ピアノ教室のなにげない日常日記

ピアノの先生でおばさんな「若芽」の、なにげない日記

子犬のワルツ

2018-02-17 22:43:27 | ピアノの練習
 今年弾く予定の曲を新年早々書いたのだが、すでに予定が狂いまくり。
 つい先日、音楽教室の発表会があったのだが、そこで講師演奏をすることが1月半ばに急に決まったのである。1ヶ月後の本番にわかめが暗譜で弾ける曲なんて、「トルコ行進曲」か「子犬のワルツ」しかない。グループコースの発表会ということもあって小品でOKということで、「子犬」を弾くことにした。
 家に帰ってちょっと弾いてみたら暗譜でも弾けたので、ま、いいか、と気楽に考えていたのだが、2週間後に大変な事態に。リハのつもりで他の先生たちの前で弾いたら、中間部でループしてしまい先に行けなくなってしまったのだ! 
 こんなことは初めてのことで、自分でもかなりうろたえる。「子犬」と言えども甘く見てはダメなのだ。しかし、これで目が覚めて、それからは非常に真面目に練習した。

 暗譜でゆっくり弾いたり、速く弾いたり、片手ずつ練習したり暗譜したり、4小節ごとに区切って途中から弾けるようにしたり。そんな練習を続けているうちに、短い曲だったことと練習期間が短かったこともあり、自分が上手くなっていく過程を実感した。
 真面目に練習しはじめたのは本番の2週間前から。その頃は、普段は暗譜で問題なく弾けるのが、時に何の前触れもなく間違えることがあり、なぜ間違えるのかがわからなかった。
 上手くいったりいかなかったりする原因がわからないのは、非常に不安だ。何に気を付けて弾けばいいのかわからないからだ。でも、本番1週間前になって、ふと思いついたことが。
 「子犬」を暗譜で弾く時、わかめは左手を見ていることが多い。目で見ているとついその音を聴いてしまう。もちろんメロディーは聞こえているが、左手に神経が集中しすぎるとメロディーをちゃんと聴けなくなり破綻するんじゃないだろうか。バスや伴奏のハーモニーももちろん聴かなければならないが、音楽なんだから何より大切なのはメロディーである。
 というわけで、メロディーをきちんとフォローして弾くことにしたら、かなり安定してきた。

 「子犬」は瞬間芸のような曲なので、ボンヤリしていると曲がどんどん進んでいってしまう。音楽にどれだけ集中できるかが勝負なのだが、右手の速いメロディーの粒一つ一つをコントロールして流れを作っていくのは意外と大変なのである。だって、何も考えなくても弾けちゃうわけだから。でも、何も考えなくていいかというと、やっぱりそれは危険なのだ。落ちた時に、迷子になるからね。

 がんばって練習を続けていくうちに、コントロールしているっていう感覚を超えて、なんか気持ちよく弾けるようになってきた。しっくり嵌って音楽と一体になる感じ。
 いつもそういうふうに入り込めるわけじゃないけど、そういう時には、知らずに微笑んでしまうのである。(気持ちよいと言えば、1月の大人の新年会の時も「バラード4番」を気持ちよく弾けて、自分でも驚いたんだった。)

 ああ、本番はね、さすがに陶酔するような状態にはならなかったんだけど、目立ったミスもなく無事弾き終えました。めでたしめでたし。