映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

チームバチスタの栄光  

2009-12-20 07:25:01 | 映画(日本 2000年以降主演男性)
心臓手術でバチスタというのがあるらしい。いったん心臓を止めておこなう手術だ。成功率60%なのに26戦連戦連勝だった病院のグループが3連敗を喫していた。何でなのだろうと心療内科の医師竹内結子に調査依頼が下るという話である。2時間の映画だが、1時間半程度犯人が分かりづらくなっている。そういった意味では楽しめるミステリーだ。

ある大学病院でいつも風変わりな患者を相手にしている心療内科医師竹内結子に、病院から依頼があったのはバチスタ心臓手術の失敗が人為的なものなのかどうかである。執刀医師、助手、病理医、麻酔医、検査技師、看護師と一人一人竹内が面談する。抜群の腕前を誇る執刀医吉川浩司はアメリカで鍛えて帰ってきたバリバリだ。一通り調べたがよくわからない。そんな時、疑問を感じて病院に乗り込んできたのが、やり手の厚生労働省の技官阿部寛である。彼はわざと怒らせたりしながら、相手の本音を引き出そうとメンバーを面接するが。。。。。。

仕事で医者とかかわることが多い。最近の医者のルックスの傾向をよくつかんで配役をしている印象だ。むしろ阿部寛の厚生省職員の方に難があるかも?竹内結子のような美人医師も最近は目立つようになって来た。吉川晃司のタイプは一番多いタイプだ。

ミステリーには最初に犯人が分かるパターンと、最後まで引きずるパターンがある。どちらかというと最後まで引きずる方が好きだ。「飢餓海峡」は名作といわれるが、犯人が分かる時間が早すぎる。この映画くらいが良い気がする。なかなか見る機会がなく、テレビ版も見なかった。でもこの映画はそれなりに楽しめた。
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年末あいさつ回りで

2009-12-16 06:52:05 | Weblog
12月に入って今期の見込みを下げることにした。もともと同じ本部のほかの部署が赤字見込みなので、難しい計画ではあった。しかし、7月以降どうもうまくいかない。結局は昨年に比べて利益率の改善で、大幅に利益額はアップしている。でも目標までは届かない。しかも、昨日その見込みをまだ下げるような悪い話があった。うまくいかない。今年の6月終えるくらいの自分のコメントを見るとまだ余裕がある。世相の悪化を恨むしかないのだろうか?

あいさつ回りをしていると、今年一年本当によかったというのは少ない。建設、不動産系はきびしい。中小企業はほぼ全滅だ。そのせいか雇用確保前提で政策公庫がずいぶんと優遇金利で貸してくれるらしい。しかし、医療関係はその中でも特別のようだ。いわゆる開業医の先生方は忙しくて仕方ないようだ。異常なくらい儲かっているようだが、使う暇もない。ある意味気の毒になるくらいだ。その上一般中小企業が儲からないと見るや、税務署も医者を税務調査で狙い撃ちにしているとも聞いている。同様に薬局関係も今年は順調だったようだ。新型インフルエンザは図らずも追い風だったようだ。

しかし、民主党の仕分けで漢方が削減の対象になって以来、薬局側は非常に冷たい目で民主側を見ている。結局元通りになったけれど、何をするか分からないという印象を持っている。銀行にいたっては、民主党は目の敵である。実際、民主党になってから景気が悪化したという人が急激に増えている。しかも、日米同盟の否定に近い行動、中国への過度な配慮と路線転換でみんなが迷走している。

不思議だと思うことは、最近低所得者への配慮という言葉が異様に目立つ。新政権の票基盤からして当然の流れかもしれない。でもこれで良いのであろうか?まじめに働いている人につけが回って、仕事を選びすぎて仕事についていない人を優遇すると、日本の将来にかかわると思う。中国ではまだ3から4万の低賃金の人が多い。でもみんな一生懸命働いている。素晴らしいことだ。やはり何かおかしい。

企業の営利活動に目くじらを充てるような民主党は参議院選挙で惨敗して欲しい。とはいうものの、自民政権の時がそうだったように、ねじれになるのも不安。小沢一郎は中国でいう共産党主席のようだ。中国では別に首相がいる。天皇の中国副主席会見の段取りにも豪腕を発揮した。宮内庁の件はある意味小沢の言うことも一理あると私は思う。事業仕分けで各省庁を血祭りに挙げたが、宮内庁だけは別だった。ここで宮内庁に脅しを入れた。融通の利かない代表の宮内庁にクレームを入れたことに関しては拍手を送りたい。でもこんな感じで舵取りを来年の夏以降すると思うと、日本の将来に不安を感じる。独裁政治が見えてくる。大丈夫かな?日本
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アウェイ・フロム・ハー ジュリー・クリスティ

2009-12-15 21:01:22 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
ジュリー・クリスティというとデイヴィッドリーン監督の大作「ドクトル・ジバゴ」で見せた美しい青い瞳が印象的である。その彼女が40年の月日を経て突如ゴールデン・グローブ賞の主演女優賞を取って、オスカー主演女優賞の最有力候補になり2度目のオスカーをとるかと思わせた。そんな作品である。認知症の女性を見事に演じる。カナダオンタリオの雪景色の風景もよく、しっとりと何かを考えさせる作品だ。

ジュリークリスティは元大学教授だった夫とカナダの湖畔で静かに暮らしている。冬の凍った湖をスキー板で走るのが日課であったが、時々自分が寸前に何をしているのかが分からなくなることがあった。おかしいと思った夫が心療内科で診察をしてもらったら、どうやら認知症の気があることが分かった。そこで老人の療養施設を見学する。ジュリーは入所に抵抗がなかったが、施設に入所後30日妻に会えないこと知り、夫は抵抗する。それでも症状の悪化を心配して彼女は自ら40年以上の夫婦生活で初めて別れて暮らすことを決意する。入所後30日たって、夫が見舞いに行くと、彼女は車椅子の男と仲良くトランプをしていて、その男の面倒をみていた。そして夫をすぐに認識できないでいたが。。。。。。

冬場に観るのにふさわしい、寒々しいカナダの光景である。二ールヤングの独特の歌声がバックに響き、しんしんと心に響いてくる。老人が中心の映画なので、末梢神経を刺激するようなシーンとは無縁である。落ち着いて観られる。そうなりたくはないが、近いうちに自分もこういう生活に近づいていくのかもしれないとふと思ってしまった。
何より驚いたのが、この作品の監督が若干27歳のサラポーリーであることだ。恐るべき才能である。大ベテランを相手に太刀打ちしてしまうところがすごい。
ふけてはしまったが、ドクトルジバゴで見せたジュリークリスティの美しい青い瞳はまだ眼光の奥底では輝いていた。
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酔いどれ天使  黒澤明

2009-12-14 21:39:54 | 映画(日本 黒澤明)
黒澤明と三船敏郎のコンビで初めて作られた作品。戦後の焼け跡の中、たたずむ一人の医者志村喬とヤクザ三船敏郎との心のふれあいを描く。まだ若くエネルギッシュな三船が際立つ。脚本もよく、セリフの一つ一つが心に残り、古さを感じさせない傑作だ。 医者である志村喬のところを、手を負傷した三船敏郎が診察に来る。どうも手はピストルで撃たれた跡のようだ。咳き込む三船が調子悪そうなので、問診をすると結核の疑いがある。その話をすると、三船は怒って診療所を出る。焼け跡の町の顔役である三船が昼からダンスホールに入り浸りという話を聞き、結核の治療にあたるよう説得をしにダンスホールに行くが聞く耳を持たない。そんな時、志村喬の医院を手伝っている中北千枝子の元の情夫で三船の元兄貴分がお勤めを終えて刑務所から戻ってきた。三船は病気を自覚して付き合い酒を断ろうとするが、ちょっと一杯のつもりが量が多くなり、そのままダンスホールへ行く。そこには三船の情婦木暮実千代がいた。三船が兄貴分に木暮と踊るように言うが、兄貴分は木暮に一目ぼれ。その後二人は女の取り合いをするようになるが。。。。。




三船敏郎がぎらぎらしている。戦後間もない時代背景もあるだろうが、脂ぎっている。その彼が結核の症状が悪くなり、弱っていく。そこに医者である志村喬がからむ。志村が老練な姿を見せるのは「生きる」の後で、ここではまだ普通の中年飲んだくれ医師を演じる。その志村が痛烈にヤクザの悪口をいう。そのセリフが非常に印象的だ。脚本がうまい。それ自体、ヤミ商売が横行する社会に対する黒澤明監督の痛烈な現代批判である。

もう一つ印象に残るシーンがある。笠置シヅ子の「ジャングルブギ」の場面である。この映画を観るのは多分3回目だと思うが、最初に笠置の歌を観た時にはその迫力に本当にびっくりした。三船が兄貴分を連れてきたナイトクラブで笠置が歌う。歌のワイルドさもすごいが、それをとらえるカメラワークも効果的に彼女をアップで撮っている。昭和40年代から50年代にかけて日曜日の昼間に漫才師てんやわんや司会で「家族そろって歌合戦」という番組をやっていた。人気番組だった。その審査員の中に笠置シズコがいた。当時もいかにもオバサンで、この人何やっている人なのかと子供心にずっと思っていた。それを覆すのがこの映画だった。ジャングルブギの作詞が黒澤明というのも面白い。

その他脇役も中北千枝子、飯田蝶子とまだ初々しい久我美子がでている。最近「家庭教師のトライ」のCMで二谷英明と一緒に出てきて、大声でわめき回るもう少し年をとった中北千枝子が目立つ。「ニッセイのオバサン」のCMで一世を風靡したころの中北だ。黒澤映画だけでなく、小津、成瀬と巨匠にこれだけ愛された女優もめずらしい。飯田蝶子は戦後間もないのにおばあさん役、老け役をこんな早い時期からやっていたのかと思うとすごい気がする。華族出身で学習院女子部出身の久我美子はいかにも気品がある。たしか現天皇の姉上と同窓と聞いた気がする。 そんな俳優を自由に使いきった黒澤にとって、この映画は会心の作品だったに違いない。娯楽性を重要視しながら、少ないながらも世相批判する脚本がいい
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幸福の黄色いハンカチ 高倉健

2009-12-12 22:22:44 | 映画(日本 昭和49~63年)
山田洋次監督による高倉健主演の作品。ロードムービーが急に観たくなり久しぶりに見た。脇を固めるのがいわゆる山田組の渥美清、倍賞千恵子に加えて、武田哲矢と桃井かおりである。過去のある男が現実とさまよう姿を描く高倉健の得意技では比較的初期の作品である。

北海道の網走に東京から車で一人きていた武田哲矢は、駅で若い女性を見つける。桃井かおりである。どちらかというと奥手のタイプの彼女を強引にドライブに誘う。足がない彼女はついていく。その旅先でたまたま出会ったのは高倉健であった。ひょんなことから彼も同乗してドライブすることになる。ところが、途中で武田が蟹を食べすぎお腹をこわしてしまい、牧場のトイレに駆け込む羽目に。そのときに大きな車が来て動けない。仕方なく仮免までとったことのある桃井が運転して、車が脱輪したり、爆走したり大変なことになる。そこで高倉健が運転することになる。ところが、移動先で警察の一斉検問をやっていた。免許証の提出を求められるが高倉に免許証がない。刑務所から出てきて間もないことを尋問で答えているのを聞いて二人はビックリするが。。。。。

この後は炭鉱夫だった高倉の回想シーンが多くなる。そして倍賞千恵子が絡んでくる。このあと続く高倉の現代劇のいつものパターンと同じである。しかし、音楽を含めた全体的な流れは山田洋次監督の「男はつらいよ」やロードムービー「家族」に近いものがある。降旗監督作品と微妙に違う。笑いをおこしながら、お涙頂戴というのは寅さん映画と一緒である。ある意味単純なのかもしれない。松竹らしい映画スタイル。

武田と桃井かおりはまだ若い。演技も今と比較すると荒削りだ。でもこの二人と高倉健が組んだこと自体意義がある。上映当時はビックリしたものだ。東映のヤクザ映画の大スター高倉健が、こういう人情劇に出てうまくいくのかどきどきした。早いものだ。もう30年以上たつ。古さを感じさせるがそれはそれで良いかもしれない。
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イントゥ・ザ・ワイルド ショーン・ペン

2009-12-09 17:48:37 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
オスカー俳優ショーンペンがメガホンをとった昨年の作品。ロードムービーの色彩である。幅広くアメリカ国内をロケして、主人公の出会いを描いていく。風景をとらえる撮影がよく、ほのぼのとした気分にさせられる傑作だ。

主人公はアトランタの大学を優秀な成績で卒業したばかりである。別に暮らす父母と妹がいる。家族の関係は比較的複雑で、主人公はこれまで妹と一緒に父母の関係を悩んでいた。ハーバードの法科大学院にもいける成績だったが、学費を寄付して、一人車で放浪の旅に出る。ところが、鉄砲水を浴びてしまい車が立ち往生。彼は歩いて無一文のヒッチハイクの旅に出る。そこで出会うのは、夫婦関係が破綻に向かっていた夫婦や大平原で農家を営む男など。そういう出会いを繰り返しながら、アメリカ大陸を少しずつ移動していくが。。。。。

奇才デイヴィッド・リンチ監督に一つだけ異色のロードムービーがある。「ストレイト・ストーリー」である。兄が倒れた一報を聞き、500km以上はなれた場所にトラクターで向かう話である。全編に流れるのはほのぼのとしたムード。向かう間にいろんな出来事にあう。その映画を思い出した。

家庭環境が複雑なのは少しずつ説明していくが、何で一人で放浪するのかというのは正直分かりにくい。それでも、方々で出会う人たちとのやり取りはなかなかユニークだ。貨物列車にかくれ乗ったり、浮浪者向きの宿に入ったりするなど細かいエピソードもたくさん伝えている。その中でアメリカの美しい風景を映しつつ、心に残る出会いを描く。
これだけのロケ地の候補を探すだけでも、かなりたいへんだったのではないか?10年の構想というが、まずはカメラ映りの良い場所選びで相当時間がかかったと思われる。しかもそのショットが非常によい。撮影は誰かと思わず調べた。エリック・ゴーティエというフランス人である。わざわざ連れて来たのもショーン・ペンが評価したからであろう。なるほどチェ・ゲバラの若いときを描いたロードムービー「モーターサイクルダイアリー」の撮影担当だった。そう聞くと納得した。

ショーン・ペンというとシリアス物を想像してしまう。これもそうだが、ちょっとタッチが違う。心理的に考えさせられる所もある。でもこの映画に限ってはそういう鑑賞法は不要だと思う。難しく考えない方が良い。デイヴィッドリンチ同様、一回こういうロードムービーを作ってみたかったんだろう。これだけいろんな場所をまわって歩くのも楽しかったであろう。

予想以上の傑作であった。
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レナードの朝 ロバート・デニーロ

2009-12-09 16:55:01 | 映画(洋画:2000年以降主演男性)
医者と患者の友情、そして30年の眠りからさめるってどういうことなのかという話。患者デニーロがかなりの熱演、難しい役をベテランらしくこなした。

神経科の医師であるロビン・ウィリアムズがブロンクスにある神経科の病院に着任する。そこで脳障害で動きがまったく止まっている患者たちの中で診察することになる。その中の患者であるロバートデニーロは1939年のある日、脳障害で突然動きが止まり30年間植物人間的な生活をしている。その患者に対して、ロビン医師はアミノ酸混合物を使った化学反応で生き返らせようと試みる。その結果、まったく動きの止まったデニーロが動き出し、言葉を発するようになる。老いたデニーロの母も喜ぶ。同じように病院の患者たちが次から次へと深い眠りから覚めていくが。。。。

患者にとってはタイムマシンで未来に移動したような心境である。1930年代の服装で外界へ出ると、ニューロックがはやり始めの69年にスライドである。若者の頭は長髪が目立ち、ヒッピーのような人種もいる。でも30年も過ぎているのに言葉って出るものなのであろうか?不思議な気がする。脳の構造はよくわからない。言葉が発せられるといろんな感情が生まれてくる。誰かが好きだとかいう感情も生まれてくる。それが葛藤を招いてくる。

主演二人はいずれも器用な俳優である。ロビン・ウィリアムズは「グッドモーニングベトナム」の彼の顔とこの映画の顔はまったく違う。同じように演じられるのはすごい。巧者二人がそろうと映画が引き立つ。
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ペイフォワード ケビンスペイシー

2009-12-08 19:09:17 | 映画(洋画:2000年以降主演男性)
「誰かから良いことされたら、そのままお返しするのではなく、別の3人の人に良いことをしてあげる。」というのが主旨である。主人公の少年ハーレイ・ジョエル・オスメントは名子役。ここでもケビンスペイシー、ヘレンハントの大物を食った良い演技を見せる。せつないところがある映画だが、そんなに感動する映画だとは思わない。でも主旨は非常に良いと思う。

主人公の少年は日本でいう中学1年生である。母親ヘレンハントはラスベガスのバーで働いているが、アル中気味。父親はケンカして出て行って、二人で暮らしている。その彼が学校へ行くと、新しい教師ケビンスペイシーが来ていた。彼は顔に焼けどの跡がある社会科の教師。生徒たちに向かって「自分が世界を変えたいと思ったら何をする?」と問いかける。少年たちは各自いろんな反応をする。少年は主題の「良いことをされた以外の3人の誰かに良いことをしてあげる。」という話をする。先生はそれは良い話だと反応する。あるとき母親へレンが家に帰ると、こどもが一人の浮浪者を家に上げていた。びっくりして、問いただすと学校で習ったことだと息子が言うので彼女は学校に怒鳴り込みに行きケビン先生に会いに行くが。。。。。。

全編音楽を押さえ気味にして淡々と流れる。「フィールドオブドリームス」のような雰囲気だなと思っていた。そうしたらラストシーンが出てきて、まさにあの映画のパクリだった。でもそれはそれで良いと思う。彼の善意を表現するにはこれが一番良い終わり方なのかもしれない。

主人公の少年ハーレイ・ジョエル・オスメントが実に光る。このころの彼は実に良い仕事をしていた。情報によると最近は薬物中毒でつかまったりしているようである。こういう子って多いなあ。

娘が昨日学校から帰ってきて、クラスの中で授業を妨害したりする男の子が骨折したらしいといっていた。非常に迷惑な生徒らしい。みんな喜んでいたといっていた。この映画の中でも、主人公の少年の友人がよくいじめられる。それをかばうのが主人公だ。いわゆる良いことの一つとして彼は助けてあげる。アメリカ映画の中には、どろどろして訳が分からなくなる映画もあるが、こういう善悪をはっきりする映画をつくる伝統もある。これはこれで素晴らしいと思う。

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真夜中のピアニスト ジャック・オディアール

2009-12-06 22:24:12 | 映画(洋画:2000年以降主演男性)
フランス映画にしては画像の美しさと無縁である。フランス語を話していなければパリかどうか分からない。地上げ屋の28歳の若者にスポットをあてて、手持ちカメラ中心に彼を追いかけていく。もともとピアニストだった母の血を受け継いだ彼が、東洋人女性にピアノのレッスンを受けるシーンも多く、泥臭い地上げのシーンとの対比が際立っていく。陰陽のギャップが強い傑作だと思う。


パリでかなりあくどい地上げをしている不動産業の主人公がいる。父も同じ商売をしていて、きわどい金融回収もしたりしていた。亡き母がピアニストだった影響で、小さいころはピアノを習っていた。母の音楽エージェントに偶然出くわす。「才能があった貴殿は今はピアノをやっているのですか」と聞かれて、ついついピアノのことを思い出す。そしてきわどい仕事をしながら、昼間は東洋人ピアニストのレッスンを受け、ハイドンのピアノソナタを練習するようになるが。。。。

ジャック・オディアール監督には「リードマイリップス」という映画があった。読唇術ができる女の話である。暗いムードはあの映画に通じる。カメラはひたすら主人公を追う。日本でもバブルになるころ、地上げ屋という人種がいた。今でも同じような人種がいるけれど、当時のほうがヤクザの匂いをさせる男たちが多かった。主人公はむしろそういう男たちに通じる。それなのに別のピアニストの顔を見せる。表情の七変化がある。


今回はベトナム人ピアノ教師を演じた女性(リン・ダン・ファン)が重要な役割を示す。主人公とは正反対に清楚でインテリ系のいかにも音楽をやっているお嬢さんという風貌だ。個人的には好きなタイプだ。久しくピアノをやっていなかった主人公がレッスンを受ける。うまくいかないとことも多い。そこで彼女との葛藤が生じる。彼女はフランス語を話せない。言葉が分からない女性とのレッスンシーンである。これがいい。なぜか心を洗われる気がする。

でもストーリーは素直に進めない。そのギャップに脚本のうまさも感じる。

(参考作品)
真夜中のピアニスト
裏世界とピアニストのギャップ


リード・マイ・リップス
ジャック・オディアール監督の傑作「読唇術ができる女」
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景気よくなるかなあ?

2009-12-06 11:27:18 | Weblog
先週日経平均が1000円近く上がった。
軽いリバウンドがあるかと思ったが、こんなに上がるとは思わなかった。
それもあるけれど、円が90円台に戻るとは少しびっくりである。
いつもブログでいっているけれど円安以外に日本の生きる道はないと思う。

予算仕分け会議はそれはそれで意義はあるけれど、緊縮財政では復活はないと思っていた。先週はじめから政府の動きも変わってきた。どうも最悪期は脱した感がある。一週間でこうも変わるものなのか?

今朝亀井静香大臣がテレビに出ていた。財政出動の重要性を、榊原元大蔵省財務官と一緒に語っていた。亀井氏の返済猶予の話、郵政株凍結の話には疑問を感じていたが、今日の話はまともである。けっして経済オンチではない。これからに期待である。

4日の日にボーナスをもらった。夏に大幅ダウンをしていたので、今回もそうなったらいやだなと思っていた。でもそうならないでよかった。夏よりはプラスであった。夏に減らした妻への分け前も今回増やした。いい加減ここいらで底を打って欲しいなあ。

あとは価格政策だ。今年は利益率重視でいったので、昨年度とほぼ同じ売り上げ見込みだけれど、私の部署はなんとか利益は前年プラスの見込みだ。3%の改善でも全体トータルすると大きく違う。でも営業サイドからは、価格政策をもう少し緩めないとと悲鳴が出ている。金曜の幹部懇親会で特上カルビを食べながらつるし上げられそうになった。12月から2月にかけて少しばかり緩めるとしよう。
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社長太平記  森繁久弥

2009-12-03 20:02:27 | 映画(日本 昭和35年~49年)
東宝のゴールデン喜劇である。森繁、加東大介、小林桂樹、三木のり平と毎度おなじみのメンバーである。古きよき時代のサラリーマン社会の中いつものようにドスケベ社長を演じる森繁が滑稽である。

最初に軍隊時代の3人の姿が出てくる。ともに軍艦に搭乗する森繁が二等兵、その上司が小林桂樹、艦長が加東大介である。ところが、現在は森繁社長、独身の専務が小林桂樹、庶務課長が加東大介と立場が逆転する。会社は下着を取り扱う会社、関西の繊維会社が下着を取り扱って、東京に進出してきて状況がよくない。そこで得意の接待攻勢をデパートの仕入れ課長である有島一郎にかけるというストーリー展開。そこに接待料亭の女将藤間紫や銀座のバーのマダムの淡路恵子が絡んできていつものようにドタバタしてくる。。。。。

晩年だけを知る人たちには意外に思われるようだが、森繁はやはり喜劇役者である。しかも、森繁は本当に楽しそうにスケベな社長を演じている。小林桂樹はいつもバカまじめ的な役が多い。逆にそれが笑いを誘う。久慈あさみの妻役も見慣れているごとによくなってくる。森繁の浮気相手藤間紫との境に立つシーンが滑稽だ。三木のり平はいかにも奇怪な動きをする古典的喜劇役者。世紀の怪優ぶりだ。
加えてなぜかジプシーローズをはじめとした当代きってのストリッパーが出てくるのは貴重な映像である。時期が時期だけにハードな場面はないけれど。。。

大笑いをするという訳ではない。女癖の悪さについつい苦笑いしてしまうという感じである。植木等の映画同様、社有族の典型的な破廉恥な姿を表わしていることで、ある意味サラリーマンを目指そうとする人が増えたのではなかろうか?昭和30年代の東宝映画は日本の経済成長の裏の姿をうまく表現している。金に潔癖なだけでは世の中楽しくはない。
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森高千里にびっくり!

2009-12-02 22:08:40 | 音楽
何気なくテレビを見ていたら、FNS音楽祭をやっていた。

そこで森高の「私がオバサンになっても」を槇原が「スピード」の女の子たちと歌っていた。
なかなかの熱唱だったけど、途中で画面が変わって素敵な女性をテレビが映す。
もしかして森高?と思いながら、久しぶりでわからない。
何度も見るうちに森高と確信。ショートヘアーが似合うものすごくきれいな女性に成長していた。森高ソングを歌うのが「スピード」の女の子やおばかキャラの里田まいとかはるかに年下だけど、40になった彼女の美しさの度合いが比較にならない。

その後「渡良瀬橋」を歌う森高が本当に素敵だった。
久しぶりに黒のドレスが似合う姿を見て、ショッキングな美しさに目を奪われた。
昔からの森高ファンはうれしかったろうなあ!

稲垣淳一と「雨」をデュエットした。これもなかなかだ。

実は小生カラオケで森高の歌をよく歌う。場を盛り上げるパターンである。だからか親しみがある。
でもいいなあ!!森高

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上海ベイビー  

2009-12-01 05:28:45 | 映画(アジア)
DVDのジャケットに松田聖子が全面に出ている。逆に印象が悪く見ない人も多いと思う。実際には主役ではなく、中国版過激女優ベイリンが主演で、自由奔放な上海人女性を演じる。ベストセラー作品をドイツ人が監督した作品。撮影は比較的きれいで、上海の街並みの良いとこ取りをしている印象だ。

主人公ベイリンは作家志望の女性。カフェの店員をしているときに、店に来ている男に愛の告白を受ける。彼は画家志望の男であった。その彼と同棲するようになり、上海の川沿いに住むようになる。しかし、彼は性的不能者であった。彼の旧知の女性が松田聖子である。元々売春屈を取り仕切っていたが、今は自由に生きている。彼女のパーティに夫婦で招かれたとき、ドイツ人駐在員を紹介される。その男性と踊るうちに彼女はドイツ人に強烈にひかれていくが。。。。。

主人公ベイリンはかなり大胆に脱いで、性的な場面を多数見せる。スリムな身体でもう少し若いと思ったら、もう40過ぎている。どちらかというと言葉は悪いが、あばずれ系である。DVD自体が30分前後カットされているという。ということはもともとアダルトビデオ並みの強烈な演技だったのではないか?

松田聖子はところところに出てくるというだけ、英語は自慢しているだけあってそれなりにうまい。でも、この主人公と彼が中国人で中国に住んでいるのに英語を機軸にしてセリフが語られているのが妙に不自然な気がする。

上海が好きな人が暇つぶしに見てみたら?といった作品。
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