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錯視の原因

2008-07-20 23:10:49 | 視角と判断

 左の図はポッゲンドルフの錯視図として知られているもので、線aとb、cとdはそれぞれ一直線上にあるのですが、行き違っているように見えます。
 実際には一直線上にあるのに行き違うように見えるので、目の錯覚だとされるのですが、どうして錯覚が生じるかについては説明されていません。
 心理学では縦線と斜めの線が交差する角度が鋭角の部分が過大視され、鈍角の部分が過小視されるためだとしていますが、これではそれが原因なのか結果なのか分りません。
 それでも交差する角度の見え方を問題にしているということは、交差する部分に注意が向けられるということを前提にしています。
 斜めの線全体を均等に見ればaとbが一直線上にあるように見えるのですが、交差する部分に自然に注意が向けられてしまうので、aとbを同時に全体的に見ることが出来ないのです。
 
 そこで真ん中の図のように先端に赤丸をつけて二つの先端に同時に注意を向けやすくして見ると、左の図に比べ二つの直線は一直線上に見えやすくなります。
 また真ん中の図の下の線の場合のように、交差部分に赤丸をつけると二つの直線は一直線上にあるように見えます。
 これは線の交差部分の見え方が変ったためで、線cとdが行き違って見えるのは縦線との交差部分の見え方に問題があることが予想されます。
 交差部分は縦の線と斜めの線が近接しているので、交差点はどこなのかがあいまいになっています。
 赤丸をつけると線の交叉点が隠されてしまうので、錯覚がおきにくくなっているのです。

 右の図は斜めの線の色を変えてみたもので、線の色が変ると交差点の部分のあいまいさが減少します。
 そのため左の図に比べると錯視量が減って、斜めの線がそれぞれ無理なく一直線上にあるように見えるようになります。
 同色の線が交差すれば交差する点はあいまいになり、交差角が縮小して見えたり拡大して見えたりするので、目の錯覚であるというよりも、図の作り方に問題があるのです。
 とくに仕組んだというわけではないのでしょうが、交差する部分に注意がひきつけられることで全体的に見させなくし、同色の線が交差することで点をあいまいにするため錯覚しやすくしているので、目が錯覚してしているわけではないのです。
 


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