
輸入盤店で,ブリューゲルの名画「ネーデルランドの諺」を用いたCDジャケットを眼にして以来,ずっと気になっていたアルバム。
日本盤が出る気配はなく,試聴する機会も持てないまま数ヶ月。たまたま覗いたAMAZONで廉価になっていたのを見て,サブ・ポップというレーベル名とジャケットだけを頼りに,結局中身を確認しないまま購入したのだが,「たまにはこういうこともあるもんだ」的な当たりとなった。
シアトル出身のバンドで,自分達が作り出す音を「バロック・ハーモニック・ポップ」と呼んでいるという記事をwebで見かけたが,アコースティックな響きを基調として,東欧的な匂いも漂わせた素朴なメロディとハーモニーに溢れた,実にユニークな音楽だと思う。
懐かしくて心安らぐけれども,良く見ると残酷だったり,深い絶望が描かれていたりするブリューゲルの絵ほどに,様々な仕掛けが施されている訳ではないが,程々の技巧とか企みなどは,いとも容易く押し流してしまうようなシンプルな力強さが最大の特徴だ。いくつかの味わい深いサビは,まるで子供の頃から聞かされ続けてきたフォークソングのように,しっかりと鼓膜に残るだろう。
You Tubeで幾つかライブの映像を観たが,リード・ヴォーカルの声の骨格は太く,座って歌う彼をベースとギターが挟んでハーモニーを付ける様子は,吟遊詩人一座の諸国行脚という雰囲気で,実に良かった。
ファーストが素晴らしかったMIDLAKEが,さっぱりセカンドを出さないことに口を尖らせていたのだが,これがあれば当分文句は言うまい,という気分だ。
★★★★
日本盤が出る気配はなく,試聴する機会も持てないまま数ヶ月。たまたま覗いたAMAZONで廉価になっていたのを見て,サブ・ポップというレーベル名とジャケットだけを頼りに,結局中身を確認しないまま購入したのだが,「たまにはこういうこともあるもんだ」的な当たりとなった。
シアトル出身のバンドで,自分達が作り出す音を「バロック・ハーモニック・ポップ」と呼んでいるという記事をwebで見かけたが,アコースティックな響きを基調として,東欧的な匂いも漂わせた素朴なメロディとハーモニーに溢れた,実にユニークな音楽だと思う。
懐かしくて心安らぐけれども,良く見ると残酷だったり,深い絶望が描かれていたりするブリューゲルの絵ほどに,様々な仕掛けが施されている訳ではないが,程々の技巧とか企みなどは,いとも容易く押し流してしまうようなシンプルな力強さが最大の特徴だ。いくつかの味わい深いサビは,まるで子供の頃から聞かされ続けてきたフォークソングのように,しっかりと鼓膜に残るだろう。
You Tubeで幾つかライブの映像を観たが,リード・ヴォーカルの声の骨格は太く,座って歌う彼をベースとギターが挟んでハーモニーを付ける様子は,吟遊詩人一座の諸国行脚という雰囲気で,実に良かった。
ファーストが素晴らしかったMIDLAKEが,さっぱりセカンドを出さないことに口を尖らせていたのだが,これがあれば当分文句は言うまい,という気分だ。
★★★★