子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

キリンカップ2009 日本代表対ベルギー代表【4:0】MVPは日テレのアナウンサーだ!

2009年05月31日 22時44分40秒 | サッカーあれこれ
チリ戦とは大幅に先発を入れ替えて臨んだ日本だったが,おそらくはウズベキスタン戦のスターターに近いと思われる今日のメンバーの親和力は極めて高く,素速い判断をベースにみんなでボールを運び,シュートは躊躇なく,というサッカーの真髄が形になった瞬間が幾度も生まれていた。来週土曜日の最終決戦第1ラウンドに向けた期待は高まるばかりだ。

日本が快勝したチリを相手にしたキリンカップ第2試合で,終始ボールを持たれながらも高い壁を築いて引いて守り,鋭いクロスを跳ね返し続けたベルギーは,強い相手との対戦によって積み上げられる経験値という点を度外視すれば,日本のW杯アジア最終予選残り3試合のシミュレーションを行う相手としては最適と思われた。
案の定,試合開始から暫くの間は,単純に入れたクロスは全て手前で叩き落とされ,真ん中を突破する試みは大男が組み上げた壁の前でことごとく潰されており,本番直前のドリルとしての難易度は申し分ないように見えた。

それを打開したのは,日本に足りないと喧伝されていた個人の突破力であり,アイデアだった。
先取点となった長友の見事なシュートは,クロスを入れてくると睨んだGKの逆を突いた判断力が光り,2点目の中村憲剛の左サイドからのシュートは,縦に行くと見せかけたフェイント1発が決まったものだった。
特に長友は,虫垂炎(の疑い?)明けとは思えない出来で,後半に見せた突破力とクロスの精度と合わせ,MVP級の活躍を見せてくれた。

闘莉王の凡ミスを除けば,殆ど完璧な試合運びの中で,唯一改善が必要と思われたのは,前半立て続けに2点を奪った直後の15分間,運動量が落ちて受けて立った時間帯だったのだが,中村俊輔は試合後のインタビューで的確にその事を指摘していた。
股関節痛で万全ではなかったらしいが,そのプレーと戦術眼,統率力は,やはりずば抜けていた。彼がボールを持って前を向いた時の,前線の選手の動き出しを見ていると,他の選手の彼への信頼感が,前大会時の司令塔だった選手へのそれと比べて段違いに厚いのが良く分かる。

本当はそんなことを比べても仕方がないのだが,チーム全体の雰囲気がプレーに与える影響はこんなにも大きいものなのか,とため息が出るほどに,今のチームはジーコジャパンよりも懐が深くなっている。
本大会ベスト4は話としても,グループリーグ突破は充分に夢見ることが可能なレベルに達していると見る人間も,私を含めて酔狂とのそしりは受けないだろう。
岡田監督は,選手選考を見る限りにおいては,表面的にはオシム色を払拭しつつも,「運動量」をチームのベースに置くことによって,チームの理念を継続し,実に頼もしく楽しみなチームを作り上げたと言えよう。
トルシエも言及していた「人間的な力」の高い選手で構成されたチームが,日韓大会から2大会を経てようやく実現しそうな今,ここまでの長い道程に思いを致しつつ,土曜日を待ちたいという気分だ。

だが,それにしても中継の日テレのアナウンサーのミスリードは凄かった。数々の迷言をあげつらうのは止めておくが,一つだけ指摘して,俊輔や長友を差し置いて本日のMVPを献上したい。
後半から出場した本田の言葉を「オランダ人はアジアでは馬鹿にされているので,見返してやろうと思って頑張った」と紹介。それ(本田選手がオランダ人)が本当なら,彼は日本代表にはなれないはずなのだが…。果たして,真相は如何に?


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。