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映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「2度目のはなればなれ」マイケル・ケイン&グレンダ・ジャクソン

2024-10-14 18:05:43 | 映画(洋画:2022年以降主演男性)
映画「2度目のはなればなれ」を映画館で観てきました。


映画「2度のはなればなれ」は大ベテランマイケルケインの引退作になる英国映画、オスカー主演女優賞を2度受賞しているグレンダジャクソンと90歳になる老夫婦役を演じる。この映画の公開前にグレンダジャクソンは亡くなっている。字幕翻訳はこれもベテラン戸田奈津子で、久々に名前を見た。もう88歳なんですね。

個人的に老人映画は敬遠しているが、Netflixでマイケルケイン主演の日本未公開作品「小説家の旅路」を観たが良かったので気になっていた。原題は「the Great Escaper 」、対岸のフランスで開催される退役軍人の会に参加するために英国ドーバーの老人施設を抜け出して船で向かう主人公の話だ。

2014年夏。イギリスの老人ホームで寄り添いながら人生最期の日々を過ごす老夫婦バーナード(マイケル・ケイン)とレネ(グレンダ・ジャクソン)のある行動が世界中の大ニュースとなった。ひとりバーナードはフランスのノルマンディへ旅立つ。彼が行方不明になったという警察のツイート(#The Great Escaper)をきっかけに、世界中で話題になったのだ。(作品情報 引用)


老人施設を脱出することで原題がつけられている。フランスで開催されるノルマンディ上陸作戦の70周年記念式典に出席するため、ひそかに老人施設をぬけ出すので職員が行方不明の捜査を依頼して大騒ぎになったのだ。「大脱走」と日本題は付けづらかったかもしれない。

大ベテランの枯れ切った掛け合いには敬服する。
色あいのセンスがいい映画だ。薄いブルーとベージュの補色に近い2色が服装やインテリアだけでなく、ドーバーや海上の船から望む海や青空の色となる。視覚的に心を落ち着かせてくれて、やさしいピアノの音色が包んでくれる。わかりやすい英語で心地よく映画を楽しめた。


2人のセリフはそれなりの量だ。俳優のキャリアを通したマイケルケインとは異なり、グレンダジャクソンは政治家になりいったん俳優を引退している。それでも、茶目っ気あふれるセリフはアフリカ系女性が演じる介護士と巧みにからまってコミカルな雰囲気をだす。一定のレベルに達すると、技量は落ちないのであろうか?


ロードムービー的な感覚でバーナード(マイケルケイン)はフランスに行ってから色んな人に出会う。つらい戦争経験の苦しみも分かち合う。行く途中で出会った英国空軍出身の老紳士にはツインだから一緒に泊まろうよと宿までお世話になる。その紳士が空軍にいた時、空から爆撃した街に弟がいて自分が殺したのではとのトラウマを持つ。ドイツ軍兵士だった老人にも会いお互い感極まる。大戦中の回想シーンでは最前線のシーンになり亡くなった戦友をしのぶ。戦争経験のある高齢の方が見たら思うところもあるだろう。若き日の2人を映すシーンはさわやかな恋愛映画のようだ。


The Great Escaperと新聞でも話題になったようだ。ドーバー海峡越えての英国へのご帰還で「You'd be so nice to come home to」とバックに曲が流れるのがいい感じだった。
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映画「若き見知らぬ者たち」 磯村勇斗&岸井ゆきの&福山翔大

2024-10-14 05:52:26 | 映画(日本 2022年以降 主演男性)
映画「若き見知らぬ者たち」を映画館で観てきました。

映画「若き見知らぬ者たち」は「佐々木インマイン」の内山拓也の監督脚本作品である。直近の日本映画を引っ張る若手の磯村勇斗が主演で岸井ゆきの、福山翔大、染谷将太が脇を固める。磯村勇斗と岸井ゆきのの共演というだけでそれなりのレベルを期待して事前情報なく映画館に向かう。

資金がなく貧相な映画になってしまうことが多い日本映画としてはフランス、香港、韓国の資本が入っているというのは良いこと。それでも、テーマは貧困、脳に障がいをもった母親の介護といった直近の日本映画に多い貧乏くさい内容が中心だ。

映画が始まり、3人の若者と母親らしき4人が出てくるが、それぞれの関係がよくわからないまま映画は進む。どうも母親(霧島れいか)は障がいを持っているようだ。まともに食事もままならない。次男(福山翔大)はトレーニングに励んでいる。食卓で食事をだす女性(岸井ゆきの)が誰なのかと思ったら長男(磯村勇斗)とメイクラブする。女性は看護師のようだ。長男はどこからかの督促状を持っている。金銭的に楽でなさそうだ。結局、説明的な進み方をしないで、時間をかけて個人間の関係がわかっていくようになる。

ここで作品情報を引用する。

風間彩人(磯村勇斗)は、亡くなった父(豊原功補)の借金を返済し、難病を患う母・麻美(霧島れいか)の介護をしながら、昼は工事現場、夜は両親が開いたスナックで働いている。彩人の弟・壮平(福山翔大)も同居し、同じく借金返済と介護を担いながら、父の背を追って始めた総合格闘技の選手として、日々練習に明け暮れている。息の詰まるような生活に蝕まれながらも、彩人は恋人・日向(岸井ゆきの)との小さな幸せを掴みたいと考えていた。(作品情報 引用)


途中から意外な展開を見せた後で思わぬ見せ場をつくる。
最近の日本映画得意の貧困ストーリーに介護まで加わるだけの話かと思ったら、主人公を一気に奈落の底まで落とす。これには驚く。苦難の道に陥るだけでない。ネタバレなのであとで語る。

それと、総合格闘技の選手という設定の次男の金網ファイトシーンがある。「これって本気じゃない」と思ってしまうほどのマジファイトとは想像していなかった。殴っているのは本気に見えるので驚く。どうも福山翔大は格闘技の練習をしたらしい。


「ドライブマイカー」の浮気した妻役で好演した霧島れいかが母親役だと最初は気づかなかった。食事している時から調味料を異常に混ぜたり、スーパーで万引きしたり、ぐちゃぐちゃにしたり、畑を荒らしたりするまさに要介護の母親だ。せっかくスナックを始めたのに、浪費でカネを使い果たした元警察官の夫に呆れかえっているうちに心を病んだのであろうか?はっきりと映画内で語っていないけど、母親に存在感をもたせる。


(ネタバレありなのでここから注意)
それにしても、主役(磯村勇斗)が途中で亡くなってしまうのにはビックリする。親友の結婚パーティに行く予定で、店を閉めようとしたら酔っぱらい3人が入ってきて強引に店で飲んでしまい、暴行を受けたあとで外で引きづり回された上に、痛めつけられてしまう。警察が来てストップするけど結局やられた主人公を連行するなんて強引な設定だと感じる。

実はこのあとツッコミどころ満載だ。
⒈閉店と言っているのに酔客を断りきれないという設定がそもそもそんなことあるのかな?店で暴れてケガをしているのに外へ飲みに連れ回すなんてことあるかしら?

⒉外で暴行を受けていて、警察が見つけて尋問する。結局倒れている方が連行されるけど、普通は争っている全員の素性を確認するために、現場に来た警察は全員の免許証(身分証明書)を確認して警察署に問い合わせて前科も含めた素性を確認するはずだ。結局暴行した連中が誰かはわかる。警官2人が主人公の死でうやむやにしようとする設定としてもおかしいんじゃない。

⒊結局主人公が亡くなって、葬儀が終わった後に親友だった染谷将太がスナックに行って歌うシーンがある。そもそもスナックが死んだその日のままなのもおかしいし、スナックには主人公が殴られて血が出ている跡もある。いくら何でもこれに気づかないのは変じゃない?それで捜査を再開するように訴えてもおかしくないし、今は防犯カメラもあって暴行した人間を追跡もできる。これは神奈川県警をバカにしているシーンだ。

4.父親が亡くなっているのは主人公が子供の時だ。今主人公が経営しているけど、その間どうしていたの?誰かスナックやる人がいないとおかしいよね。妻がやるようには見えない。しかも、父親の借金こんな長い間飛ばないでできるのかしら?自宅も一戸建てに住んでいるし?督促状は何?不思議?

あんまり疑問点ばかり言っても仕方ない。監督がまだ若くて仕方ないだろう。
出演者それぞれの演技自体は悪くないし、霧島れいかと福山翔大には敢闘賞をあげたい。今回の岸井ゆきのは見せ場がなかった。
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