防衛問題セミナー

防衛省主催の防衛問題セミナーに参加しました。

テーマはテロ特措法について。インド洋での洋上給油の活動について、我が国がテロ掃討戦に参加する意義等について防衛省、自衛隊、外務省から講演がなされました。

夏は甲板上の気温が７０度近くまで上がるような厳しい環境で活動されている海上自衛隊の方には頭の下がる思いです。しかし、テロ撲滅の効果、テロがアフガン起源で世界中に広がっているという説の根拠等につきやはり疑義が残りました。

国際社会からわが国の洋上給油が評価されているという指摘についても、各国の政府・軍隊から評価されるということと、アフガンの人々に感謝されるということとは別物ではないでしょうか。米軍中心の空爆作戦では民間人の巻き添えが今でも起きているとのことですし、当初の「テロ掃討、アフガン復興」という目的からはむしろ後退しているようにも思えます。ほぼ殲滅したと思われていたタリバンについても、先日の韓国人ボランティア拉致事件に見られるように、ＯＥＣＤ加盟国である韓国政府を相手に堂々の交渉をするまでに勢力を盛り返しています。現在の掃討作戦が当初の目的を達成することができているとは言い難いのではないでしょうか。

アフガニスタン国内で医療活動を展開している中村哲氏は「親日的であったアフガンの人たちから『なぜ、日本はアメリカに加担するのか？』という日本に対する失望の念が聞かれるようになってきた」ということも仰っています。

ここはやはり踏み止まり、今一度国際貢献の在り方を問うべきではないでしょうか。