キーボード

キーボードが古くなった　使ってたやつ壊しちゃったのさ
初めて買ったパソコンに付いてたもの
でも慣れてるからなのか　案外使いやすかったり

街には思い出が詰まってる

ふらりと出かけた冬の街　変わるところは変わり変わらないところはあの日のまま
ただぼおっと歩いているからか　数えきれないほどの思い出が蘇る
あふれる記憶が止められない　まるで旅に出るその前のような――
多分寒くて曇った天気のせいだろう　あぁ日が沈んでいく

みのむし

外は寒いから　ミノの中でじっとしてよう
このミノ私の手作りなんだ
でもここまで登ってくるのちょっと大変だったんだ

続けること

続けることは簡単で　昨日と同じことをしていればそれでいい
やめることは簡単で　昨日までしてきたことを切り捨てればいい
ただここでやめてしまえば　明日につながらない
変化のない日常も過ぎてしまえば昨日　10年後に振り返ればひとつの思い出
今日と明日を繰り返し　昨日を糧に今日を生きる

雪だるま

昨日の雪　車に積もったものを集めてみた
ふかふかとして　なるほどつもりやすそうな柔らかさだった
一晩経って街はいつもの色　雪だるまだったものだけがなんとか残ってた

雪化粧

あれよあれよという間に　雪が降り積もっていった
セージの花も雪化粧
子供のように純粋に雪を喜べない　だけど妙にわくわくしてる

午後からは飴時々カツオが降るでしょう

チョウサジャァ　チャアイサジャーの掛け声のもと
エサの飴をまく鰹船　船に乗った子供たちが人の海からカツオを釣り上げる
そんな豊漁祈願のお祭り　エサにつられた人々がまるでナブラをつくるように

撮影：三重県紀北町　船だんじり
ナブラ：海面に追い込まれた小魚が密集している様子。近くに大きな魚がいる目安となる。

空が高い

空へと向かって伸びたヒノキ　どれくらいの時間を見つめてきたのだろうか
幹は大人が何人いても抱えきれないほどに
ヒトとは時間の流れが違う　木は見上げるほどにその歩みを止めず

撮影：三重県大紀町　滝原宮

巡視艇すずか

ふとたどり着いた先に停泊中の巡視艇すずか
大きくてもシルエットはスマート　まさに早く走るための船
暖かな光のなかで　静かに船出を待つように

きんかん

ひとくちサイズのちっちゃな実
皮だけかじれば鼻に抜ける爽やかさと甘み　でも中身がすっぱい
顔で笑って心で泣いて　いや人生すっぱいこともあるさ