョークが頭で合わせたプレーだった。にも拘わらず,浅野を残してスパチョークを前半で替えてしまったミシャの試合分析力も相変わらず不安だ。このまま金子がクロアチアに移籍した場合,ずるずると降格争い圏内に落ちこむ危険性も充分にある。神頼み,ならぬ,小柏頼みのサポーターが打つのは,そう「小柏手」だ!


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