風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

稲刈りの前に蜂退治

2006-09-19 21:17:17 | 農業日記
風の谷通信 さん農園便りNo.124


 朝から素晴らしい天気。田んぼは乾きませんが待っておれない
ので「エイ!」とばかりに稲刈り開始。・・・とは言っても少し
の面積だけ植えた古代黒米の刈り取りです。本番の早稲はまだ田
が乾くまでお預けです。
 
 必要品を田んぼまで運んで、刈り取った稲を運び出す道筋を
作るべく排水路の上に渡した板製パレットをめくってあっ!と
驚いて飛び退りました。一瞬ながらすさった後、なおよく見ると
蜂の群れです。巣の直径は約20cm。
 
 稲刈りどころではありません。この経路を開けないと稲の
運び出しが実に難しくなるのです。一旦引き返して「キンチョ
ール」と黒い大きな寒冷紗を持って現場へ行き、寒冷紗を羽織
って接近してキンチョールを振り掛けました。蜂はキンチョー
ルをかけるときりきり舞いして力を失います。
 これで蜂の群れは一網打尽・・・とはいかないけれど、まずは
殆どを殺し、巣を取り除いて、作業の安全を確保しました。これで
30分のロスタイム。作業時間から考えると全く大きなロスです。

 それから2時間で約5畝(150坪・500㎡)の黒米を刈り
取り、納屋まで運び込んでブルーシートの上に広げて一段落。
 おかげで田んぼはぬったくたです。(この表現は当地以外に
通用するでしょうか? 語源は塗りたくることでしょうが、塗り
たくったりこね回したりした泥んこ状態を「ぬったくた」と言い
ます。)そして、水が浮いた田はコンバインの重量で深くえぐれ
ています。 あア、これでは冬の作業が大変です。

 黒米は、鍼灸の先生が患者にあげる食養生材料の一つで、黒豆や
小豆と共に私の無農薬栽培品を毎年注文して下さるのです。栽培面積
は少ないけれど自分で乾燥して自分で脱穀して納品します。もちろん
朝市で一般客に対しても販売します。
 古代米では他に赤米(白もみ・赤芒・赤実)、緑米(アクネモチ)、
白米(品種不明)、神丹穂(赤もみ・赤芒・赤実の神祭り用赤米)を
栽培していますが、黒米以外は中稲または晩稲ですから刈り取りがまだ
先のことです。
 
 それはともかくとして、蜂退治が無事にできてよかったです。田んぼ
でも家でもいつどんな害敵に襲われるやも知れませんので、こうした対策
を常に準備しています。玄関先には蛇がでることが多いですから朝一番
に玄関を開けるときにはまず蛇に注意します。実にイヤなものです。

 今年も秋が深まってゆけばこうした害敵が出る機会は減ります。私が
春よりも秋を好む理由の一つはこうした点です。 実りの秋に感謝・合掌