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1978年に発行されたレオ・レオニの絵本『じぶんだけのいろ いろいろさがしたカメレオンのはなし』を読みました。
夜、本を読まなきゃ(読みたい、ではなく)と思って、布団に入っても活字を読もうとします。そのとき、活字を手放すことが惜しくなります。義務で本を読まなきゃなきゃならないわけではないのですが、「読まなきゃ」と自分で思い込んでいるのです。
そのとき、それでも思い切って本を手放して見ます。そして絵本を手にとってみます。すると、何かしがみついていたものを手放したときのように、宙に浮いたような居心地の悪さがあり、それでも解放感を感じます。
このレオ・レオニの絵本を読んだときも、宙に浮いたようになり、その色彩のきれいさに吸い込まれそうになります。活字を手放し、レオ・レオニの色彩を眺めていると、自分が真空にいるような感覚になります。そのキレイな色を眺めていると、頭を働かせることが無粋なことに思えてきます。そして、ただ色彩を味わうように誘われていきます。
この絵本は、人のアイデンティティというものを、この上もなく上手に説明しています。「そうそう、結局そうなんだよな」と思えてきます。
ストーリーも素晴らしいし、絵も素晴らしいし、色も素晴らしい。
大袈裟な動きはないですが、目の動き一つで、レオ・レオニは登場人物の気持ちを表現していきます。
とても素晴らしい絵本だと思います。
写真:いろいろな色のビオラ
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