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絵は右脳で描けといわれても、実際にはどうしたらよいか分からないものです。
絵を描いているとき「イマ自分は左脳を使っている」とか「右脳が働いている」などということは自覚できるわけではありません。
実際右脳を主として使って描いた絵はどんなものかを知るには、左脳が働かない人の絵を見て見れば見当がつきます。
図はAが見本で、Bは左脳に損傷のある人の描いた典型として挙げられる例です。
左脳が働かないので右脳を使って描いているのですが、全体的な輪郭はとらえられているとはいえ、細部が欠けているので、模写としては不十分なものです。
逆に右脳を損傷している人が描いた例というのがCです。
これは細部がある程度詳しく描かれていますが、全体的な形がおかしくなっています。
部分の配置がでたらめになっているところがあるのと、細部が描かれているといっても抜け落ちているところがあります。
特定の部分が無視され、描かれている部分は位置や方向が変更されていたりしているのですが、そのためダイナミックな感じが出ています。
右脳で描いたほうは輪郭が全体をとらえているといっても、そこには力動感はなく無個性です。
普通に見れば、左右どちらか一方の脳が損傷を受けていれば、いずれにせよ不完全な模写しかできないということに過ぎないのですが、そのことは脳に異常のない人は両方の脳を使って絵を描いているということを意味しています。
左脳は言語や理屈を担当して、感性は右脳が得意とする分野だと思われて、絵を描いたりするときは左脳は邪魔だなどと言われたりするのですが、この絵で見る限りではそうとばかりはいえないようです。
左脳が働かないで、右脳で描いたBのような絵は、全体的な輪郭をとらえているので、常識的ではありますが面白みはありません。
その逆の右脳が働かないで、左脳で描いたCのような絵のほうがじょうしきからはずれてしまい、かえってユニークで面白みがあったりするのですから皮肉なものです。
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