うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

早春

2021年03月16日 | 記憶の断片
陽ざしがキラキラと強いが空気はガラスのように澄み切って冷たい。
夜は真冬の面影が残り、家に戻ると暖房のぬくもりにホッとする。

早春には独特の質感がある。

女性に例えれば物静かだが何事にも前向きで機転が利いて、周りの人たちに少し緊張感を与える様な感じのひと。

月曜日は在宅勤務だったが、鳥たちのご飯(ペレット)を切らせてしまい、昼休みにペットショップまで車で行ってきた。夕方になると店が閉まってしまうかもしれないと思ったのだ。

この時期の真昼、ふつうなら仕事中で、外の風景など見ることもない。
ふと思い出すのははるか昔、学生時代の、期末試験の帰りとかだ。


学生時代ははるか昔だが、同時にここ数年の記憶も蘇ってくる。

慌ただしかった4年前、実家での介護、旧宅を畳み、現宅を探して、ほかにも色々手配して。


その辺のことが心に浮かんでくると、少々というか、いささか心が痛くなってくる。
その時は目の前の事をひたすらこなしているので、案外平気なものだが、今振り返ってあれこれ考えるのはけっこうきつい。


ぜんぜん古いことを思い出したりもする。

小さいころ、向かいの家の一つ上の女の子とばかり遊んでいた。

小学校にあがってからも、結構遊んでたと思う。多少大人になって??一緒に本を読んだりしてたようだ。。

学年別の学習雑誌をその子が毎月とっていて、それに「ごんぎつね」が連載されていた。それを、毎月貸してもらって読んでいた。

最終回の載った号をかしてくれるとき、「なんか、すごくかわいそうなんだよ」と、ちょっと辛そうにいいながら貸してくれたのを覚えている。。


その子の家は平屋の小さな建物だったが、新築してきれいな2階建てになった。
ところが、家ができてからけっこうすぐに、引っ越すことになった、とその子から告げられた。

お父さんが小さな工場をやっていて、職場と住まいが一緒の、すこし大きな敷地のあるところに越す必要があったようだ。

言われたのはいつだったかな。
とにかく、引っ越したのは春だ。

なんかその辺自分の心境は複雑で・・
余り素直に寂しい、別れたくない!なんて気持ちではなかった。

小さい頃は、いくら頑張っても頭のあがらないお姉さんだった。

成長するにつれて、その差はだんだん小さくなってくる。ほかにも友達ができて、世界が広がってくる。

なので、別れてもさびしくないや、みたいな気持ちを持ったのかもしれない。
それと、引っ越し先がそれほど遠くない(といっても車で15分ぐらいはかかる)ので、また会える、という気持ちもあったのかな。

家族みんなでお別れはしたと思うが、その辺はよく覚えていない。


2階の部屋から外を見ると、となりの家が見えた。
見ながら、あと何日で引っ越しちゃうんだな、と考えていた。
そのことだけは覚えている。

たぶんあのとき、担任の先生も離任してお別れしたんだよな。

最後にひとりひとり握手した。
クラスメイトの子が「あたし、〈握手した)この手、一生洗わない!」といっていたので、そんなできもしないことを言うな、みたいなことを言った覚えがある。

いやなガキだな。。
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