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可算名詞、不可算名詞

2006-06-22 23:01:49 | 言葉とイメージ
 I am a boy.You are a girl. というのが、昔の中学の教科書にありました。
 「私は一人の少年です」という訳だったかどうか忘れましたが、英語というのはおかしな言葉だなどとは思いませんでしたが、考えてみるとおかしいですね。
 日本語では(ひとりの)などという部分をつけません。
 「我輩は猫である」というのを「我輩は一匹の猫である」とすれば、おかしな感じがします。
 「私は日本人です」というのを訳すと、上の図のようになるのですが、この場合英語は不定冠詞 a が使われるのに、ドイツ語では一般名のときは不定冠詞は使わないのです。、 この方がすっきりしていて、ほかのヨーロッパ言語でも大体ドイツ語と同じだそうですから、英語が特殊なのです。
 この場合の「日本人」は日本人という人種の名前で、具体的な人間としての日本人をさしているわけではないので(一人の)という数を意味しているのではないといいます。
 a というのは数詞でもあるわけですが、英語の名詞は単数形か複数形かのどちらかになるので、複数形でない場合は単数形ということで自動的に a をつけるので紛らわしくなるのです

かつては何かというと英語が合理的な言語で日本語は不合理であるかのように言われ、物の数え方についても英語には数えられるものとしての可算名詞と、形がなくて数えられない不可算名詞と分けられているのに、日本語の場合はそうした分け方がないなどといいます。
 ところが、英語の場合首尾一貫しているのかといえば、そうとは必ずしもいえないようです。
 たとえば、池上嘉彦「日本語論への招待」には英語の可算名詞と不可算名詞のゆれ方が多くあげれています。
 英語の場合はコーヒーのように形のないものは数えられない名詞、不可算名詞なので、a cup of coffee のようにあらわし、 a coffee というふうに書かないということになっています。
 しかし喫茶店などでコーヒーを注文するときいちいち two cups of coffee などといっているとは限らず、two coffees もありだということです。
 これは人間の側がカップ入りのコーヒーということが頭にあっていうので、コーヒーだから不可算名詞と決め付けるべきではないということです。

 名詞の数え方はそのものの種類によって決まるのが基本であるといっても、人間の側がどうとらえるかで変わってくるので、あまり固定的に考えると使いごこちが悪くなります。
 日本語でもコーヒーは二杯と杯を使うということになっていますが、喫茶店なら「ふたつ」と言う数え方が実際使われます。
 ビヤガーデンなどでも「大生四つ、枝豆三つ」という注文の仕方がされ、注文単位を何でも「いくつ」としたりしています。
 ビールだから「杯」を使わなければいけないというのはこだわりすぎなのです。
 

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