気ままにフィギュアスケート!

男子シングルが好きです。

織田君の引退

2013-12-25 23:44:12 | 男子選手
男子の感想の最後に書こうと思っていたのですが、別に書くことにしました。

昨晩のMOIで織田君が引退を発表しましたね。

自分の演技終了後、「大ちゃん、ガンバ!」と叫んでくれた織田君。
自分が絶対的に優位か、代表を争う立場にならない下位かならともかく、ショートで大ちゃんよりも1つ下の順位で、フリーで希望が微かに見えてきた立場の彼が、心の底から送ってくれたエールです。
本当に表裏のない素直な心根の人だと思います。

明子ちゃんの優勝が決まったときも、号泣して彼女にティッシュを渡してもらってましたね。

男子本であるCutting Edge、私はファンになったのが7年前なので、2007年版からしかこの雑誌を持っていませんが、2006年版の表紙は大ちゃんと織田君で、このとき一枠しかないトリノの代表を争っていました。
友人達が言っていましたが、あれから7年間、トリノの代表を懸けた全日本で何が起こるのかさえ知らない写真の無垢な2人が辿ってきた道のりには、どれほど多くのものがあったことか。

彼は大ちゃんのライバルであり、大学の後輩であり、そして本当に大ちゃんのことが大好きだったんだなと思います。
蒸し返すなと言われそうだけど、モロゾフのところに行ったのだって、大好きな大ちゃんと一緒に練習したかっただけなんだろうと今は素直に思います。
そしてなぜか、大ちゃんの調子が悪い試合に限って、彼も大きな失敗をしたりして、そこまで先輩に付き合ってくれなくていいのに、なんて思ったりしました。

彼も辛いことが多かっただろうに、「幸福で満ちあふれたスケート人生だった」と語ったことに強さを感じます。
今後はアイスショーに出場しながら指導者を目指すようだし、彼には素晴らしい家族がいるので、幸せな人生を送ってほしいです。

なんかすごく寂しいんですけどね。四大陸で見たかったけれど、今季での引退を決めていた以上、四大陸に出場しないのは仕方ないです。
今季は日本の選手も、海外選手もたくさん引退して、本当に寂しい思いを何度も味わうことになりそうです。
1つの時代が終わる、それを今見届けようとしているのですね。

全日本 男子

2013-12-25 23:07:24 | フィギュアスケート大会
大抵の試合の場合、勝者の演技のほうが心に残ることが多いです。
しかし男子に限っていえば、この試合で心に残っているのは、3位以下の選手達。
ここ2シーズン不調で、今シーズンのGPSに至っても調子が上がらなかったのに、ここにきて調子を上げて意地を見せてくれた小塚君。フリーでは4回転を成功させて、引退の花道を飾ってくれた織田君。ショートで大きなミスをして順位を下げながら、フリーで4回転を成功させて競技者の意地を見せてくれた無良君に村上君。村上君の4Sは豪快でしたね。残念ながら回転が認められませんでしたが。

そして大ちゃん。ジャンプの練習を始めてから1週間しか経ってないことを考えたら、信じられないほど頑張ってくれました。
大ちゃんを信じたいと思いつつ、正直、あそこまでの演技をしてくれるとは思っていませんでした。4回転は成功しないだろうと思っていたので、3A以下のジャンプをまとめてくれるように願って見ていました。
ショートの3Aはうまく着氷した、と油断した瞬間の転倒。惜しかったですね。
フリーについてはソチの代表に決まった今だから、正直に書かせてください。大ちゃんが出てくる瞬間、モニターに映った彼を見て、一瞬ぞっとしました。沈んだ表情が暗い色の衣装とあいまって、悲壮感漂う姿だったのです。衣装はNHK杯のときのオフホワイトのほうがいいです。
これまでになく表情が気になっているうちに演技が始まって、4回転2本。2本目はルッツにすれば良かったのに、この体調とこの状況で4回転にしてくるところがいかにも彼らしい。あきれるほど一本気な男です。
その後のジャンプはミスもあれど、思っていた以上の出来。想いのこもったステップ。そしてコリオシークエンスで彼のエッジの創り出すラインの美しいこと。
悲壮感漂いながらも、本当に美しい演技でした。
しかし、彼が右手を怪我していたことを、演技直後のモニターを見て初めて知りました。席からリンクまで距離があったので、演技中は気付かなかったのです。リンクに近い席の観客を除けば、テレビをご覧になっていた方達のほうが早く知ったのでしょうね。女子ならともかく、男子シングルの選手が手から血を流して演技をするなんて滅多にあることではありません。彼が置かれたあの状況をさらに強調するように、まるで誰かが演出でもしたように、出血しながらの演技なんてもう出来すぎではありませんか。大ちゃんの競技人生、ドラマティックすぎます。
フリーの終了後、会場の周りでは泣いている人がたくさんいて、私の友人達も泣いていました。今回は夜更かしはやめようと思っていたのに、明け方の5時まで友人達と語り明かしてしまいました。

健人君は、フリーで1本目の3Aを転倒。なのに2本目の3Aをコンボにしませんでした。シークエンス扱いになって3Aの基礎点だけで1.02違ってくるんだから!悪くない3Aだったので、2回転、もしくは1回転なら付けられたはず。他の選手ならOTやSOの後だって付けてくるのに。彼は今季のフィンランディアでも、他のこれまでの試合でも同じことを何度かやっています。成績は11位でしたが、1回転を付けていただけでも1つは確実に順位が上がったのです。
転倒もパンクも仕方ないのですが、拾えたはずの点数を落として順位を下げるのは本当にもったいない。少しでも高い得点を取って、1つでも上の順位に行くんだという意地を見せてほしかったです。
そしてフリーは地上波で放送されませんでしたが、演技後はさわやかな笑顔。やりきったのなら笑顔もいいけど、本当はもっとできる選手なのに。キスクラでは渋い顔の樋口先生。先生、健人君を叱ってやってください、と思っていたら、ランビがそれをしてくれたのでしょうか?
でもフリーの皇帝は本当に素敵なプログラムです。前年からデイビッド・ウィルソンが君は来年皇帝ね、と押し付けてきたらしいのですが、本当に彼にぴったりでした。日本男子でこんなにもノーブルな雰囲気が出せる選手は他にいません。ウィルソンに大感謝です。