晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

日本の役人

2008-01-28 00:59:39 | フランスと日本の文化比較
東京都北区で、DV被害者女性の子供らに、住民登録が無いにも関わらず、『緊急避難的措置』で予防注射の接種等に必要な住民票を発行していた、というニュースに驚きました。
法律の定めない事、前例のない事、何かの時責任を誰が取るかということが想定出来る事、を一切やらない(と少なくとも私は固く信じています)日本の役人に、こんな発想を持てる人がいらっしゃった事に、ただただ嬉しく、少しだけ世の中を見直しました。
ちなみに類似のケースが足立区でもあったそうです。

フランスは、窓口業務にあたる公務員に、現場決済の権限をかなり広く認めています。
(そうでないと、実際物事が進まないですよね)
したがって、私の如き外国人に取って悪夢の様な、『滞在許可証/労働許可証』の拾得/更新手続きなども、自分はどの窓口の係にあたるか、で結果がかなりちがってくるのです。
召喚状に明記していない書類を持参していないというあり得ない理由で、受付を拒否されたり、さんざん粘って必死に事情を説明すれば、条件を満たしていなくても書類を受理してくれる事もあったり。

これは、係が拒否すればそれまで、逆に係が好意的に判断してくれれば何とかなったり、全く不条理な事ですが、事情は百人全部違う、というきわめて当たり前の現実の前で、ケース・バイ・ケースの対処が可能だという事になります。
日本とは全く逆ですね。

例え飢え死にしかかっていても、酷暑の老人のアパートにエアコンが有る、というだけで生活補助を打ち切ったり、瓦礫の下で助けを待っている地震の被害者が数多く居るにも関わらず、動物検疫を受けていないという理由で、遭難者救助犬の入国を拒否したり。
担当のお役人にとって、『法』は絶対で、あらゆる柔軟な適用など拒否して何ら不思議と思っていない(と見受けられますね)。
想像力の欠如。
さらにいうなら、人間としての自覚の欠如。
親の顔が見たい、配偶者の顔も見たい、子供の顔も見てみたい、という様なお役人様しか日本にはいらっしゃらないと、固く信じておりました。

そこへ持って来て、今回のニュースです。

担当者は後で懲戒されなかったのだろうか、ト心配しながらも、北区と足立区の市民課へ、遠いフランスからせめて拍手大喝采を送らせていただきたいと思う次第です。
久しぶりに、実に久しぶりに、心が温かくなりました。
でも、あえていえば、そんな事『当たり前』の事なんですけどね。日本以外では。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする