ねぶた家の人々 (ねぶたけのひとびと)

2011年1月5日オープン!青森市文化観光交流施設ねぶたの家ワ・ラッセ公式BLOGです。

千葉作龍展を詳しく紹介します!!

2023年01月16日 13時23分21秒 | 日記

こんにちは

ササキングです

 

1月2日(月・祝)から開催していた

「第五代ねぶた名人千葉作龍展

~ねぶたに取り憑かれ半世紀、龍の足跡~」

昨日1月15日(日)で終了となりました!!

期間中ご来場いただいた皆様、ありがとうございました

 

それにしても名残惜しいぃぃ!!!

ということで、

見れなかった方、見た方も改めてご紹介できればと思います

 

※下記の紹介の内容は先日紹介していたのですが

 内容に不備があったため再度更新しました。

 

【準備期間】

本企画展は昨年5月の千葉作龍さんの勇退にあたり

千葉作龍さんのねぶた人生をご紹介できるような企画がやれないか、

千葉作龍さんに相談し昨年の秋頃から本格的に準備を進めてきました

 

千葉作龍さんのアトリエに行き、ロングインタビューや

展示品となる写真や作品の解説など、ご協力いただきました。

 

(写真は12月にアトリエへ訪問した際の写真)

アトリエ内にある本棚

各ジャンル別に分けられており、ねぶた制作の資料として使用。

今ではお弟子さんやスタッフの方が借りていく図書コーナーとなっています

 

千葉作龍さんの半世紀以上に渡るねぶた人生を紹介するにあたり

どの話題をピックアップするか、我々スタッフもかなり悩みましたねぇ

 

そうして出来上がったのがこのような会場のレイアウト

このレイアウトに合わせて各コーナーをスタッフで協力して設営しました

順番にご紹介していきたいと思います

 

【各展示コーナー紹介】

展示コーナーを反時計回りでご紹介していきます

まずは入口から入ると

「千葉作龍さんのプロフィール」と「年表コーナー」があります

 

千葉作龍さんは1947年(昭和22年)、戦後のねぶた復活の年に生まれました。

ご本人もお話されていましたが、まさに戦後のねぶたから現在に至るまでの

ねぶた祭に関わってきた証人でもあります

観光客の方にもわかるようにプロフィールが紹介されています。

 

年表コーナーは昭和・平成・令和と項目がありますが、

主にねぶたが大きく発展した昭和の話題が多めになっています。

その頃にあったトピックもそれぞれ紹介しています

「自分には後継ぎがいない。俺の次はお前が青森のねぶたを背負っていけ!」

第三代ねぶた名人佐藤伝蔵さんとの感動エピソードも紹介。

「佐藤伝蔵と三保の松原にて (静岡県)」  

(写真は千葉作龍さんからお借りした佐藤伝蔵さんとのツーショット)

後の三代名人、五代名人によるすんごく良いツーショット

 

年表コーナーが終わりますと、千葉作龍さんの師であり父である

千葉作太郎さんのご紹介です

看板業を営みながらもねぶた制作を引き受けていた父・作太郎さん。

息子の作龍さんも学生時代は父・作太郎さんのお手伝いをしていました。

そんな作太郎さんには画家になりたいという夢がありました。

作龍さんが高校2年の頃、父の夢を応援したいという気持ちから「看板屋を俺が継ぐ」と決心。

しかし看板業について学んでいたところ、2年後に作太郎さんが突然亡くなりました。

「父の夢と意志を継ぎたい」ということから看板業を営みながらもねぶた制作者となります。

しかしねぶた制作者になるきっかけは果たしてそうだろうかと自分に問いてみたが、

お前が作りたいんだろ!」という自分の意志がやはり強かったと後ほど気づいたそうです。

 

作太郎さんが亡くなられた翌年の1967年(昭和41年)に

偶然ではありましたが、父の看板業の関係からねぶた制作の依頼が飛び込んできました。

父の教えである「書き割りは太く。面は大きく。」といった教えや技術は

こうして受け継がれていきました。

そしてねぶた師千葉作龍の半世紀以上に渡るねぶた人生のスタートとなったわけであります。

 

そして紹介しているのがこの竹ねぶた

2018年1月にワ・ラッセの正月企画展で制作されたこちらの竹ねぶたは

父・作太郎さんが1955年(昭和30年)に制作した「曽我五郎と御所五郎丸」がモデルとなっています。

竹と針金を併用したねぶたになっており、当時のねぶたを再現した貴重なねぶたです。

その制作の様子と、2018年の青森ねぶた祭で運行された様子が紹介されています。

この竹ねぶたは今回の企画展を持って解体となります。

解体と言っても人形一体分は残り、竹ねぶた紹介のため

今後ワ・ラッセねぶたミュージアム内に展示する予定です

 

続いて紹介しているのがお弟子さんの紹介コーナーです

4人のお弟子さんとの出会いとデビューまでを紹介しています

お弟子さんが大型ねぶたの制作デビューをするにあたり、

「自分のねぶた制作よりも弟子のねぶたの方が気になってしょうがなかった」

インタビューの中でお話されていました。

弟子の晴れ舞台をなんとかしたいという師匠の親心が感じ取れます。

 

ワ・ラッセスタッフ「えっ!?これって紹介していいんですか」

千葉名人「いいよいいよ、もう何十年も前の話だし」

そんなインタビューのやりとりがあった、何十年も経った今だから言えるエピソードなども紹介しています

 

ねぶたの海外遠征では、フランス・イタリア・香港・ベトナム・上海・台湾へ行き、

千葉作龍さんのねぶたが海外で紹介されました

現地の方との写真等がコーナーにて紹介されていますよ~

 

続いては千葉作龍さんが受賞された田村麿賞・ねぶた大賞のねぶたを紹介しています

皆様の思い出のねぶたはありますか?

ササキングは子どものときに見た「北天鬼神 安倍貞任」に感動した記憶があります

ちなみにこれまでの受賞回数をまとめてみると・・・

以上の通りでした

(半端ないって!!)

 

続いてねぶた名人位紹介コーナーです。

ねぶた祭への功績を称えて、

2012年に第五代ねぶた名人の称号が授与されました

ねぶた名人の顕彰額・記念メダルの他、

授賞にあたっての当時の心境が紹介されています

 

座右の銘は「映画は人生の師」と語る程、

ねぶた制作に活かされてきました

千葉作龍さんのアトリエにはたくさんの映画のパンフレットなどがありました

その中から1984年(昭和58年)に制作された「波切空海」をピックアップ

北大路欣也主演による超大作映画 『空海』(1984年公開)

 

病を発症してから密教に傾倒し、救われ、自身に深く根付いている密教の伝法者である空海の

ねぶたの場面がすぐに浮かんだそうです。

 

映画と合わせて音楽も自身の感性に繋がっているとのこと

千葉名人愛用のギターも展示されています

 

千葉作龍さんからお借りした思い出のアルバムも展示しています

 

これで展示会場の壁際をぐるっと一周しました

 

会場の中央には「下絵の下絵」、鉛筆原画の展示がされています

お借りした鉛筆原画は100枚以上

さすがに全ては展示できないのでその中から16点選出しました

1970年代後半~2021年まで様々な鉛筆原画がありました

完成された下絵と実物の写真と合わせてご紹介しています

 

その一画には昭和62年に発行された限定の巨大パンフレットも千葉作龍さんから

お借りして展示しています

一部の人しかもう持っていないという程、貴重なパンフレットだそうです

 

また、こちらのコーナーでは鉛筆原画を使用したぬりえ3種類も差し上げていました

 

最後にご紹介するのは、企画展入口付近にて上映している

千葉作龍さんのインタビュー動画です

その一部から皆様へのメッセージを紹介します

 

自身を応援してくれたファンやねぶたを愛する人たちへ

「五十数年、百数十台ねぶたを作らせていただきました。

作らせていただいた方、そして私のねぶたを見てくれた方、

楽しんでくれたかな?

それが一番の気持ちです。

もし喜んでいただけたのであれば、作ってきた自分にとっては

こんな幸せなことはないと思っています。」

 

制作した大型ねぶたの台数は156台

多くの名作を生みだし、そして感動を与えてくれた千葉作龍さん

今回の企画展にもご協力いただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです

ありがとうございました!!

 

1月14日(土)と最終日の1月15日は(日)は千葉作龍さんによる

イン会も行われました!

サインするねぶた絵図は千葉作龍さんが長年制作してきた

サンロード青森さんにご協力いただきました

 

大興奮の千葉作龍ファンの皆様

なかには千葉作龍さんへのお手紙を持参する方もいましたね

各日先着40名ではありましたが喜んでいただけて良かったです

 

「第五代ねぶた名人千葉作龍展

~ねぶたに取り憑かれ半世紀、龍の足跡~」

これにて終了となります!

改めてご来場いただいた皆様、本企画展にご協力いただいた千葉作龍さん、

関係者の皆様、誠にありがとうございました。

 

ササキングのレポートでした

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「帝釈天と月の兎」ミニねぶ... | トップ | 竹ねぶたの解体と展示できな... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事