ピアノ教室のなにげない日常日記

ピアノの先生でおばさんな「若芽」の、なにげない日記

伴奏の難しさ

2011-12-08 14:41:51 | 伴奏
 前回の続き。伴奏の難しさについて。

 伴奏の楽譜をもらったら、まずは一人で練習する。ほぼ問題ないくらい(完璧ではないまでも、ある程度正確に)弾けるようになった頃、初めての伴奏合わせをすることになる。すると、ソリストと一緒に弾いた途端、今まで自分だけで弾いていたものとは全く別の音楽がそこに現れるのである。
 もちろん、伴奏合わせの前にはソリストパートを弾いてみたり歌ってみたりするのだが、やはり同時に弾くのとは状況が違う。
 比較的簡単な歌の伴奏なら、自分で歌いながら伴奏できるので問題ないが、ソリストとの絡み方が複雑な場合(ソリストと伴奏が全然別の音楽を奏でるような場合)には、そういう芸当はできない。想像していなかった音楽が聴こえてくると、それに引きずられて自分のリズムやメロディを見失うことさえある。
 何度でも伴奏合わせができるなら、別の音が鳴っている状態にも次第に慣れていくだろうが、普通はそんなに何回もはできない。今回なんて、事前の2回プラス本番前のリハだけだったからな。

 簡単な伴奏でも、きちんと練習していないと本番では何が起こるかわからない。だから、できるだけ回数を弾くようにはしている。でもね。
 伴奏するということは、ソリストと共に音楽を作り上げるということである。伴奏部分を正確に弾くだけじゃだめで、ソリストの奏でるメロディやリズム、ディナーミクやアゴーギクなどを把握し理解した上で、自分のパートを弾かなくてはならない。
 まるで、バッハのフーガを弾くように、何声部も聴き分けながら弾かなければならない、そういうところが伴奏の難しさなのよ。