北朝鮮はウズベキスタンでのアウェー戦を落とし,3次予選での敗退が決まったことでモチベーションが下がるかと思いきや,平壌での22年振りの日本戦という特別のシチュエーションに奮い立った。殆どアフターすれすれの際どいチャージばかりながらも,日本を遙かに上回る寄せのスピードと圧力で,ホームの試合を制した。
芝の長さ自体は4~5㎝あるにも拘わらず,施工後10年を経てその殆どが寝てしまっているために,土のグランド並の固さになっていたらしい人工芝に,地鳴りのような観客の声援と,アウェーの洗礼がかなり影響したことは確かだが,それでも今日の日本代表の戦い振りを見る限りは,残念ながら試合内容が正確に反映された結果だったと言わざるを得ないだろう。
かなり厳しいピッチコンディションに手こずりながらも,タジキスタン戦と同様に大きく戦術を変えることなく細かくパスを回そうとする日本に対して,とにかくトップに長いボールを当てて,あとは野となれ山となれ,がむしゃらに走ってゴール前で数的優位を作り,「ひたすらゴールに向かうだけ」戦法を貫き通した北朝鮮は,日本よりもアグレッシブに勝利を求めていた。その闘志は,ひょっとしたらW杯出場よりも「日本に勝つ」という目的の方が価値を持つのではないかと思われるくらい,強く激しかった。特にバーゼルでプレーしているという10番の高さと強さは際立っていた。
彼らの泥臭いサッカーに比べると,先発をタジキスタン戦から6人替えてきた日本は,最後まで緩かった。
さすがに,相手が一人退場になってからはボールを保持してゴールに迫ったが,ホームでタジキスタンに8:0で勝った試合から続く,サイドやボランチからのフィードの精度の低さがこの試合でも災いして,決定的な場面を作ることすら出来なかった。
栗原は最後までポジション取りも1対1も不安定なままで終わったし,伊野波は相手との距離が中途半端でやられ放題,細貝も10番にスピードで置き去りにされ,とリザーブ組の経験値を上げるせっかくの機会は,まったく活かされずに終わってしまったという印象だ。
レギュラー陣では長谷部がこのプレー・レベルでは,ドイツでの試合には出られないだろうなと思ってしまうくらい調子を落としていたのが気になった。クロスを全て手前のDFに引っかけていた駒野,復活戦での輝きを失ってしまった中村憲剛,あんな消極的なプレーでは仲間の信頼は得られないことくらい分かっているだろうと言いたくなったマイクと合わせて,最終予選までの修正点は数多い。
だがTBSの解説者が「この場面で3:4:3ですかぁ?」と否定的に論評していた後半の戦術変更は,私は逆に評価したいと思っている。ボール離れが遅いことで,前線の数的優位が作れないことと併せて,相手のチャージを受けやすくもなっていたことが気になっていたのだが,最後には2トップで3:5:2気味になっていたフォーメーションは,確かに結果は出せなかったものの,攻める雰囲気は伝わってきていた。あそこで原口にドリブルをさせていればという恨みはあるが,リザーブ陣の充実も含めて,とにかく引き出しを増やしておきたい,というザックの意気に選手が応えてくれることを祈りたい。
芝の長さ自体は4~5㎝あるにも拘わらず,施工後10年を経てその殆どが寝てしまっているために,土のグランド並の固さになっていたらしい人工芝に,地鳴りのような観客の声援と,アウェーの洗礼がかなり影響したことは確かだが,それでも今日の日本代表の戦い振りを見る限りは,残念ながら試合内容が正確に反映された結果だったと言わざるを得ないだろう。
かなり厳しいピッチコンディションに手こずりながらも,タジキスタン戦と同様に大きく戦術を変えることなく細かくパスを回そうとする日本に対して,とにかくトップに長いボールを当てて,あとは野となれ山となれ,がむしゃらに走ってゴール前で数的優位を作り,「ひたすらゴールに向かうだけ」戦法を貫き通した北朝鮮は,日本よりもアグレッシブに勝利を求めていた。その闘志は,ひょっとしたらW杯出場よりも「日本に勝つ」という目的の方が価値を持つのではないかと思われるくらい,強く激しかった。特にバーゼルでプレーしているという10番の高さと強さは際立っていた。
彼らの泥臭いサッカーに比べると,先発をタジキスタン戦から6人替えてきた日本は,最後まで緩かった。
さすがに,相手が一人退場になってからはボールを保持してゴールに迫ったが,ホームでタジキスタンに8:0で勝った試合から続く,サイドやボランチからのフィードの精度の低さがこの試合でも災いして,決定的な場面を作ることすら出来なかった。
栗原は最後までポジション取りも1対1も不安定なままで終わったし,伊野波は相手との距離が中途半端でやられ放題,細貝も10番にスピードで置き去りにされ,とリザーブ組の経験値を上げるせっかくの機会は,まったく活かされずに終わってしまったという印象だ。
レギュラー陣では長谷部がこのプレー・レベルでは,ドイツでの試合には出られないだろうなと思ってしまうくらい調子を落としていたのが気になった。クロスを全て手前のDFに引っかけていた駒野,復活戦での輝きを失ってしまった中村憲剛,あんな消極的なプレーでは仲間の信頼は得られないことくらい分かっているだろうと言いたくなったマイクと合わせて,最終予選までの修正点は数多い。
だがTBSの解説者が「この場面で3:4:3ですかぁ?」と否定的に論評していた後半の戦術変更は,私は逆に評価したいと思っている。ボール離れが遅いことで,前線の数的優位が作れないことと併せて,相手のチャージを受けやすくもなっていたことが気になっていたのだが,最後には2トップで3:5:2気味になっていたフォーメーションは,確かに結果は出せなかったものの,攻める雰囲気は伝わってきていた。あそこで原口にドリブルをさせていればという恨みはあるが,リザーブ陣の充実も含めて,とにかく引き出しを増やしておきたい,というザックの意気に選手が応えてくれることを祈りたい。