60歳からの視覚能力

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視覚の集中力

2008-08-20 22:49:05 | 視角能力

 A図で4本の横線はすべて水平線なのですが傾いて見えます。
 斜めの線が交差しているためですが、これも水平線に意識を集中して見ると平行に見えるようになります。
 横線に意識を集中して、斜めの線からの影響を取り除いて見ることができ
れば、本来の水平線に見えるのです。
 水平線に意識を集中して見る方法は、水平線の左右両端に同時に注意を向けてみることです。
 たとえば真ん中の二本の横線の左右両端に注意を向けて見ると、二本の横線は水平に見えるようになります。

 慣れないとどうしても斜めの線が意識の中に入り込んで、横線に意識が集中しにくいかもしれません。
 そこでB図のように横線を太くしてみます。
 B図でも普通に見ると横線は少し傾いて見えますが、横線に注視を集中して見るのはA図の場合より楽です。
 A図のときと同じように真ん中の二本の横線の両端を同時に見るようにすると、二本の横線は水平に見え、その他の二本の横線も水平に見えます。
 B図のほうが楽に横線に注意を集中して見ることが出来るのは、線が太くなっているためで、簡単な理由です。
 
 横線に意識を集中できれば、錯視がなくなり水平に見えるとするならば、横線を太くしなくても、色を変えてみるという考えも出てきます。
 C図は横線の色を赤く変えてみたものです。
 この場合も普通に見れば横線は傾いて見えますが、赤線に意識を集中して見れば横線は水平に見えるようになります。
 色が変っているため横線に意識を集中しやすいので、A図の場合より楽に横線が水平に見えるようになっています。
 こうしてやや楽な条件で横線に意識を集中して見る訓練をしたあと、A図に戻って横線に意識を集中して見ると、最初のときより横線が楽に水平に見えるようになります。
 横線に知識を集中する能力が一時的に高まったのです。

 横線に注意を集中しやすければ、横線が水平に見やすくなるということであれば、逆に横線に意識を集中しにくくすれば、横延はどうしても傾いて見えてしまうということになります。
 D図は斜めの線のほうを太くしているのですが、水平線のほうに意識を集中しようとしても、斜めの線が太く強いため非常に困難です。
 それだけでなく、横線に注意を向けて見ると横線は動いて見えるでしょう。
 横線に注意を向けて見ると水平に見えるようになりかかるのですが、斜めの線の干渉が強く傾いて見えるようになるため、ゆれて見えるようになるのです。
 この場合さらに意識を横線に集中して見続ければ、線のゆれが消え横線が水平に見えるようになります。

 水平な横線が傾いて見えるのは、斜めの線が妨害刺激となっているためですが、年をとってくると妨害刺激に弱くなるため、意識を集中して水平に見ることが難しくなってきます。
 D図の場合はかなり難しいですが、B、Cを経てA図で横線が水平に見えるくらいの視覚の集中力は欲しいものです。