joy - a day of my life -

日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

文句あれこれ

2005年03月25日 | スポーツ
夕方、ダイエーに縁が壊れた眼鏡をもって行き、ついでに本屋をのぞくと、『球界再編は終わらない』という新刊本がありました。

ぱらぱらめくると、楽天が仙台をフランチャイズにした経過が書かれてありました。内容は予想通りで、元々神戸にチームを作ろうとした三木谷さんに対し、オリックスの宮内さんや阪神の人たちが、「元々神戸はタイガースの地域。それに関西で三球団は採算に合わないことはわれわれが知っている」と言われ、行き場を失った三木谷さんは仙台に速攻で乗り換えたそうです。

あまりにも世間の予想と同じなので拍子抜けします。でも、べつに神戸は阪神タイガースのホーム・タウンではないと思う。阪神ファンが多いのは事実だけど、タイガースはとくに自分のホームタウンを明確にせずにブランドで殿様商売をしているだけだと思う。

京都の人口は100万以上、大阪は300万、神戸は140万。これで三チームの採算が成立しない理由はないと思う。

ここはやはり三木谷さんは神戸にチームを作ることで押し切ってほしかったです。ヴィッセル神戸との相乗効果はあったのではないだろうか。ただ、そうなるとイメージ的にも顧客獲得という点でもオリックスへのダメージは大きかっただろうけど。今でさえオリックス・ブレーブスはまさに企業の道具というイメージがある。「大好きなバッファローズ」を統合し、「神戸から抜けていった」オリックスを心から応援しようというファンが増えるとは思えないのだけど。


NHKのニュースでは7時台も10時台も毎日ライブドア問題を流しています。おかしいよ。公共放送として再出発すると言っていた筈じゃないのですか?国民の関心事だからという理由で毎日トップニュースで扱うのなら、民放と変わらないです。それこそ、「消費者の欲しがるニュースを流せばいい」という堀江さんの言うことをNHK(と民放)はいまだに実践している(「ジャーナリズムとはなにか?という議論が一応あったにもかかわらず)。

ライブドアとフジグループがどうなるかなんて、さしあたりはそれら個々の企業問題にすぎない。たしかに毎日色々起こっているけど、それは一日一日では事態が落ち着かないということなのだから、長期的に適当な間隔で取り上げれば十分なはずです。それを視聴率のために毎日六本木ヒルズのビルを映すのはみっともないです。まるでNHKへの批判をかわすためにやっていると思われても仕方がない。


最近はこの問題に絡んでフジテレビの社員の人たちへのインタビューもあります。テレビ局の社員もふつうの人に見えます。だって、テレビ局の男性社員というと、合コンが大好きで遊んでばかりいるというイメージが僕にはあったので、普通そうに見えると意外だったりします。

日本のように「テレビマン」というのが国民の羨望の的というのは、今では万国共通とはいえないのかもしれない。

ドイツのテレビでは、チャンネルが20チャンネル以上はあったと思います。学生寮だったからケーブルテレビが見れたのかもしれないし、どういうシステムになっていたのか分からないのですが、とにかくとてもチャンネルが多かった。あれだけチャンネルが多いと、広告収入もそれほどは入らないと思います。

世の中の人はどのくらいケーブルテレビや衛星放送に加入しているのだろう?でもいまだに日本では東京のキー局は殿様商売をしている。10年ほど前に社会学者さんの橋爪大三郎さんは吉本隆明さんがテレビを論じた傑作評論集のあとがきで、「ケーブルテレビの普及で、今までのテレビが送り出してきた国民的タレント、国民的番組というのはなくなるだろう」と言っていました。しかし10年たっても既存の東京キー局の位置は揺らいでいるようには見えません。

それは、必ずしもコンテンツ制作能力がキー局にあるからではないように思う。たしかに一部のテレビマンにはクリエイティビティがあるのだと思います。フジの深夜番組なんかには、時々とんがった感性の番組がありますよね。でも大半は煮詰まっているという状況がもう何十年と続いている。

ごくわずかな局にしか電波を与えないという日本の電波法自体が特殊なのだろうか?


涼風


日本経済新聞社『球界再編は終わらない』

吉本隆明『情況としての画像 高度資本主義下のテレビ』


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