CuniCoの徒然・・・岩下邦子の独り言

日々の暮らしの中で、立ち止まったり、すれ違ったり。私の中のアレコレを思いつくまま、気の向くまま。

今日は八月十五日

2019-08-15 08:01:50 | 愛といのちと平和
子どもの頃育った自宅には縁側があり、雨戸があった。
四〜五間分の雨戸を閉めるのだが、
雨戸には、茶色に新聞紙があちこちに貼ってある。
もちろんボロボロの残骸といった感じだったが。
ある日、母にたずねた、あの新聞紙なぁに?
すると母は、教えてくれた、戦時中の灯火管制のことを。

私の家には、黒くなったワイシャツのボタンがあった。
四角い台紙にいくつも並んだ黒いボタン。
神田で今でも商いされている秋田屋は、祖母の実家。
東京大空襲の後、やっとの思いで蒲田(矢口)の我が家に着いた神田のおばさん。
「これしかなかったんだよ。」と焼け跡を掘って掘ってやっと見つけたワイシャツのボタン、
真っ黒になったシェルのボタンを差し出した。
私の目に今も焼きついている、あのボタン。

父は、私たち兄妹を叱るとき『朝鮮人!』と怒鳴った。
すると母は、それまで手を焼いていた私たち兄妹ではなく、
父に対して向き直り、その言い様を注意し始めた。
静かに、しっかりと、なぜいけないのかを父に話していた。
差別というものが、そこに存在していることを幼い私は、認識しなかった。
それでも、幼心に母が正しいということは、よくわかった。

今日は、8月15日。
様々思いながら、黙祷する日。
今月、3回目の黙祷をする日。

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