映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

社長太平記  森繁久弥

2009-12-03 20:02:27 | 映画(日本 昭和35年~49年)
東宝のゴールデン喜劇である。森繁、加東大介、小林桂樹、三木のり平と毎度おなじみのメンバーである。古きよき時代のサラリーマン社会の中いつものようにドスケベ社長を演じる森繁が滑稽である。

最初に軍隊時代の3人の姿が出てくる。ともに軍艦に搭乗する森繁が二等兵、その上司が小林桂樹、艦長が加東大介である。ところが、現在は森繁社長、独身の専務が小林桂樹、庶務課長が加東大介と立場が逆転する。会社は下着を取り扱う会社、関西の繊維会社が下着を取り扱って、東京に進出してきて状況がよくない。そこで得意の接待攻勢をデパートの仕入れ課長である有島一郎にかけるというストーリー展開。そこに接待料亭の女将藤間紫や銀座のバーのマダムの淡路恵子が絡んできていつものようにドタバタしてくる。。。。。

晩年だけを知る人たちには意外に思われるようだが、森繁はやはり喜劇役者である。しかも、森繁は本当に楽しそうにスケベな社長を演じている。小林桂樹はいつもバカまじめ的な役が多い。逆にそれが笑いを誘う。久慈あさみの妻役も見慣れているごとによくなってくる。森繁の浮気相手藤間紫との境に立つシーンが滑稽だ。三木のり平はいかにも奇怪な動きをする古典的喜劇役者。世紀の怪優ぶりだ。
加えてなぜかジプシーローズをはじめとした当代きってのストリッパーが出てくるのは貴重な映像である。時期が時期だけにハードな場面はないけれど。。。

大笑いをするという訳ではない。女癖の悪さについつい苦笑いしてしまうという感じである。植木等の映画同様、社有族の典型的な破廉恥な姿を表わしていることで、ある意味サラリーマンを目指そうとする人が増えたのではなかろうか?昭和30年代の東宝映画は日本の経済成長の裏の姿をうまく表現している。金に潔癖なだけでは世の中楽しくはない。
コメント
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