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あまちゃんの カタコト中文日記

中国・杭州がえりのライター助手、日々のいろいろ。

最近借りた本(沢野ひとし『ジジイの片づけ』ほか)

2025-04-30 | book

”図書館通い”というのも案外忙しい。借りたものには期限がある。借りに行って、家に帰ってきたとおもたら「予約本がご用意できました」とメールがくる。また数日以内に取りにいく・・・てな具合だ。

弊ジムショで借りる本の多くは、近所に住むママちゃんの認知機能を維持するための本(いわゆるボケ防止)である。もはや小難しい小説のたぐいは老婆にゃ読めないので、軽いテイストの本がいい。いや、老婆のみならず、還暦ボスちゃんも就寝前のひとときは軽いエッセイが読みやすそうだ。

最近たまたま借りてボスちゃんに好評だったのはこちら↓


沢野ひとし『ジジイの片づけ』

椎名誠さんのお友だち(高校の同級生らしい)として知られる沢野さん。彼の本をちゃんと読んだのは初めてだ。これはいい。すぐにでもジムショのあちこちを片付けたくなったし、物をじゃんじゃん捨てたくなった。ジジイシリーズは他にも何冊か出ているようだ。気の利いた文章と挿絵がいい。

お次は、


岸本葉子『60代、不安はあるけど、今が好き』

東大卒のエッセイストであり、がんサバイバーとしても知られる。一時期、よくテレビにも出ておられたので、どこか知り合い感覚も。

内容はボスちゃんにしてみたら「あるある」ネタのオンパレード。思わぬところで転倒したり、階段を踏み外したり。セルフレジやタッチパネルの注文で戸惑ったり。「物忘れにタイマー」というのは、とっくに弊ジムショで実践しているし(キッチンタイマーを使用。ex.ゆで卵、洗濯など何かにつけてタイマー5分をセット)。「泊まる荷物が増えていく」には大いに共感、ひいては「外出時の荷物が増えてやたら重たい」と感じる今日この頃である。

そして 老婆にいたく好評だったのが、


安野光雅『わたしの好きな 子どものうた』

かなり大判の本。タイトル通り、安野さんの好きな童謡に関するエッセイと挿絵、そして歌詞のページがある。



「この本だったら、家にあってもいいな」とめずらしく言うので、買ってあげてもいいんやけど。

気まぐれな老婆のことだから、いざ買ったら「もったいない!」と文句を言われそうな気も。(しばらく様子見じゃ、、) 

*おまけ*

老婆が毛嫌いしているテレビCMがある。


UQモバイルのシリーズ。これが流れるたび、テレビに吠える老婆かな。オヨヨ~!
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彼の地の光景を思い出しながら『天路の旅人』(沢木耕太郎)を読む

2025-02-27 | book

土曜日、京都で同窓の人たちに会った夜。帰宅が遅くなって疲れているはずなのに、なかなか寝つけない。こういう時こそ本を読もう。返却期限まであと3日と迫った、沢木耕太郎渾身のノンフィクション『天路の旅人』(全572ページ)を最後まで読み終えた。


読んでいるこちらも長い旅であった。読み終えてしまうとさびし~ものが。

第二次大戦末期、ひとりの日本の若者が敵国・中国の、その大陸の奥深くまで ”ラマ教の巡礼僧” に扮して潜入した。密偵、スパイ?というより、ただ憧れの地を踏みたい一心で、若者は中国大陸・チベット・インド... と危険をかえりみず、7年間ひたすら歩いて旅をした。

この若者こそ、沢木氏が25年前に出会って取材をした、西川一三(かずみ)。当時すでに80歳近くで、その時代(大正生まれ)の人にしては背が高く(沢木氏と同じ180cmくらい)、がっちりしていたという。

西川は昭和12年、満鉄(満州鉄道)に入社。満州のあと、天津や北京、内蒙古の包頭(バオトウ)でも勤務。しかしあることに嫌気がさし、昭和16年に満鉄を退社。

その後、内蒙古に設立されてまもない「興亜義塾」という学校へ。当時の広告には「中国大陸の蒙古から新疆にかけての奥地、特に西北の地域で国家(日本)のために挺身する若者を養成する」とあった。

これを目にした西川はピンときた。子どもの頃から中国大陸の奥地への憧れがあったのだ。きっかけは尋常小学校時代。ある蒙古服姿の男性が学校に来て、ゴビ砂漠とか青海湖などの旅の話をしてくれたのだ。いつか自分も行ってみたい、と願望を抱くようになる。

興亜義塾では入ってすぐ、中国語や蒙古語・ロシア語が叩き込まれた。このおかげでのちに旅の道中、日本人だと怪しまれることは殆どなく助かった。

さらに旅の途中、西川はその地域の言語:チベットやインドの言葉も習得し、奥へ奥へ(西へ)と旅を進めていった。

なにせ徒歩での移動である。荷物をラクダの背に乗せ、険しい山も谷も、河をも渡っていかねばならぬ。その命を落としかねない過酷な道のりをも乗り越えるたび、楽しいと思えるようになっていく...。

***

われらも杭州時代(2015~2018)、全中国を制覇したいおじちゃん(弊ジムショ顧問)の”あんぱい”に乗っかって、あちこち週末に旅をした。

その時に訪ねた土地の名前が本書に出てくるたび、その光景を思い出した。

たとえば青海省のタール寺(塔尔寺)。




青海省の青海湖はその名前からしてどれほど美しいのだろう?と期待したが、


なんとも寂れたところで、このようなひどいトイレの思い出ばかり。

ああ、どこもハエだらけであったわ😢

読みながら、「この本はめずらしく地図の解説がないのだな。さすが沢木さんともなると、すべて文章で表現するんだ。じつに思い切ったもんだ」などと感心していたら。

300ページほど読んだあたりで、


見返し(表紙と裏表紙の裏側)に地図があるのをハッケン!

ああ、うっかりにもほどが、、。

西川一三の、この7年におよぶ旅は、彼にとってまちがいなく”人生のハイライト”だったかもしれないが。のちの日本での粛々と働く堅実な生活(一年のうち364日は化粧品店の店頭に立つ)もとても好ましいと思った。

これはボクがあと10や20若ければ、こうは思わなかっただろう。「せっかく旅に行ったのだから、帰国後、何か大きなことができるんじゃ? もったいないよ」などと思ったかもしれない。が、今のボクにはなんとなく理解できる。← 歳をとったといふことね (^^ゞ

本書のなかでメインの「旅」以外で興味深かった箇所。

●たとえば、ラマ僧には”男色”が多かったということ(やっぱり!)。

●「風葬」:最初の旅に同行したバト少年が病死し、遺体を風葬することになったくだり。遺体を死体捨て場である谷間に運び、そこでわずか2日のあいだに遺体は白骨化。犬とカラスと禿鷲(はげわし)によってきれいに食べられたのだ(食べ残しがあると、何か今生で悪行をしたのでは?と忌まわしく思われる)。この風習はチベット旅行の時、ガイドに聞いていたく驚いたものだ。

●叩頭(こうとう):いわゆる五体投地。これをチベットのお寺で目にしたり、巡礼者がこれをしながらラサへの道を少しずつ進む光景はすさまじい。

●アルガリ:これは本書で初めて知った。巡礼の旅のテント生活に欠かせない燃料。いわゆる、そのあたりに落ちている家畜の糞(それを拾ったもの)。

●ツァンパ(下写真)


標高が高いため動植物に恵まれないチベット地方の主食。

はだか麦を練って、つくったもの。

ではさいごにチベットの絶景を。


こういう河をも、

西川一三は歩いて渡ったのか。



もう一生行くこともないであろう😢(さいごはラサのポタラ宮)

◆いじょー、お読みいただき非常感谢🙏

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冬休みに読んだもの/ テレビで見た年頭の挨拶「蛇年といえば-」ほか

2025-01-07 | book

年末年始に読んだ本はこちら↓



①左はクリスマス頃、ママちゃんのために借りた野球本。

昨秋出版されたばかりの(しかもリクエストして→図書館が買ってくれた)ピカピカの本。老婆はひとめ見て上機嫌。だって中西氏はズバリ同世代で西鉄時代、その活躍をよく見ていたからね(こっちはよく聞かされたもんだ)。思いのほか早くこちらに戻されてきたので、今読んでいる。

老婆:「知ってる話ばっかりや〜」と言いつつ、ちゃんと読めてるのかヒジョーにあやしい( ̄▽ ̄;)。

残念ながら中西氏は一昨年亡くなられた。(以下、貴重なプライベート写真も)




②右は『成瀬は天下を取りにいく』が大ベストセラーとなった宮島未奈さんの新刊。婚活パーティーを運営する会社が舞台で、アラフォーのフリーライター(男)が主人公。気軽に読めて面白いが、成瀬シリーズには遠く及ばない。まあ、それはしゃーないね。成瀬の一冊目がほんと素晴らしすぎるから。

***

テレビなどの話を少し。

1)「蛇年といえば...」

きのうは「仕事始め」ということでテレビでも各業界や行政のトップが年頭のあいさつをする光景が見られた。それが皆さん、判で押したように「今年は蛇年」「へびのように脱皮して変革を~とか、成長を~」と言うから、笑ってしまった。「ワンチームで・・・」というフレーズも相変わらず多かった。で、われらが兵庫県知事・斎藤元彦ちゃんも年頭あいさつで「蛇というのは脱皮して強くなる」「ワンチームで県政を前に進めていく」と両方使用しておられました(笑)。元彦ちゃんはどうやら年男らしい。(えっ、うちのボスちゃんもよ~ 同い年やっけ? >バキッ )

2)「高校ラグビー準V 東海大仰星の主将は吉田るい」

昼下がり、テレビつけたら高校ラグビーの決勝戦(桐蔭学園vs東海大大阪仰星)をやっていた。関西人としては惜しくも敗れた大阪・東海大仰星高。中継のインタビューでお父さんも登場したのが共同主将のSO吉田琉生(るい)選手。「ナニ? 吉田るいだってぇ!」。”吉田るい”と聞けば、のんべえじゃないボクでも”あの人”を思い出すでしょ~。(からかわれるには 君はまだ若すぎるね... セーフ^^;)

3)「市の健康相談☎に出た看護師の声が某アナそっくりだった話」

あれは1月3日の夕刻。年末年始、ずっと繋がらなかった地元・〇〇市の健康相談ダイヤルがやっと繋がった。微熱程度とはいえ、だるくてベッドに臥せっていたボクは「そや、今なら繋がるかも!」と電話してみたのだ。すると、年末からずっと「ただいま電話が大変こみあって...」の一点張りだった受付☎が反応し、「ご相談はお身体ですか? それとも心の相談ですか」と聞いてくる。「カラダです」と答えると、しばらくして看護師から電話があると言う。そして程なくかかってきた看護師さんはこちらの病の経過を聞いてくれて、こちらが市の休日救急診療所に行こうか迷ったが、かなり混みあってるらしいので(HPで知る)控えていることを伝えると... 「インフルの検査をされたいですか? 仮に検査をして陽性だったとしても、薬で早く治ると言ってもたかが1日くらいのことで。それだったら安静にされていた方が・・・」とクールな声できっぱりと言った。うーん、この声、どこかで聞いたことが! あの人だ。NHKのね、顔が三日月のように細いお姉さん・・・(若そうでいて、すでにお母さんの)そう、片山千恵子アナではないですか。喋り方もなんか似てる~(>知らんがな)。

咳の発作とか不安なことも聞いてもらえるだけでちょっと安心した。片山千恵子ナース、ありガトー!グッジョブ。

(いじょー。蛇年なだけに、まさに”蛇足”でした)

 

 

 

 

 

 

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青木宣親の『青木世界観』/ハン・ガンの『菜食主義者』(李荣浩♬年少有为)

2024-12-07 | book

まずは、いま読んでいる『青木世界観』(写真右:青木宣親・尾崎世界観 著)。

今季、現役引退したばかりのヤクルトの青木宣親。本書は9月に出ているから、まだ現役選手ってことになっている。

表紙に「聞き手:尾崎世界観」とある。(テレビでもちょくちょくお見かけするミュージシャン、熱心なヤクルトファンらしい) が、本書は対談形式になっているわけではない。各章ごとのテーマに合わせて、それぞれ一人語りをしているスタイル。「なんなら、青木さん単独の本でもよかったんじゃ?」なんて思ってしまった。

第一章の「チャンス」。面白かったのは、青木が2年目を迎える正月に、当時の若松監督に年賀状を送ってアピールした話。「自分を使ってください。必ずチームに貢献します」。気合いを入れて、正座して書いた。慣れない筆ペンを使って何度も下書きをして...。そんな年賀状くらいで、存在をアピールできるんかい?と思うでしょ。それが後になって若松監督から「あの年賀状から もの凄く気持ちが伝わった」と言ってもらったというから、熱意というのは伝わるもんだな(笑)。

当時の青木はドラフト4巡目の無名な選手だった。同じ早稲田大の鳥谷敬が阪神に鳴り物入りで入団したのとはえらい違い。その鳥谷は早稲田の大先輩・岡田監督に抜擢され、開幕からショートのレギュラーを与えられたが。かたや青木は1年目はほぼ2軍でプレイ、そこで首位打者を獲った。だからといって、すぐに一軍で使ってもらえるとは限らない。とにかくチャンスをつかむため死に物狂いだった青木は、年賀状作戦に出たのだ。

そして2年目には首位打者と、202安打を打って最多安打を達成。当時「ニュースステーション」(テレ朝)で初めて青木宣親という選手をまじまじと見た記憶がある。あれはたしかテリー伊藤さんが神宮球場?を訪問し、球界のニュースター・青木に話を聞いていたような...。あの時、たしか青木は私服姿で(白っぽい服の記憶)少々チャラくて、いかにも若造っぽい。当然トークにも不慣れで初々しかったよなぁ。

この章では、宮崎県日向市で生まれ育った青木が、高1の修学旅行でおとずれた東京に魅せられ、そこから早稲田大の指定校推薦を目指すくだりも面白い。

第二章の「才能」では、大スランプに陥ったメジャー3年目の青木が、当時ヤンキースにいたイチローに「ご飯お願いします」と頼み込み、思い切って「何をやっても全然打てないんです」と相談したエピソードが興味深い。イチローは悩む青木に「考えろ」とアドバイス。「考えたんですけどダメです。自分が持っているものを全て試したけどダメなんです」。そう弱音を吐いた青木に、イチローはこう言った。「考えてもダメだったら、もっと考えろ」。

この言葉に、ハッとしたという青木。できれば避けて通りたいと思っていた、自分に向き合って徹底的に分析すること。そこで考えて、少し答えがでたらもっともっと考えて、また壁に当たったらさらに考える・・・こうして取り組んで2週間くらいすると、打てなかった理由がクリアになってきたという。やはり世界のイチローは違うなぁ。

わくわくして読んでいた本書も、第三章「技術」に入ってから睡魔に負けて停滞している。

***

先に返さないといけないハン・ガンさんの本を読まなくっちゃということで...

先日ノーベル文学賞を受賞した韓国の女性作家、ハン・ガンの『菜食主義者』を(受賞直後に)いち早く予約して借りてみた。どこかしらテイストが村上春樹っぽい気がしないでもない。

ある日みた夢の影響で、突然肉を食べなくなった妻ヨンヘ。そのエキセントリックな行動に翻弄される家族(夫、両親、姉夫婦)とのやりとりは、まるで映画を見ているように情景が浮かぶ(『菜食主義者』)。2話めの『蒙古斑』は、以前から義妹であるヨンヘ(尻にいまだに蒙古斑が残っている)に性的に惹かれていた映像クリエーターの義兄による常軌を逸した行動の話。ぐいぐい引き込まれつつ、読んだこちらもその夜、奇妙な夢を見てしまった。3話めの『木の花火』はヨンヘの姉が主人公。この姉は夫や両親にさえ見捨てられた妹ヨンヘの保護者として、精神病棟をたびたび訪れる。しかし妹への思いは複雑だ。不憫に思う反面、恨む気持ちも。この3話が読みづらいのは、話に大きな展開がないことと、訳者が主人公のことを終始「彼女」と表記しているせいもある。ほかにも女性の登場人物はいるので誰のことだかわかりづらい箇所がある。それでも今話題のノーベル賞作家の作品を味わう価値はあると思う。機会があれば他の作品も手に取ってみたい。

*おまけ*

最近、新たに出会った大連出身の中国小朋友が好きな、李荣浩(リーロンハオ)の曲をお届けします(前にもアップしたかも)。リコーダーで吹いてみたいけど、ちょい難しそうやな。

李榮浩 Ronghao Li - 年少有為 If I Were Young (華納 Official HD 官方MV)

さいごにちらと登場する運転手役がロンハオです(^.^)

 

 

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最近読んだもの。山崎元『がんになってわかった お金と人生の本質』ほか

2024-11-21 | book

最近読んだなかから、この2冊 ↓


まずは松永多佳倫(まつなが・たかりん)著のノンフィクション『92歳、広岡達朗の正体』。

隔週で「週刊ベースボール」に掲載される広岡さんの辛辣コラムを楽しみにしているわれら。「こんな本があるんだ」と図書館にリクエスト。

読んでみると... タイトル通り、野球人・広岡達朗の足跡をたどる本だ。

目次:①出生~早稲田大学篇、②読売巨人軍篇 ③広島東洋カープ篇(指導者としての原点)④ヤクルトスワローズ篇(”ぬるま湯球団”の改革)⑤西武ライオンズ篇 ⑥千葉ロッテマリーンズ篇(GMとしての球界復帰)

われらの記憶にあるのは、④ヤクルト時代以降。大好きだった漫画「がんばれタブチくん」に描かれた、いかにも冷徹な表情の広岡さんは西武時代か。

本書は広岡さんへのインタビューと、彼に関わった野球人への証言から成り立っている。期待したほど楽しい読み物ではないが、元選手の証言のなかにはちょこちょこ「へえ、そうだったのか~」というものもある。

ボクが知らなかったのはー 広岡さんが巨人軍を引退(川上哲治監督との確執による)したあと、自費で世界を半年間見て周ったということ。アメリカでのMLB視察はもちろん、ヨーロッパにも出向いて多くの物を見、多くの人々と親交を深めたというからちょっと意外だ。この経験がのちの野球人生に大いに役立ったらしい。

個人的にうれしかったのは、広岡さんが西本幸雄氏(=阪急・近鉄などで8度のリーグ優勝を成し遂げたものの、一度も日本一になれなかった”悲運の闘将”)のことを「プロ野球史上最高の監督」と評していることだ。ボスちゃんが高校時代、西本さんに「辞めないで~」と手紙まで書き。ご逝去された際には葬儀にまで参加したお方を、他人にあれほど厳しい広岡さんが高評価されていたとは。

ちょっと話がそれたみたいになっちゃうけど・・・プロ野球の”コーチの年俸”って聞いたことあります? 本書のロッテ篇「辻発彦の証言」のなかで、ロッテのGMだった広岡さんが元西武の辻氏をコーチに招こうと「うちに来ないか? 一億円用意する」と電話するも。辻さんは先にオファーがあったヤクルトに行くことにしたというくだりがある。そのヤクルトは辻さんに年俸五千万を提示したという。ははん、コーチはスタメン級の選手と同程度の年俸をもらっているんだ~と初めて知った(ニヤリ)。

***

じつは2冊目のほうがおすすめ。なんとなく聞いたことあるっけ? くらいの認識だった経済評論家・山崎元(やまざき・はじめ)著『がんになってわかった お金と人生の本質』。これはわれらがちょくちょくお邪魔するこのサイトでおすすめしてあった。

著者は2022年に食道がんが見つかった。この本はがんの闘病記ではなく、がんになった自らが何を考え、どう行動したかを書き綴ったものである。がんも投資と同じで情報収集は制限しないと身が持たないとか。がん保険はやっぱり要らなかったとか。どの項目も興味深く、さすがは多くの著書を書いてこられた方だけあって文章も巧み、サクサクと読めてしまう。

なるほどな~と共感した箇所を一つあげよう。著者はお酒が大好きで、お酒の付き合いも大好き。過去10年間で全く飲酒していない日は3日あるかないか... くらいの酒好きだったらしい(たしかお酒やウイスキーに関する著書もあるほど趣味的にも好き)。で、その箇所を抜粋すると・・・

因みに、飲食の付き合いの効果は過小評価しない方がいい。一緒に飲めない、食べられない人物は、ビジネスなどの相手から見て「つまらない人」であり(たぶん恋愛の相手としても同様だろう)、これを十分にカバーするためには相当に高度な話術や練り込まれた人格が必要だ。

われらは悲しいかな ほぼ”下戸”であるが。お酒が無理ならお茶でもいい、お茶して心をオープンにしてお喋りが楽しめない人とは付き合えないもんな~としみじみ思うもんね。

著者のがんが再発してしまう終盤は読んでいてつらいものがある。今年2024年に逝去。似たような本で息子にあてて書いた本もあるらしい。

 

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