風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

5-083 子育て放棄

2010-08-12 19:46:48 | 世相あれこれ
風の谷通信 No.8-082

 最初の報道から何日も経ってまだまだ続いている、
あの若い母親による子育て放棄の話題。
 「話題」だなんて軽々しく呼べる事柄ではない。

 続報に触れる度に、気持ちが悪い、嘆かわしい、怒り、
イヤイヤなんと言おうかあの小さな二人の心を思いやって
憤りが腹の底から吹き上げてくるような思いである。
幼い心を思いやると涙なしではいられない。
 寒い季節のうちから放棄されていたらしいが、この暑い
季節に閉じ込めた部屋の中で、腹を空かし、ママーママー
と呼んでいた。暑さのせいか二人は裸だった。3歳の姉が
1歳未満の弟の世話をしていたのだろうか。食べるものは
なく冷蔵庫のドアが開いていた。冷蔵庫の中に食べるものが
あるわけはない。喉だって渇いただろうに水も飲めなかった
だろう。他人が尋ねてきても、役所の人が尋ねて来ても入れ
ないままで帰ってしまう。3歳の姉ならばドアを開ける知恵が
あったのだろうか。でも目張りがしてあった。

 インタホンで呼んでも母は帰らない。ママー、どこへ行った
の? 早く帰ってきてよ・・・、ママー、おなか空いたよ、
水がほしいよ・・・ と嘆きながら衰えていったことであろう。

 小さな二人はどんな思いだったろうか。想像するにも泣けて
しまう。一番信頼すべき・・・単純に言って、頼るしかない人
・・・その母親に捨てられて、そのことを理解する力さえ無く、
衰えていった二人。怒りと嘆きが一塊りになって鳩尾あたりから
噴き出してきそうだ。

 それにしても男親はどうしたのだろう。一旦は正式に結婚して
いたはずだ。離婚してどこへ逃げたのか。子供を母親に押し付けて
どこへ逃げたのか。ひと時の性欲処理にオンナを利用し、そのあと
は逃げる。20歳のオンナが結婚して二人の子をなして、そのまま
独り身で世話しながら生きて行くのは容易ではなかろう。風俗店で
働いていたことを批判した人があると言うが、それ以外にどんな
仕事があるというのか。「それくらいしか」ないのだ。住んでいた
6畳一間の部屋だってその風俗店の寮だったので、他にどんな住ま
いがあっただろうか。 
 利用されたオンナも哀れだが無責任な男こそは真の犯人である。

 たまたま身近なところに同じよう境遇のオンナを何人か見ている
ので余計に身につまされる。若い子連れオンナたちが朝市に買い物
にくる。中に、男に逃げられたのが何人かいる。そんな男は生命を
繋ぐオス・メスの関係を認識していないのだ。なぜ住まいを整えて
餌を充分に蓄えてメスを招くのか・・・オス・メスの役割を初めから
学び直すべきだ。

 そんな子供達を役所が救えないのならば、我が家でひと時の世話を
してあげるのにとも思う。ただし、我が家が適当かどうかは、社会的
に別問題であるし、何よりも単純な同情だけではだめなのだ。