Lucky☆Sardonyx

ばるご☆の戯言ブログです(^^)

時を越えて

2009-04-08 23:55:07 | コメント
詩人で作家の宮沢賢治(1896―1933年)が書いた未発表の詩の草稿が見つかったことが、8日までに分かった。賢治が書き残した詩や童話などの作品は、これまでの調査や研究でほぼ出尽くしたとみられており、一編とはいえ極めて貴重な発見。「新校本 宮沢賢治全集」(筑摩書房)の別巻にもこのほど収録された。推定される執筆時から約80年を経て現れた“新作”だけに、注目を集めそうだ。

 発見されたのは「停車場の向ふに河原があって」というフレーズで始まる詩の草稿。岩手県南部にある猊鼻渓とみられる景勝地の近くを走っていた乗合自動車をモチーフに「ところがどうだあの自働車が」「傾配つきの九十度近いカーブも切り/径一尺の赤い巨礫の道路も飛ぶ/そのすさまじい自働車なのだ」などとつづり、躍動感のある筆致で幻想的な光景を描いている。

 昨年、岩手県花巻市内にある賢治の生家の蔵を解体した際に、内部の梁に載せられていた書類の中から見つかったという。大正時代の初めに印刷された同県水沢地方の地図の裏に、賢治独特の文字で書かれていた。

 宮沢賢治学会代表理事の杉浦静・大妻女子大教授によると、当時の賢治に関する証言や作品の文体などから、生前刊行された唯一の詩集「春と修羅」が世に出た翌年、賢治が花巻農学校の教師をしていた1925(大正14)年から数年の間に書かれたと推定できる。

 杉浦教授は「スケッチとして興味深い作品で、流れ落ちてくる川と、それをさかのぼるように疾駆するバスの対比が鋭敏」と評し、「賢治の独立した詩が新たに出てくるとは考えていなかった。今まで知られていなかった作品が見つかるのは、これで最後かもしれない」と話している。

 詩を収めた全集別巻は初版3500部。

久々に「本物のお宝」発見といったところだろうか^^