風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

6-117他所の老人会に

2011-09-18 20:04:35 | 季節の便り

風の谷通信No.6-117

秋は敬老月間。隣郡隣町の旧多可郡八千代町で発祥した敬老運動は今では全国活動である。

敬老の日集会や老人の会などが各地で行われる。その一つに誘われて出席した。いつものように、唄と語りを1時間ほど提供した。胆の底から大きな声で歌うと健康によろしいとか、男女関係における男と女のそれぞれの役割とか「死んだらアカンで・自分で死んだら成仏できませんぜ」という話などを披露し、好評であった。

話のあとで「おたくはお寺さんですか?」と訊かれた。    いえいえ、隣村の農家ですよ。


6-116嘆きの無農薬キャベツ

2011-09-16 20:10:07 | 農業日記

風の谷通信No.6-116

今年はキャベツに一生懸命になっている。ところが・・・・・・・。

第一陣は7月末に播種して8月中旬に3段階に分けて定植し、収穫予定が11月中旬であった。あくまで「あった」という過去時点での予定だった。植えつけるなり寒冷紗をベタ掛けして防虫・遮光し保護した・・・はずであった。

きょう手取り除草のためにトンネルを捲り上げて見ると、第一陣の50株のうち正常な姿が10株にも満たない。それぞれ中心の新芽が食い荒らされて既に死んでいる。良く見るとアオムシが何匹か取り付いている。下位の葉が元気に拡がっていて一見正常に見えるがこれでは売り物にまで育たない。まずは「全滅」と言うしかない。

カンカン照りの中で熱中症の危険を押して毎朝毎夕潅水した。蝶が飛び始めたので支柱を張って寒冷紗をトンネルに仕立てた。更に肥料を追加し潅水も続けた。その労苦がすべてムダになるのだ。まさに水泡に帰す。

第一陣二次のひと畝も既に被害を受けている。

なんとも表現しようがない。とにかく情けなくて嘆くしかない。泣くに泣けない。胆の底から怒りと悲しみが込み上げてくる。

やはりクスリを使うしかないか・・・。嘆きと迷いが尽きない。

 


6-115秋に熱中症

2011-09-14 19:47:09 | 季節の便り

風の谷通信No.6-115

秋の彼岸が近づいて陽が低くなった。15時台のうちに陽が庇の下を照らして縁側はおろか奥の間の中にまで入り込んでくる。しかし、陽の強さは秋とは程遠くて、縁側に座って居るだけなの全身にじっとりと汗が浮いて、肌着が肌に粘りつく。そして、いくつかの小・中学校で秋の運動会の練習中に生徒たちが熱中症で倒れた。

先には甲子園球場の観客席でだったか観客が病院へ運ばれた。サッカーだったかラグビーだったかの試合中にも何人かが病院へ運ばれた。

週間ポストにタケシが書いていた。なんでこんなシーズンにやるんだ?って。高校野球ならばどこかのドーム球場でやればいいだろう・・・と。そんなことはこのブログで1年以上前だったかに書いておいた。朝日新聞にも書き送った。タケシが言う。このクニはなぜ暑さの中でプレーする奴に喝采を送るんだ?間違っている・・・・・・・と。 朝日新聞はそんなことに関わるはずが無い。そんな批判は一切受け付けないだろいう。 なぜならばそれは彼らにとって大切な行事であり記事ネタなのだから。暑さの中で熱闘する若者たちこそが彼ら新聞のゼニのモトなのだから。だけど正論はタケシにあり。

その通りだよ。こんな気候の中で運動競技をやるのが正当な頑張りなのか?高校野球連盟も文部省も教育委員会もみんな狂って居るぞ。教育の一環だと言って理不尽な頑張りを要求したり勧奨したりするのは狂っている。それこそ先の明治以来の軍国思想の残り滓だ。自己を犠牲にして全体に奉仕するという不条理を排すべきだ。

なににしても、事故死者が出てからでは遅い。当ブログの記事なんて「蟷螂の斧」だけど、タケシの記事が生きている間に高野連も文部相も〔改心〕すべきだ。


6-115値切る客

2011-09-12 19:48:42 | 農業日記

風の谷通信No.6-115

朝市で客と話しているところへ次の客が来た。

あと客「このタマネギいくら?」 (200円です。 アレ?買わないの?)
あと客「高い」 (えッ? なんぼならよろしいんヤ?)
あと客「いつも150円のを買ってる」
        (そんなんと比べてもらったら困る。これでも安いんや。ここの仲間は特に安い
         んや。これも季節初めには250円で売ってる。まあ食べてみなさい。)

先客「ここのタマネギは美味しいよう。私はいつもこれ買ってる。他のよりおいしいし安い。」   
        (まあ他のものを比較批評できないけど、自分達のは美味しいと思うよ。)

あと客「じゃあ、買ってみよう。」  (’ありがとうございます。)

この客が2週間後に再来。(この間のタマネギはどうでしたか?)
あと客「美味しかった。あれ、前のことを覚えてるんだ。」 
     (そりゃそうですよ。なんか話し合ったお客さんのことはネ、みんな覚えていますよ。)

かと思うと1単位100円の野菜を2単位で150円に値切る客がいる。
そう言う人への挨拶。(50円値切ってその50円をどうしますのや?今、値切った50円を落として硬貨がコロコロと転がってそこの溝へ落ちたとする。あんた、その50円球を必死で拾い上げますか?重い溝の蓋を持ち上げてでも取り返しますか? しないでしょう? 放って捨ててゆくでしょう? そんな50円を百姓から値切ってどうするんです? ひと束100円や200円の細かな商売をしている百姓からそれを値切ってどうしますか? 自分が会社で取ってる給料と比べてみなさい。食べ物があることに感謝しなさいよ。)

ここまで言うと、納得して買ってくれる人と、逃げてゆく客とが半々だね。例えば、台風以後近隣スーパーで、キュウリ1本80円で売ってる。ここの仲間は2本100円で売ってる。この100円を値切る客はこちらでお断りする。値切る客に二通りある。一つは世間知らずか後記高齢者で、世間のことが判らない場合。もう一つはやたら傲慢で「買ってやってるんだ」というタイプ。自分がおいしい食べものに恵まれていることへの感謝の心が全く無い。カネを出して買うのは自分の甲斐性だとばかりに傲慢である。気の強い仲間がいて時々「文句があるのなら買うな!」と怒鳴っている。それが正当な考えである。

小さな朝市だけど、人間観察の機会に恵まれていて、結構勉強になります。


6-114これが秋か?

2011-09-11 20:03:29 | 季節の便り

風の谷通信No.6-114

秋の予感がありと書いたらとたんに酷暑が戻ってきた。

5時起きで6時過ぎに畑に出て8時半まで働いた。5時台ではまだ薄暗いので畑作業は難しい。ところが6時になると暑くなってくる。全くやりにくい。畝を作ってじゃが芋を植えつける。3品種合計130個、まるで暇つぶしみたいな植えつけ数だ。昨年までと比べて格段に減らした。それでも汗びっしょり。有機堆肥を主体とした無農薬栽培ではもう身体が働かない。背中がジリジリと灼き焦がされるように熱い。目の奥が緑色にぼやけて頭がクラクラする。いよいよ引退準備の第一段階かな。それでもこだわりの芋造りを心がける。

一旦帰って風呂に入り着替えて喫茶店へ。これで今朝の作業時間は終り。

夕方にはまた新しい畝を立ててダイコンを播く。途中で資材切れになってタネ屋さんへ走る。16時過ぎ、まだ暑い中で作業を始めたが18時にはもう暗くなるので早めに作業を切り上げる。もうヘッドライトを点けないと走れない暗さになった。朝も夕方も作業時間がどんどん短くなる。

これだけ頑張ってるんだけどこだわりの野菜が直売所で大して売れないんだ。なぜかなぁ。