![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/0c/4ffc988115ad43c5191b0775b2c85d0b.jpg)
左側の図はエーデルソンが作成した錯視図で、矢印で示した二つの四辺形の色は同じです。
上の四辺形のほうが濃く、したの四辺形のほうが薄い色に見え、とても同じ色には見えないでしょう。
心理学の説明では、上のほうに光が当たって、下のほうは陰になっていると脳が解釈するためだとしています。
脳がそのように解釈するのは、図が三次元的に見える形であるためで、下のほうは陰になっているので暗くなっているはずなのに送でないから、もとの色が薄いと解釈してしまうというのです。
しかし、この説明は間違いです。
図形の形が三次元的であるからといって明暗を感じるということはありません。
明暗の差を感じる原因を三次元的な形のせいにしただけです。
これは色の濃淡を白、黒、灰色と表現しないで、明るいとか暗いとかいう言葉を使うため、光の当たり方による錯視のように思われてしまうのです。
右の図は左の図に彩色をしたものですが、、赤の部分は同じ明るさに見えて上のほうが濃く、下のほうが薄く見えるということはありません。
図形自体はまん中がせりあがって見えて、三次元的に見えるのですが、赤はどの位置にあっても同じ明るさに見えます。
つまり、三次元的に見えれば脳が陰の部分が暗く見えるはずだと解釈したりしていないのです。
それではなぜ左の図では上の四辺形のほうがしたの四辺形より黒く見えたのでしょうか。
それは自分よりす薄い色にはさまれたときはより濃く見え、自分より濃い色にはさまれたときはより薄く見えるからです。
つまり、上の四辺形は両サイドが自分より薄いので、より濃く見え、下の四辺形では両サイドが自分より濃いのでより薄く見えているのです。
もし両サイドの色の濃さを同じにしたり、逆にしたりすれば見え方は違ってきますから、上のほうが濃く見えるように仕組んであるということなのです。
一種のトリックなのですが、上下の四辺形の色の濃さを比べるとき、両サイドの色と比べることが計算に入っているのです。
ということは上下二つの四辺形を見比べるとき、無意識に視線を動かしているのです。
下のほうの四辺形の隣の黒い四辺形(B)は上下の四辺形と同じ濃さのように見えますがよく見るとより濃い色です。
この黒い四辺形をじっと見ていると薄く見えていた左右の四辺形も同じ濃さに見えるようになります。
ということは矢印で示した二つの四辺形の色が同じに見えているということです。
また矢印で示した二つの四辺形の間にある正方形をじっと見ていると、濃さが違って見えていた上下の二つの四辺形が同じ濃さに見えてきます。
これは間の正方形と上下の四辺形だけが同時に見えるようになるため、同じ濃さのものが同じ濃さに見えるということです。
視線を動かさなければ、それぞれの両サイドの色と比較しないので色の濃さが同じに見えてくるのです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます