風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

雨水 せっかくの雪が

2007-02-19 21:25:11 | 季節の便り

風の谷通信 さん農園便りNo.2-042

 雨 水  2. 18, 97

朝の空はうららの春を思わせたのに/ 
午後の空は厚雲と烈風と雪だった// 

日暮れて雪は止み十一夜の月が冴えて/ 
冷たく長(おさ)の石山を照らしている//

本当の春は遠く南の空にあり/ 
庭の梅の花だけが先駆けていて/ 
風の谷はまだまだ冬のさなかだよ//

 

今日は節気の「雨水」で、春が近づいて雪が雨に変わる季節を表わします。 

この冬は雪が降らなくてスキー場もスキー客もイライラしていたでしょうに、せっかく雪のある遠くまでスキーに出かけて愉しんだ挙句が気の毒なことになりました。  スキー帰りのバスが遙々長野県小谷村から帰ってきて吹田で橋脚に激突し、添乗員が死亡、客25人が負傷しました。

運転手は居眠り運転を認めているので、過労によるものでしょう。 価格破壊以来の社会の乱れは際限なく拡がり、トラック業界もバス業界も例外ではないそうです。 この事故は観光会社の業績低迷によるしわ寄せが運転手に行ったもので、運転手がこき使われて過労運転したと解釈していましたが、その後の情報でそんな単純な模式図では解けない興味深い事実が表れました。

まず、大型バスの小池運転手が21歳で昨年7月に大型免許を取ったばかりだということ。次に、死亡したアルバイトの添乗員またはバス誘導員が16歳で、運転手の弟であること。この長距離ツアーではバス3台編成で運転手は6人必要なのに、従事した運転手が5人であること。交代要員の一人はこの二人の母親(44歳)で、事故直前の休憩時に他のバスに乗り移ったこと。バス会社の下総社長(39歳)はこの母親の夫で、運転手と添乗員の父親であること。この会社が過労運転に関して労基署の是正勧告を受けていたこと(06年6月)。事故は午前5時半頃に起きて、大阪中央環状線片側が約4時間半全面通行止めになったこと。等など。まだ出るかも知れません。

この観光バス会社は小規模会社で家族が中心になって営業していたものですが、それでも無理を重ねて過労状態にあったようです。その原因は何でしょうか? 過労運転で一つ間違えば会社どころか家族さえもが破滅する恐れを持たなかったのでしょうか? 家族関係は正常だったのでしょうか?姓と年齢を考えるとやや異常な構成です。もしかして、不安定な家族関係が事故に影響してはいなかったのでしょうか?  一旦事故を起こすと、交通渋滞という社会的に大きな迷惑をかけるということを認識してはいなかったのでしょうか? 下司の勘ぐりは慎むべきですが、なんとも気の重い事故です。