あまちゃんの カタコト中文日記

中国・杭州がえりのライター助手、日々のいろいろ。

ウクライナで勤務していた老師のはなし 

2022-02-25 | 中文
久しぶりに本棚から取り出したこの絵本。

帯に「これは せんそうの はなしでは ありません。」とあるけど、
やっぱり戦争の話でもある。ページをめくるごとに、ある兵士の人生をさかのぼっていく…これが泣ける。
***
ロシアがウクライナに攻め込んだ。戦争だ。
ウクライナのことはよく知らないが。ウクライナと聞くと思い出す人がいるー 杭州にいた最後のほう、ちょっとだけ通っていた語学学校の老師だ。(当時アラ還くらいか?← やっと年上の先生に出会えた~と嬉しがったボスちゃん)

彼女が「以前ウクライナ(乌克兰)で中国語を教えていた」と言っていたのだ。国からの派遣講師。彼女はウクライナの前にはアフリカのカメルーンでも教えていたそうだ。まだ娘さんが中学か高校に通っていたので周囲は猛反対。でも彼女はなんのためらいもなく異国の仕事を引き請けた。まだ見ぬ世界を自分の目で見てみたかったのであろう。
そんなウクライナに浅からぬ縁のある老師に今の状況(老師の思い)についてたずねてみたいー 昨夜思い切ってウィチャットを送ってみた。

(以下、つたない中文でのやりとり全文ーチャットなのでブツ切れの短文多し)

:「 老师,好久不见了! 您以前住过的乌克兰...」
 (お久しぶりです!先生が以前住んでおられたウクライナが、、)
 「您应该有很多学生和朋友们,是吧」 
 (先生はたくさんの生徒やお友だちが彼の地にいますよね?)

老師:「是啊,我联系了一下,民用设施城市建筑没什么损害,主要是针对军事设施」
 (そうよ、ちょっと連絡してみたところ、民間施設や街の建物は何の被害もなくって、主に軍事施設が標的になってるって)

:「真的,那有点儿放心」
 (ほんとですか~ じゃあ、ちょっと安心しました)

老師:「不过,这个国家也真可怜」
  (でも、この国はホントに可哀想)
 「领导人太弱」
 (指導者があまりにも弱い)

:「没有靠谱的吧」(頼りにならないんですね)

老师:「我看看也是」
  (私はそう思うの)

:「我讨厌俄罗斯总统普京
 (ボクはロシアのプーチン嫌いです)

老師:「・・・(絶望の絵文字)」

: 「只希望乌克兰一般老百姓的安全」
 (ただただウクライナ市民の安全を願うばかり)

老師:「是啊,但这个民族总体是有点软弱的」
 (そうね。ただ、この民族は全体的に弱腰なのよね)
  「还有点欺软怕硬的」
 (さらに ”弱い者をいじめ 強い者を恐れる”ところがある)

老師:「乌克兰的东西文化、传统、观念本来就很不一样,西部讲乌语,东部讲俄语」
 (ウクライナにおける東西の文化・伝統・思想は全く違ってね。西はウクライナ語、東はロシア語を話すし)
 「还有历史上的归属问题」
 (さらに歴史的な帰属問題もあるし)
 「 可惜了那么富有的土地富有的资源」
もったいないわ~ あんなに豊かな土地と資源があるのに

:「还是您很熟悉...」←やや苦しい合いの手
 (やはり先生はウクライナのこと、よくご存じですね)

老師:「地理位置又太重要了,惹人垂涎chui2xian2」
 (地理的な位置もとても重要で、もう誰もが喉から手が出るほど欲しがる場所よ)
「我在那里工作了四年多呀」
(わたしはあそこで4年あまり働いたの)

:「 四年多,确实比较长,印象很深刻」
 (4年あまりとは確かに長くて印象深いですね)

老師:「是的,我们在那儿工作过的老师学生都喜欢乌克兰和那儿的人」
(そう。あそこで働いてた老師と学生はみ~んなウクライナとウクライナの人が好き
 「 他们很温和热情善良」
彼らはとても温和で親切で善良だった

:「当时的四年就是珍贵的时间」
 (その4年はまさに得難い=貴重な時間でしたね)
老師:「是啊」
 (そのとおり)

:「 谢谢老师!我们都要一直看那里的情况吧。晚安」
(ありがとうございます。彼の地の状況をずっと見守りましょう。おやすみなさい)

老師:「 晚安! 好像全世界都在关注」
(おやすみ。おそらく全世界が注目しているでしょう)

いじょー。
とにかく「戦争はんたーい!」と誰もが願う…

*追記*
下の写真は以前ウクライナの国際映画祭に樹木希林さんが出席された時のもの(映画『あん』が招待される)。
クリミア半島が併合され、ウクライナ東部が戦闘状態になった時ー
映画祭への参加は危険なので見合わせる人が多いなか、希林さんは「そんな場所だからこそ、行ってあげたいのよね」と行かれたとか。
そこでは『あん』を観たウクライナの人々が次々に希林さんに抱きついてきたらしい。たしかに『あん』はすばらしい作品だけど。やっぱり老師が言うように、彼らはとても热情(情熱的)な人たちなんだね。
(当時、希林さんに同行した助川哲也氏が最近アップした記事より。知り合いがSNSでシェアしてました)



  
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