“Triangles, Trees and Apartment Complex”
昨日は兵庫県立美術館の「エコール・ド・パリ展」へ行って来ました。
県立美術館は三ノ宮から二駅ほど行った所にあるのですが、三ノ宮では前にも言ったように今「オルセー美術館展」がやっています。ちょうど同じ時期にフランスの美術展をやっているのは、わざとタイミングを合わせたのかな?
「エコール・ド・パリ展」の絵は、ちょうど「オルセー美術館展」の印象派の次の時代の絵が多かったみたいです。詳しい解説や案内を読んでいないのですが、作者の生年-没年を見ても、19世紀後半に生れて20世紀半ば頃に没した人が多い。
出品されていた絵の作者は、ルソー、ドラン、モディリアーニ、キプリング、藤田嗣治など。絵画の素人の私は、それらの名前は聞いたことのある画家たちの絵をもちろん初めて観ました。
「オルセー美術館展」の印象派の絵が、現実に対する感情・感傷をそのまま絵画にあらわしているように感じたのに対し、こちらの絵は、もっと微細に絵を描くという行為を反省的に眺め、現実に対する感情をより客観的に眺めているように見えます。
現実の表面的な部分だけを見ていたらとても想像がつかないような形で絵は描かれているのですが、そのような「現実にはありえない」と思える形をした絵は、しかし観るこちらの目を絵から逸らさずに捕まえて話さないときがあります。
そういう絵は不思議ですね。へんてこりんな絵なのに、何か引き込まれてしまう。引き込まれると言うことは、見る側のこちらの何かが反応しているわけですから、やはりそれらの絵は現実を反映しているのです。
ルソーは、最近NHKで特集をしていたこともあり、少し知っていました。何か形容し難い絵ですね。紙芝居のようでもあります。でも単純な絵でもない。色は暗いけれど、雰囲気は暗くない。ユーモアがあるようなないような。
モディリアーニは、わたしは「青い目の女」が一番印象に残りました。じっと、いつまでも見ていても飽きません。
いいなと思った画家の一人がキスリング。色の使い方が繊細なのかな。キスリングの傑作として「スウェーデンの少女」が紹介されていたけれど、同じ人物がならむしろ私は「赤いセーターの女」に惹かれました。でも一番いいと思ったのは、「プロバンスの風景」かな。とても印象に残る緑色と、自然の形です。
スーティンの「マキシムのボーイ」は、最初は何も思わなかったのに、後で観るとじわじわと味わい深いものに感じます。同じくマリー・ヴァシリエフの「ダンス」も。
プランの「二人の裸婦」は、いつまで観ていても飽きません。単純な構図に見えるのに、何か見ていてホッとするような、穏やかさがあります。
神戸のような地方都市にいても、こういうように名画を観れる機会があるというのは、恵まれています。
涼風
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