上の図は、ねじれひもの錯視で「LIFE」という文字はみな傾いて見えます。
実際はどの文字も傾いているのではなく、文字のどの線も水平または垂直です。
例えば「I]という字は左に傾いて見えますが、ねじれひもの形で出来ている左の縦の線を上から白い部分、黒い部分と順に下のほうに見つめていくと、斜めではなく垂直に見えるようになります。
ねじれ紐の部分だけに注目して見ていけば垂直に見えるのですが、全体的にみるとどうしても傾いて見え、しかもこの傾き方は強烈に見えます
傾いて見える原因は普通に考えれば、ねじれひもの形が原因だろうと思うのですが、よくみるとそうではないことがわかります。
下の左の図は「I]という文字のあたりを取り出して、90度回転させたものですが、「I」という字は右肩上がりに見えます。
ところが、右下のようにねじれひもの形をつくって横に置くと、なんとこれは右肩下がりに見えます。
ねじれひもの形が微妙に違うせいカも知れないと思って、左下の図のねじれひもの部分だけを取り出して見ると、やはりこれは右肩下がりに見えます。
つまり、ねじれ紐の部分だけを見るならば、右肩上がりに見えるのではなく逆に右肩下がりに見えるのですから、右肩上がりに見えたのは背景のせいだったのです。
背景とのかかわりで傾いて見えたのであって、背景が異なれば見え方が違うことが確かめられるのです。
背景はすでにそこにあるので、背景のほうに仕掛けがあるということに気づかずに、前面に示された文字の部分だけに注目して底に原因を求めようとしてしまうのです。
ちょうど手品、奇術と同じパターンなのです。
この錯視図の面白いのはそれだけではありません。
ねじれひもで作られた文字を見続けると、文字が動くように見えるようになります。
例えばいちばん単純な「I]という字を見るとき、ねじれひもの部分を注視していると、傾いていた「I]という字がだんだん垂直に見えるようになりますが、そうするうちにフト気がつくと「I]の字は動いて見えます。
最初は左に傾いて見えていたのですから、垂直に見えるようになれば動いて見えたということになるのですが、ずっと見続けると文字がゆらゆら動くように見えます。
ねじれひもで作られている線が垂直に見えても、背景はどうしても見えるので、すぐに左に傾いて見えるというように見え方が安定しないのです。
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