ピアノ教室のなにげない日常日記

ピアノの先生でおばさんな「若芽」の、なにげない日記

曲にペダルを付けるのはいつから

2013-02-24 10:19:31 | ピアノの練習に関して思うこと
 わかめは、練習している曲にペダルを付けるのが、かなり遅いほうだと思う。昨年から練習しているショパンのソナタも、ペダルなしでは暗譜できるのに、ペダルを踏むと、途端に響きが変わってしまい全く弾けなくなる、という話は、以前のエントリで書いた。
 子どもの頃から、レッスンでは、両手がきちんと弾けてからペダル、だったので、その名残りが今も残っているんだろうなあ。伴奏は、初見でもペダルを踏みまくるのだが、ピアノの独奏曲というのは、なんか、ちゃんと弾けないとペダルを踏んじゃいけないような気がしてしまうのよ。
 しかし、いくら両手が正確に弾けていても、ペタルを踏んだら暗譜がわからなくなるようでは問題である。ペダルがあるかないかで曲の印象はまったく違うのだから、早めに曲の最終的なイメージを描くためにも、ペダルの導入は早い方がいいのかもしれない。
 ただし、ペダルを踏んで練習するようになると、ペダルがあるほうがなんとなくキレイに聴こえるため(ミスタッチも目立たない)、ついつい、ペダルなしの練習をしなくなってしまうなら、またまた問題である。ペダルを踏んで練習することはイメージを掴むためには非常に大切だが、音の正確さを判断するにはマイナスな面もある。バランス良く練習してくださいな。

 それから、先日、ペダルのタイミングをレッスンしていて、ふと、片手練習の時にペダルを踏むのはいいかもしれないと思った。
 わかめは今まで、自分ではそういう練習は殆どやったことがなかったので(実はレッスンでは、生徒にやりなさいと言っていた/笑)、ショパンの終楽章で、ペダル付き片手練習を試みてみたのだが、なかなかイイ感じ。特に、左手の分散和音の響きのバランスを検討するのに良さそうである(言うまでもないが、両手で弾く時と同じように踏むこと)。
 両手で弾く時は、右手と左手のバランスも考えなくてはならないから、その前段階で、伴奏形だけのバランスを意識するにはいいんじゃないかな。また、メロディラインの響き方、流れ方も、ペダルなしよりペダルを踏んだほうがイメージしやすい。
 ペダルを踏むと、音楽がうるさくなってしまう人は、ペダル付き片手練習をお勧めします(ペダルなしの片手練習も、必ずやること)。わかめも、がんばります。



コンサートで楽譜を見て弾くことについて その2

2010-11-19 19:55:37 | ピアノの練習に関して思うこと
 前回の続き。
 楽譜を見て弾くほうが暗譜しない分だけ楽だと思われるかもしれないが、コトはそう単純ではない。
 10月のコンサートでは、「雨だれ」や「亜麻色の髪の乙女」を暗譜しようなんて小指の先ほども考えなかったのだが、問題はショパンの「プレリュード第8番」だった。
 一年ちょい前のコンサートで暗譜で弾いていたわけだから、音はすぐに思い出した。だが、テンポを上げようとすると、楽譜を見ていられなくなる。一度に鍵盤と楽譜の両方は見られないからね。
 そこの君。今、何言ってるんだ、楽譜と鍵盤を交互に見ればいいんじゃないか、と考えただろう。甘いな。
 本番というのは恐ろしいもので、視線を楽譜から鍵盤に移し再び楽譜に戻した途端、どこを弾いているのかわからなくなる、という現象がしばしば起こるのである。スローな曲ならそういう場合でも対処できるんだが、速い曲でそれをやるとエライことになる。要するに、本番で楽譜を見て弾く場合、楽譜から目を離してはならないのである。

 と、まあ、そういうわけで、コンサート一週間くらい前に、この曲だけは暗譜で弾くしかないか、と覚悟を決めた。しかし、暗譜で弾いても必ず途中で止まる。隣の音に触って違う音が聞こえた途端、音楽を失くしてしまってグチャグチャ。
 楽譜を見ても弾けず暗譜でも弾けず。
 仕方ないので、とにかくひたすら弾きまくった。その結果、目を瞑っても弾けるくらいになり、鍵盤や指を見なくてもよくなり、2日前にようやく楽譜を見ていても弾けるようになった。
 暗譜というのは楽譜から自由になることだと思っているのだが、鍵盤を見なくても弾けるということは鍵盤からも自由になったってことなんじゃないか? 
 おかげさまで、本番は楽譜から目を離さずに弾くことができ、音楽を見失わずにすみましたよ。

 ね? 楽譜を見て弾くのも楽じゃないだろう? 
 楽譜を見て弾くことで、もう一つ問題なのは、楽譜を見た結果、指だけが条件反射で動いてしまうことだと思う。
 スローな曲は自分の音を聴く余裕があるので、まだ大丈夫なんだが、速い曲の場合、条件反射で動く指の先に音楽は存在し得ない。楽譜を見ていても暗譜以上に音を、音楽を感じながら演奏するためには、ある意味、暗譜を越える必要があるのかもしれない。
 なんにしても、大切なのは音楽なのである。



コンサートで楽譜を見て弾くことについて その1

2010-11-18 12:43:25 | ピアノの練習に関して思うこと
 ピアニストはコンサートでは暗譜で弾くものだと思っていたし、今までわかめは、ソロで演奏会に出る時は必ず、暗譜で演奏してきた。だから、10月のコンサートで、実際にステージで楽譜を立てて弾きはじめた時、なんとなく後ろめたさみたいなモノを感じた。
 しかし、暗譜で演奏する時はいつもは、必ず忘れたりうろたえたりしてなかなか音楽を表現するところまで辿りつけないわかめが、今回は楽譜があったおかげで、自分の音楽を落ち着いて表現できた。

 暗譜することはもちろん重要だ。わかめだって、基本的には暗譜で演奏するほうがいいとは思っているよ。だから、暗譜しなくていいと言っているわけじゃない。
 でも、リヒテル以来、世界的に有名なピアニストでさえ、コンサートで楽譜を見て演奏している例は多いらしいし、わかめごときが、暗譜に囚われすぎるのはかえってマイナスなのかもしれない。暗譜で弾いた結果悲惨な演奏になってしまうくらいなら、楽譜を立ててでも自分らしい演奏を聴いてもらうほうがいいんじゃないだろうか。と、そんなふうに、少し柔軟に考えられるようになった。
 暗譜で演奏することになると、曲数が限られてしまうという問題もある。いっぱい弾く場合には、譜面立てないとわかめには無理だな。

 しかしね、楽譜を見ての演奏にも、いろいろと苦労はあるのだよ。それはまた、次回。