ウリパパの日記

自由気ままに・・・

新国立劇場 「神々の黄昏」 2017.10.7

2017-10-07 23:44:36 | オペラ
新国立劇場が開場して20周年を迎え、2017/18シーズンはワーグナーの「神々の黄昏」で幕を開けました。3連休初日の本日、初台まで出かけてきました。


劇場内には20周年を祝う幟があちらこちらに掲げられていました。開演は14時。休日の公演ということもあり会場は満席です。

今回のキャストは下記の通りです。

指揮:飯守泰次郎
管弦楽:読売日本交響楽団
演出:ゲッツ・フリードリヒ

出演
ジークフリート:ステファン・グールド
ブリュンヒルデ:ペトラ・ラング
アルベリヒ:島村武男
グンター:アントン・ケレミチェフ
ハーゲン:アルベルト・ペーゼンドルファー
グートルーネ:安藤赴美子
ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤー


開演前にキャストを眺めて驚いたのですが、ヴァルトラウト・マイヤーさんが出演するのですね。懐かしい名前です。ステファン・グールドさんは前回のジークフリートでもタイトルロールを歌っています。期待に胸が膨らみます。しかし6時間は長い・・・

演出は前回に続いてオーソドックス。ゲッツ・フリードリッヒ演出でフィンランド国立歌劇場の協力によって上演されています。奥行きある舞台と光を活用していましたが、先月のタンホイザーに比べると物足りなさを感じてしまいます。

音楽的には読売日本交響楽団が良かった。前回ジークフリートを演奏して感激した東京交響楽団に匹敵しますね。とにかく軽快でテンポよくアンサンブルが素敵です。重厚というよりはやや明るめで深みのある音楽が特徴で、ワーグナーというよりリヒャルト・シュトラウスを聞いているかのような印象。飯守さんの指揮もノリに乗っていて、1幕、2幕共に予定より3~4分早く終わってしまいました。3幕のジークフリートの葬送行進曲以降は特に素晴らしく、劇場全体が息を呑んで音楽に聞き入っていました。

ジークフリート役のステファン・グールドさん、ブリュンヒルデ役のペトラ・ラングさん共に声量タップリで貫禄の演技。期待通り、長丁場のオペラを余裕タップリに歌いきりましたね。奥行き有る舞台の後方で歌うこともあったのですが、2階正面4列目で聞いていても、十分に声が届いてきます。最後のブリュンヒルデの自己犠牲は特に圧巻。物凄いスタミナですね。

舞台を引き締めたのはニーベルング族のハーゲンを演じたアルベルト・ペーゼンドルファーさんです。貫禄タップリで、槍を持ち指輪の奪還を狙う姿は、まるでヴォータンを見ているかのようなど迫力。あれではグンターが気の毒(笑)。父親のアルベリッヒが貧弱に見えてしまいます(笑笑)

日本人が演じた3人のノルンやラインの娘たちは、演技、歌ともに好演でした。グートルーネ役の安藤赴美子さんは歌は素敵ですが、演技が硬い印象をうけました。おっと、忘れていけないのが1幕の後半を引き締めたヴァルトラウテ役のヴァルトラウト・マイヤーさんです。もう60歳を超えているのではないでしょうか。さすがに往年の艶やかで透明感ある響きは影をひそめていますが、随所にその面影を垣間見ることができました。貫禄の演技です。マイヤーさんというとジークリンデやイゾルデの名演を思い出してしまいます。

演出についてはネタばれするのでふれませんが、指輪がとにかく大きい。しかも演技で目立ちすぎ(笑笑)。あと3幕の結末は廃墟で終わってほしかったですね。何でブリュンヒルデが生き返るのだろうか・・・



14時に開演し、45分と35分の休憩を挟み、終演は19時45分過ぎ。飯守さん渾身のワーグナーでした。今年最後のワーグナーになりそうです。ヴァルハラは焼け落ち、指輪はラインに戻り、愛の救済の音楽の余韻が残る中、家路につきました。


1階ロビーに展示されていた生け花。勅使河原茜氏による作品です。
コメント (2)
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