あまちゃんの カタコト中文日記

中国・杭州がえりのライター助手、日々のいろいろ。

中山可穂『白い薔薇の淵まで』文庫版あとがきにショック!

2024-06-04 | book

ちょいと最初にテレビのこと。

おととい(6/2)の「NHKのど自慢」はちょっとおトク?な回だった。山梨の韮崎市からで(この日MCは廣瀬智美アナ)、ゲストの一人がめずらしくレミオロメンの藤巻亮太だった(もう一人は森口博子)。もしかして彼、山梨の出身なのかな? そんなこと言ってた気もするが、ちゃんとは見てなかった(お昼ごはん作ってたし)。出場者の歌が終わり、ゲストの歌の時間になった。最初に歌ったのが藤巻亮太で、歌は出場者の誰かさんが披露した、♪こなーーーゆき、ねぇ(『粉雪』)ではなく、卒業ソングの『3月9日』だった。そしていつも演歌歌手のバックに流れるカラオケ伴奏などはなく、藤巻氏はアコギ一本でシンプルに歌った・・・これがよかった! 昼からとってもトクした気分♪ まあ、プロだから当たり前っか、、。

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さて本題。久しぶりに中山可穂が読みたくなり(彼女のエッセイについて触れたページ)、まだ読んだことのなかった初期の作品を借りてみた。


本作は山本周五郎賞を受賞。河出書房新社からの文庫復刊。

書店で偶然出会った、平凡なOLと孤高の新人作家とのヒリヒリするような恋愛模様。やっぱりいいね~中山可穂さんは。さすがは文章が美しく、ストリーテラーだ。

文庫復刊版には著者による「あとがき」が特別収録されていて(やった~お得感!)。ただ、その内容には少なからずショックを受けてしまった。

(「あとがき」の最終ページ見開き↓)


左ページ:「人生とは残酷なもので、角川文庫に入っている本を除いて、わたしの本はほぼ絶版になっている。文学賞など何の役にも立たなかったということだ」

ほぼ絶版だってぇ? 中山可穂さんほどの人が? それが今の出版業界の現実なんだろうか。(「あとがき」には、中山さんがいまだ ”レズビアン作家”という世間のレッテルから脱却できずにいる苦しみも吐露されていた)

そういえば昨年(2023年)もそんなことが・・・3月にハマったNHKのラジオドラマ「昼も夜も彷徨え」の原作本(中村小夜さん作)がすでに絶版になっていて、憤りすら感じたものだ(kindle版なら売っている)。

よほどバカ売れ(ロングセラー、ベストセラー作家の作品)でないと、出版社はペイしないということか。なんとも悲しい現実だ。弊ジムショのHPがインターネットの海から消えてしまうことくらい、どうでもいいことのように思えてきた。

 

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「虎に翼」のよねさんって成瀬あかりっぽい?『成瀬は信じた道をいく』『夜明けのすべて』も

2024-05-21 | book

少し前に読み終えた、瀬尾まいこ作『夜明けのすべて』。


フツーにおもしろかった(やっぱり瀬尾まいこさん、好きだ)。

何かすごいことが起こるわけでも、恋愛ものでも、感涙する話でもないが。人はそれぞれ色んなもの(ここでは病気)や思いを抱えて生きているんだな~と、どこか救われたような気持ちになれる。

PMS(月経前症候群)に悩む28歳の藤沢さんが働いている会社に、パニック障害で大手企業から転職してきた25歳の山添くんが入社してくる。社内で起こるあれやこれやで2人の距離が縮まる...? いや、そんな単純な話ではないけれど。(以下、割愛します)

本書は映画化された。映画はみていないが、藤沢さんを上白石萌音が、山添くんを松村北斗が演じた(朝ドラ「カムカムエヴリバディ」のコンビ)。それを知ってて読み始めたもんだから、ずっと2人をイメージ、思い浮かべながら読んでいた。それはそれで楽しかった〜 ぜひいつか映画もみてみたい。(早くテレビでやってくんないかな)

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おつぎは、


成瀬あかりが主人公のシリーズ第2弾、『成瀬は信じた道をいく』も期待通りおもしろかった。
5つの物語のうち、特に好きだったのは、成瀬あかりの父が主人公の「成瀬慶彦の憂鬱」。慶彦といえば、元広島カープの高橋慶彦じゃん。作家さん、ファンだったのかな? (いや、そんなお歳ではないはず)

成瀬がバイトしているスーパーのクレーマー・呉間言実が登場する「やめたいクレーマー」もよかった。

じつは最近朝ドラ「虎に翼」をみるたび、成瀬あかりを思い出す。というのも、朝ドラに出ている男装の”よねさん”(土居志央梨)の口調が成瀬あかりそっくりなのだ。そのまま成瀬シリーズの映像化で成瀬あかりを違和感なく演じられるんじゃ? なんて考えてしまった。でも成瀬シリーズの表紙に書かれた成瀬はお目目ぱっちりだし、よねさんとはちょっと違うかも。

 

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note「西武大津店を作ったのはうちの父だった」(『成瀬は天下を取りにいく』関連)

2024-04-25 | book

昨夜(12時前)寝る間際にラジオつけたら国会中継が始まった。「きょうテレビでお伝えできなかった部分を放送します」。そうそう、ちょうど見ていた。れいわ新選組・山本太郎氏の質疑が始まろうという時に、中継がブチッと終了したのだった。山本太郎はいまだ断水の続く能登への支援を岸田総理に訴えていた。「今日の奥能登の姿が、あしたのわたしたちの姿です」。物言いは時に過激だけれど、山本太郎の訴えにはいつも共感するし、今回は特に胸を打たれた。とうの岸田さんはあいも変わらず、のらりくらりとかわし続ける。ああ、パーチ―券とか連座制?とかより、普通の生活ができない人々のことを一日も早く、なんとかしてあげてよ...。

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さて本題へ。

滋賀・大津に住む会社時代のセンパイは、九州出身で筋金入りの西武ライオンズファン。今シーズンも「勝った!」「今日も打てない...」と一喜一憂するラインが届く。(これ、前にも書いたね)

そんなセンパイに昨夏、恐る恐る薦めてみたのが今回本屋大賞を受賞した『成瀬は天下を取りにいく』(宮島未奈作)。恐る恐る...というのは、本を人に薦める時はいつものこと。特に目上の人や知的?な方には、おいそれと薦められない”自信ない子ちゃん”なボクなのら(^_^;)。

センパイはすぐに本を購入、「軽妙な文章でおもしろく読みました」と高評価をいただき、安堵した。その後は地元の新聞で取り上げられる本書に関する特集記事などを、よくラインで送ってくれたりも。

ついおととい送られてきたのは、西武大津店に関するネットのnote記事。今は無き「西武大津店」は、『成瀬ー』の最初の物語「ありがとう西武大津店」をはじめ、全編にわたって大きくかかわってくる重要な舞台だ。


ふだんは音楽マーケッターをされている方のnote記事

正直それほど期待せずに読み始めたら…もう、めちゃくちゃよかったので、ここにご紹介。

(注意:関西人しかわからない地名や繁華街の名が出てくるかも?)

ボスちゃんはかつて実家が大阪の島本町にあったので、お隣の高槻市にある「西武高槻店」にはしょっちゅう出没、人生初のアルバイトもここだった。「西武大津店」はかつてボスのねえちゃんの勤務先があったので、ボスも一度だけ行ったことがあったようだ。と、個人的に思い入れがあるせいで、この記事にもグッときたのかも。

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今季も明らかな戦力不足(特に打力)で最下位を走る、西武ライオンズ。じつはセンパイ、3月に病がみつかって入院&手術。連休明けには転院して化学療法が始まるとのこと。センパイを励ますためにも、ぜひ西武ライオンズには頑張ってもらいたいんだけど。昨夜のオリックス戦なんかは(坊主にした)紅林くんがサヨナラ打を放ったと聞き、それはそれで「いいやん、いいやん!」と嬉しかったりするゲンキンなボクであった。

*おまけショット*


以前そらまめさんに教えてもらったゴキブリキャップ。これを置き始めてから、ゴキちゃんが出ない気がする〜(^-^)v 今年も無事、配置完了!
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祝・本屋大賞『成瀬は天下を取りにいく』/佐藤正午『月の満ち欠け』

2024-04-11 | book

昨年、このページで絶賛した宮島未奈さんのデビュー作『成瀬は天下を取りにいく』が、きのう本屋大賞を受賞した。やったぁ~ 大いに納得! これで映像化はもう決定的だ。いや、とっくに話が進んでるかも。

でも、やめてくれよな。今田美桜とか、伊藤沙莉とか、橋本環奈は(←これ、次期&今の朝ドラヒロインのラインナップ)。男性キャストに大泉洋とか、目黒蓮とか、田中圭くんも勘弁しておくれ。滋賀県出身の林遣都くんなら許す。女性キャストも大阪出身の小芝風花ちゃんならいいよ。

なにをムキになってるのん? と思われても仕方がない。

じつは今朝がた読み終えた『月の満ち欠け』(佐藤正午作)がすでにおととし映画化されていて。読後すぐ、そのキャストをみてみたら、「大泉洋、目黒蓮、柴咲コウ、有村架純...」といわゆる今時の俳優さんがずらーり。原作のイメージとあまりにかけ離れていて超ガッカリ。映画を見たわけではないが、これはないで~ 見るまでもないわ、と思ってしまったのだ。


一度、佐藤正午作品を読んでみたかったのもあって借りたのかな? 忘れちゃった。
時系列的にちょっと難しい本だった。瑠璃という名前の少女が何度も生まれ変わる?という、ありえないお話。途中ぐいぐい読ませるので引き込まれ、つい夜更かし。でも後味があまりよくないので、悪い夢を誘発することも。

映画ではきっと原作をすべて再現するのは不可能だろうから、ピックアップしてあるのかな? テレビで放映される時は忘れずに録画してチェックしてみよう。

 

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『大災害の時代』追記(& 宝宝、産毛剃る~)

2024-04-02 | book

きのう4月1日は新年度の初日、ということで何かとテレビが騒がしかったようだが(スタジオの模様替えや、新キャスターのあいさつ、等々)。

能登の地震から3ヶ月、という日でもあった。節目の日だけは、どの局も取ってつけたように能登からの中継や現場取材をまじえた特集を組むが。その日が終われば、また扱いは減るのだろう。

ところでNHKさんはなぜか最近、朝ドラの再放送に力を入れており、その枠を昼の0:30に移動させて「ちゅらさん」が始まった。この時間にしたのは、大相撲や国会中継に影響されないようにするためだろうか?

できればこの時間帯に「きょうの被災地」(or「能登だより」)など、彼の地の今の様子を生中継して伝えれば、視聴者も震災を忘れることはないと思うのだが。(それこそ、取ってつけた感じ?と言われればそれまでだが)

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先日取り上げた五百籏頭さんの著書『大災害の時代』を読み終えた。さいごまでボクのような素人でも読みやすく、興味深い内容だった。

そのなかで印象に残ったことを少し書き足しておこう。

東日本大震災では津波の犠牲者が多数を占めたが、その中には自分や自分の家族をかえりみず、地域の人々のために尽くした人(消防団、警察、自衛隊)が少なからずいた。「彼らの自己犠牲の精神に、社会は甘えすぎていないだろうか?」と五百籏頭さんは警鐘を鳴らし、「自らの安全を確保できる範囲での救援活動のマニュアルを整備すべきだ」と説いている。(第三章・東日本大震災「甘えすぎの社会への教訓」P. 205~)

たとえば、こんなケースがあった。震災直後のこと。宮城県名取市で、近所の人たちが一人のおばあさんに「一緒に逃げよう」と声をかけたが、おばあさんは拒否。彼女は住み慣れたこの地から離れることを嫌がり、ここで死んでもいいと言いはった。周りの人たちが懸命に説得し、おばあさんが親しくしていた友人にまで加わってもらって、一緒に逃げようと説得したら、ようやく軟化。しかしだ。「では、その前にトイレへ、ではあれを持って・・・」とおばあさんの要望をすべて受け入れているうちに、説得開始から30分が経過。車に乗ったところを津波に襲われ、ほぼ全員が犠牲になったという(1人だけ奇跡的に助かる)。

なんてこった。五百籏頭さん曰く、もしこれが欧米であれば、老人の意思をドライに尊重し、「Good Luck!」と言い残して去るだろう。日本的なやさしさ、ウェットな”みんな主義”が、逆に多くの命を奪うことになったのである。

もし自分がその場にいたら、どうするだろう? おばあさんを置いてきぼりにするのが忍びないと思えば、「今は逃げるしかないの!」と躊躇する老婆をかっさらい、車に乗せる、押し込む。しかし、言うは易しで、実際は難しいだろうな。(高齢者は頑固、一筋縄ではいかないんだよね)

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また、自衛隊員の持つ ”自己犠牲の精神”を初めて知り、驚いた。自衛隊には、「ことに臨んでは、わが身を顧みず」などの(服務における)宣誓文があり、かつて防衛大学校長だった五百籏頭さんも就任時に読んだという。その言葉どおり、東日本大震災の時も自衛官たちはわが身を顧みず、不眠不休の救助活動をした。

そこで問題となるのは、「わが身を顧みず」のなかに「自分の家族をも顧みず」が含まれていることだ。妻子を救い出したい、せめて安否だけでも知りたい… その思いにフタをして、地震発生直後から、組織的な救助活動に没頭せねばならなかった彼ら。何ということだ。これについて五百籏頭さんは、自衛隊員の家族の安否に問題が及びそうな場合は、自衛隊の一角にそれに対処するセクションを設けるべきだ、と述べている。

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本書は2012年~3年8ヶ月にわたり、毎日新聞に連載された記事に加筆修正されたもの。昨年出版された文庫版にいたってはさらに加筆の可能性もある。

つい先月、3月6日の午後、自身が理事長を務めるひょうご震災記念21世紀研究機構で執務中に息苦しさなどを訴えて急死した五百籏頭さん。本書の冒頭で、「我々は思いもかけず”大震災の時代”にめぐり合わせている」と書いておられた氏は、元日に能登で起きた大震災をテレビでみて、「また来よったか」と苦々しく思いつつ。能登のために自身ができることを探しておられたに違いない(提言の記事も... ←ただし、これ有料😢)。

五百籏頭さんはもういない。能登の震災を深く研究した内容を加えた”本書の続編”が、もう読めないのかと思うと残念でならない。

♡おまけショット♡

杭州のカワユイお友だちが週末ウィチャットにアップしていたこの写真↓


满月🎉 珍惜今天的发型吧,马上就要跟你的胎毛say goodbye了。
(満1ヶ月:今日の髪型がいとおしい〜 まもなく、その産毛ともサヨナラだからね)
なるほど、ひと月で産毛を剃る習慣があるんだ。
して、翌日送られてきたのは…

この写真。みごとにつるつる〜。
冗談でアニメ一休さんの画像を送ったら、「子どもの頃、好きでよく見てた」と返事が。宝宝〜きれいな毛が生えてきますやうに(^_-)


 

 

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