大原櫻子のライブへゆく。

2016年10月04日 | 日記
午前中、毀れた腕時計を持って時計屋へ。留め具の小さい部品が折れていたらしい。ピンポイントの換え部品がなく、バンドの半分くらいを取り替えると云々。当該部分を外すにも、部品がさびていてなんだかんだ三十分弱かかった。結局、お取り寄せに十日ほどかかるという。この間、代えの時計は持っていないので、時計のない生活。学期はじめのバタバタする期間だから、キツいな。

夜は武道館で大原櫻子のライブ。その前に、三の丸尚蔵館へ行き、展示を見る。『紀家集』は少々縁のある一品であるが、実物は初めて見た。ボロボロ感は複製でみるよりもすごいな。定家の『更級日記』も実物は初見。感慨がある。なんといっても随一は金沢本『万葉集』だった。美しい料紙に、流麗な文字をみると、やっぱりホンモノは違うんだ、と実感できる。あとは、本阿弥切や雲紙本『和漢朗詠集』がよかった。やはり、平安の古筆は格が違う。

まだ時間があったので、神保町をうろつく。岩波ブックセンターで、『国語と国文学』の秋山虔先生追悼号の新本が出ていたので、買ってしまった。アマゾンなど、ネット書店では早々に品切になっていて、入手は諦めていたのだが、歩いてみるものだなあ。


その後、神保町からぶらぶら武道館へ。大体時間どおりに会場へ着く。席は正面だが、二階最後列で、倚子があるだけマシな世界である。幸い、武道館は傾斜がきついので、この位置でも舞台はよく見える。舞台は、アルバムタイトルでもあるVを基調にデザインされていて、悪くはない。ただ、照明は正月のSCANDALを観た後ではお世辞にもすばらしいとはいえないね。ホールツアーで他会場公演もあったから、中心に小さくまとまっている感じで、あっと迫力があったのは、正直言って本編最後の「Scope」だけだったようにも思える。「君になりたい」の演出の関係で、背景を大きく使えなかったのが問題なのだろう。
今回は、ダンサーも入れており、演出的にはかなり豪勢だったが、ダンサーの使い方はかなりもったいなかった。この舞台全体がそうだが、大原櫻子に注目することを前提に構成されていて、(多分)誰も観ていないだろうし、照明的にも暗くて見えづらいところで踊っている場面が若干多かった。
楽曲はアルバムから多く取り入れられ、ツアー感があってよし。「サイン」は、基調照明が赤で、う~~ん。繊細な色彩叙述で進行する曲なので、照明の工夫がほしかった。秀逸だったのは「September」で、妖艶な曲の雰囲気を淡い紫の照明でうまく引き立てていた。これは私の感覚だが、大原櫻子は「サイン」や「September」のように、やや低めに歌う曲の方が、魅力的だと思う。高いとどうしても声が尖ってしまい、感じが出ない。
「踊ろう」のフリで、キーボードの音が出なかったときのアドリブはとてもうまかった。手拍子を始めていたのを、じゃあ小さく!とふり、最後に音が出ない~と歌ってごまかすところはかわいかったな。
全体としては、歌はうまいし、バンド・ダンサーもかなり上手で、満足のできる内容だった。
実は、明日のツアーファイナルもチケットがとれたので、観に行く。今度は一階だが、また最後列。席があるだけマシだな。


コメント
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