joy - a day of my life -

日々の体験や思ったことを綴ります(by 涼風)。

お正月 「弓ひとすじ」

2005年01月02日 | テレビ
1月2日です。きょうはお昼に姉夫婦と小学5年生の姪が来ました。父と母、私と6人で手巻き寿司をたべました。

姉には「おめでとうございます」と言われたのだけど、なんか丁寧語で挨拶する気にもなれず、心の中で「うん」と言ってわたしはお膳にすわりました。失礼といえば失礼だけど、彼女とは元々仲はわるくないので、あまり気にはなりません。

姉の家族が来ると食卓がにぎやかになります。テレビに映る芸人を見て、その三人家族はじつに色々なコメントをします。きみたちはいつも一緒にテレビをみてるのか!とツッコミを入れたくなります。

その賑やかさにつられて、父も姪と一緒にはしゃぎます。私たち家族は概して無口なのだけど、元来は陽気でありたい父は姪と話すときは元気になります。もっとも、この姪はめちゃくちゃ喧嘩っ早いので、二人は本気で喧嘩することも多いのだけど。まぁ、仲がよい証拠と思っておきましょう。

この姪はたまに一人でうちに来るのだけど、一緒にご飯を食べていると「この家はみんな全然しゃべらへんなぁ」と言っていました(笑)でも成人した子どもと親の家族でにぎやかにテレビを見る家族なんてあるのだろうか?

一緒にご飯を食べていて感じたのは、じぶんが何も変わっていないと思ったこと。イタリアの社会学者フランチェスコ・アルベローニは、「成長とは、人生のなかで様々な役割を身にまとっていくこと」と言っています。つまり、子どもから成人へ、親へ、と自分の成長にしたがって役割を変えていくことが大切だという意味です。言い換えれば、いつまでも子どもの役割を演じていてはだめだということです。

これは具体的な役割の変化(子から父へ)ということもあるし、精神的に役割を変化させる(依存的で無責任な人間から独立独歩の人間へ)という意味もあるでしょう。

アルベローニのそんな言葉を思い出して、なんとなくバツがわるい感じもしました。


ご飯を食べた後、とてもきれいな空気の空だったので、本当は外出をしたかった。天気のいいお正月というのは神聖な感じがします。その神聖さにふれたかったけれど、きのうの寝不足から午後はふとんをしいて寝ていました。


夕食時、とても悲しい感情が襲ってきました。自分にまつわることを想い、とても体が悲しい反応をしていました。

ちょうどそのときに、NHKではイギリス人の弓道家と日本人の弓師との交流を描いたドキュメンタリー「弓ひとすじ」をしていました。とくに凝った構成ではなく、二人の弓に対する想いや弓道家の方の八段審査を受ける過程をつづったものです。

すこし興味深かったのは、弓の審査では弓を射る前後の作法も重要のようなのですが、そのときの精神状態、心の落ち着きがもっとも重視されます。そういった弓の「精神」を語るときに、弓道家オブライエンさんが主に英語を使いながらも、微妙なニュアンスを伝えるときは「こころ」など日本語を用いていたこと。そのとき日本語を使うのはとても自然なことのように感じました。

年末年始にこういう静かなドキュメンタリーをみると、なんだか胸がしめつけられるような感じになります。それぐらい、31日と三が日は、わたしたち日本人にとって今でも特別な時間のような感覚を喚起するのでしょう。その特別さとは、ちゃんとしたひとでいなければならない、みたいな自然な規範の感覚です。

賑やかなバラエティをみていると現実逃避できるけど、お正月に人の心の機微に触れるようなドキュメンタリーをみていると、なんだかこころが冷たさに支配されるようです。なんだか、自分をちゃんと振り返らないといけない、みたいな、シュンとした気持ちにさせられます。

そうしたドキュメンタリーをみたり、テレビを見る前にわきおこってきた感情のこともあり、夜はたくさん悲しみの感情が出てきました。


涼風




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3 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
ウチはにぎやかかも (ゆず)
2005-01-03 22:11:09
はじめまして。



>でも成人した子どもと親の家族でにぎやかにテレビを見る家族なんてあるのだろうか?



とのことですが、ウチは結構にぎやかです(笑)

一番は常にハイテンションの弟に寄るところが大きいですが(弟も成人しております)。

弟不在・私のテンションが低めであれば非常に静かな食卓となります(^_^;)
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Unknown (涼風)
2005-01-04 14:23:08
ゆずさん、はじめまして。コメント、ありがとうございます!



テレビを見てワイワイできるということは、「どうでもいいこと」を言い合えるということですよね。それって、じつは信頼関係があってはじめてできることなのかも。「どうでもいいこと」を楽しく話すのって、ある意味では、「わたしはあなたたちと一緒にいて楽しい」というメッセージですよね。





ところで、ゆずさんのブログのトラックバックに関する記事には同感しました。わたしのところにも、たまぁに「それ関係ないでしょ?」というTBがあるんですよ。



ブログの歴史がまだ浅いからそういうことが起こるんでしょうね。





涼風
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こっぱずかしい (ゆず)
2005-01-04 21:08:38
信頼関係ですか…なんかそう言われると妙にこっぱずかしくなります(笑)



トラックバックはですね~あったらやっぱり嬉しいじゃないですか。

なので見に行ったら「関係ないじゃん!」

喜んでいただけにすごくがっくりくるんですよね。



私のブログへのリンクはないものの、本当に私の記事を元に書かれている方もいたので、それは嬉しかったです。



ああいう宣伝行為はなくなってほしいですね…。
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