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日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

「信じる力が人を動かす 経営者・星野佳路の仕事」『プロフェッショナル 仕事の流儀 』

2006年01月12日 | テレビ
おとついの夜に『プロフェッショナル 仕事の流儀 』というNHKの番組を見ました。ビジネスの現場の事例を紹介する番組です。番組紹介では 

《「プロジェクトX」は過去の業績に光をあてましたが、「プロフェッショナル」は、今と未来を描くドキュメンタリー。現在進行形だからこそ、現場発の「仕事に役立つ情報」と、視聴者のみなさんが「自分も頑張ろう」と思えるような「明日への元気」をお届けします。》

と述べられています。

僕は『プロジェクトX』をそんなに見ていなかったけど、番組の狙いはすごくいいと思っていました。ビジネス書で取り上げられるような成功事例を映像化して見せてくれるのだから、視聴者にとってラクに情報を得られる番組だと思ったのです。

しかし、取り上げる内容が良くても、あの演出方法やナレーションは、せっかくの事例を台無しにしているように思いました。

だから、演出をもっと真面目にすれば長寿番組になるとも思っていました。この『プロフェッショナル』はまさにそんな番組です。

初回の事例は、リゾート再生会社の社長の人の使い方です。負債を抱えた旅館・ホテルなどをいかにして建て直していくかが扱われていました。

その取り上げられていた再生の方法は、社員に権限を与えてどんどん自身の最良で仕事をさせること。会議でも社長は決定を下さず、すべて社員同士で結論を出させます。

彼・星野さんがこういう方法を採るようになったのは、家業のホテルを継いだときに大量に社員に辞められた経験があったため、どうすれば社員に会社に残ってもらえるかを考えた結果だそうです。

彼が出した答えとは、社員に仕事にやりがいを感じてもらうこと。しかし給料を上げるわけにも休みを増やすわけにも行きませんでした。そこで最終的に残った手段は、社員に仕事を与え、その決定権を社員に委ねることでした。給料でも休みでもなく、仕事を与えることにしたのです。

ただ、番組を見ていると、一方的に社員に決定権を与えているだけではなく、議論の結論は社員に出せますが、その結論を出させるためにどう議論すればいいかを星野さんは社員達に提示していました。

例えば負債を抱えた伊東の温泉の社員も、再生のためにどうすればいいか話し合おうとしても議論を切り出す人はいません。

そこで星野さんは、この温泉の主要客は誰なのか、そのお客は何を求めて温泉に来るのかについて材料を提示しました。するとそれだけで社員達は、与えられた問題には自分達で答えを出そうとしました。

このプロセスはまるで“お話”みたいで出来過ぎの物語に思えました。しかし、ともかく星野さんのしていることは、問題とそれに答えるためのデータは提示しますが、そこから引き出す決定はすべて社員に任せること。同時にその結果に対しては星野さんが責任を取ることでした。

社員達は、いつの間にか自分で答えを導き出し、様々なアイデアを活発に出し合っていました。

星野さんにとって経営とは、いかに社員に面白く仕事をしてもらうかにあるようでした。そうするのも、彼が、会社に社員に残ってもらうことがどれだけ大事かを、家業を継いだときに身に染みて感じたからそうです。


涼風

参考:「『人材は「不良(ハミダシ)社員」からさがせ―画期的プロジェクト成功の奥義 ブルーバックス』」“joy”


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