映画「TITAN チタン」を映画館で観てきました。

映画「チタン」は2021年のカンヌ映画祭のパルムドール作品である。ちょっと変わった怪作という評価もあり関心を持つ。映画ポスターだけを見ると、普段好みとする作品とはちがう。先入観を持たずに映画館に向かう。
車に執着する少女アレクシア(アガト・ルセル)が交通事故に遭い、瀕死の重傷で頭にチタンを埋め込まれる。その後、大人になり、モーターショーでエロチックなダンスを踊っていた。ところが、熱狂的なファンを殺してしまい指名手配で逃走する途中で、自分に似た行方不明の少年がいることを知り、自ら名乗り出て消防隊長の父親ヴァンサン(ヴァンサン・ランドン)のもとで、消防士になって身を隠すという話である。

評価のとおり確かにこんな映画は観たことがない。
しかも、監督脚本が女性監督ジュリア・デュクルノーと映画を見終わってから知り、おったまげた。しかも美人だ。少なくとも日本の女流監督にはこういう作品をつくれる人はいないし、クライムサスペンスに優れる韓国でもここまでのエグい作品は作れない。ジュリア・デュクルノーの両親は2人とも医師だという。映画を観れば、その素養が十分生かされていると感じる。
主人公アレクシアはいかにも変態異常というべき人物だ。あとの主要な登場人物は自分の息子と思って引き取る消防隊長ヴァンサンくらいのものだ。マッチョのヴァンサンのディテールにとことんこだわる。それでストーリーをらしくしているのは上手い。

⒈殺しと偏愛
フランスじゃこんなエロチックなモーターショーやっているの?と思わせるきわどいショーに通う熱狂的なファンを殺してしまう。シャロンストーンの「氷の微笑」でのアイスピック殺人を連想する殺し方でスタートして、殺しの場面が続くと連続殺人事件の話かと思ってしまう。これだけじゃ単なる三流セクシーバイオレンス映画でパルムドール作品にはならないだろう。15禁といっても、ファックシーンが続くわけではない。カンヌの表彰式のプレゼンターがなんとシャロンストーンという写真を見て思わず笑った。
ここで、アレクシアは変装する。髪の毛を切るだけでなく、顔をわざとぶつけて形を変えるなんて芸当で姿を変える。胸はサラシを巻いたようにテープでぺったんこにする。TVに映る行方不明だった少年が今こんなに大きくなったと名乗り出る。すると、目通しで運良く父親ヴァンサンが引き取るのだ。消防隊の隊長だ。何を聞かれてもアレクシアは一言も話さない。でも気がつくと、消防隊員にさせられている。こういう展開は予想外だ。
この映画のうまさのひとつにこの父親の存在がある。しかも、この後偏愛物語のように展開する。グッと面白くなってくる。目が離せないシーンが続く。
⒉妊娠
アレクシアが変装する段階で、裸になるとお腹がポコンと出ている。そこで妊娠しているんだなあと観客に感じさせる。当然、若い男性のふりをしているし、体にはテープを巻いている。ずっと、隠していくのかと思うと、だんだんお腹が大きくなっていく。ここからがポイントだ。アガト・ルセルは初めて知った女優だが、全裸になっての大胆なシーンと懐妊後の異常パフォーマンスにはすげえと感じる。

でも、映画を観終わって、これって「車と交わってできた子ども」といういくつかの解説をみて意外に思えた。SF的世界ということなのか。でもそこまでは感じなかった。終わってみれば、確かに黒い液体がアレクシアの身体の至る所から出ているシーンがあった。当然露骨にクルマの子だというセリフもないけど、その解釈はうーんという感じである。

映画「チタン」は2021年のカンヌ映画祭のパルムドール作品である。ちょっと変わった怪作という評価もあり関心を持つ。映画ポスターだけを見ると、普段好みとする作品とはちがう。先入観を持たずに映画館に向かう。
車に執着する少女アレクシア(アガト・ルセル)が交通事故に遭い、瀕死の重傷で頭にチタンを埋め込まれる。その後、大人になり、モーターショーでエロチックなダンスを踊っていた。ところが、熱狂的なファンを殺してしまい指名手配で逃走する途中で、自分に似た行方不明の少年がいることを知り、自ら名乗り出て消防隊長の父親ヴァンサン(ヴァンサン・ランドン)のもとで、消防士になって身を隠すという話である。

評価のとおり確かにこんな映画は観たことがない。
しかも、監督脚本が女性監督ジュリア・デュクルノーと映画を見終わってから知り、おったまげた。しかも美人だ。少なくとも日本の女流監督にはこういう作品をつくれる人はいないし、クライムサスペンスに優れる韓国でもここまでのエグい作品は作れない。ジュリア・デュクルノーの両親は2人とも医師だという。映画を観れば、その素養が十分生かされていると感じる。
主人公アレクシアはいかにも変態異常というべき人物だ。あとの主要な登場人物は自分の息子と思って引き取る消防隊長ヴァンサンくらいのものだ。マッチョのヴァンサンのディテールにとことんこだわる。それでストーリーをらしくしているのは上手い。

⒈殺しと偏愛
フランスじゃこんなエロチックなモーターショーやっているの?と思わせるきわどいショーに通う熱狂的なファンを殺してしまう。シャロンストーンの「氷の微笑」でのアイスピック殺人を連想する殺し方でスタートして、殺しの場面が続くと連続殺人事件の話かと思ってしまう。これだけじゃ単なる三流セクシーバイオレンス映画でパルムドール作品にはならないだろう。15禁といっても、ファックシーンが続くわけではない。カンヌの表彰式のプレゼンターがなんとシャロンストーンという写真を見て思わず笑った。
ここで、アレクシアは変装する。髪の毛を切るだけでなく、顔をわざとぶつけて形を変えるなんて芸当で姿を変える。胸はサラシを巻いたようにテープでぺったんこにする。TVに映る行方不明だった少年が今こんなに大きくなったと名乗り出る。すると、目通しで運良く父親ヴァンサンが引き取るのだ。消防隊の隊長だ。何を聞かれてもアレクシアは一言も話さない。でも気がつくと、消防隊員にさせられている。こういう展開は予想外だ。
この映画のうまさのひとつにこの父親の存在がある。しかも、この後偏愛物語のように展開する。グッと面白くなってくる。目が離せないシーンが続く。
⒉妊娠
アレクシアが変装する段階で、裸になるとお腹がポコンと出ている。そこで妊娠しているんだなあと観客に感じさせる。当然、若い男性のふりをしているし、体にはテープを巻いている。ずっと、隠していくのかと思うと、だんだんお腹が大きくなっていく。ここからがポイントだ。アガト・ルセルは初めて知った女優だが、全裸になっての大胆なシーンと懐妊後の異常パフォーマンスにはすげえと感じる。

でも、映画を観終わって、これって「車と交わってできた子ども」といういくつかの解説をみて意外に思えた。SF的世界ということなのか。でもそこまでは感じなかった。終わってみれば、確かに黒い液体がアレクシアの身体の至る所から出ているシーンがあった。当然露骨にクルマの子だというセリフもないけど、その解釈はうーんという感じである。