林芝の2日め〜
出発してまもなく、
道路の真ん中で牛さんが立ち往生。
車からは雪山がみえたり
野生の桃がみえたり
ヤクちゃんや 牛の放牧も。
途中、ボスちゃんがトイレに行きたいと行ったら
とある食堂の裏にある トイレに案内してもらいました。
中に入ると ドアのない "溝トイレ"でしたが、
昨年の拉薩(ラサ)に比べると
かなりマシでした。
というのも 林芝についたとき
ボスちゃんが 懸念していたのが…
ガイドのバイマーが結構若くてイケメンなので、もし拉薩に行った時みたいに
川沿いの"青空トイレ"を利用しないといけなくなった時、どうしよう? と。
だって だって…
拉薩の時の ガイドさん(ドルジェ おじさん^_^)なら「この辺りでどうぞ」と言われても
結構平気だったけど。
若いバイマーのそばでは とても恥ずかしくて
おし◯ なんか 出せないよ〜と。
移動ちゅー 振り返って説明する バイマー
しかし それは幸い 杞憂におわりました。
西藏も ここ半年で高速道路が開通して便利になり、また林芝は拉薩の時よりも 遠方に観光に行くこともなかったので助かりました。
途中、川沿いの桃をおじちゃんが撮影希望したので 車を降りたボクたち。
途中の民家の景色
11時すぎ、観光地 巴松措に とうちゃこ。
これが 巴松错という湖。
こんな島もありました。
かわいこちゃん とも 遭遇。
藍よりあおい 湖たね〜
で、ランチをたぺたときには
とうに3時をすぎてました。
(例の 朝 トイレをお借りしたお店)
観光地はどこも似たりよったりだし、
ボクはあまり興味ないのですが。
このあと ボクの好奇心 というか
ライター事務所の助手として長年鍛えられた
"取材魂"を揺さぶられる 出来事が・・・⁉︎
***
夕方、観光地から戻ったボクたち。
西藏に来たというのに
まだ一度も奶茶=ミルクティーを飲む機会がないなー? と思っていたところ。
ガイドのバイマーが お茶に誘ってくれました。
藏族の麺なども食べられるレストラン兼 茶館。
バイマーによると 西藏ではミルクティーのことを奶茶ではなく 甜茶(あま..い お茶)というらしい。
ボクたちに甜茶をついでくれる バイマー。
ここでバイマーが話してくれた 自らの生い立ちにボクは衝撃をうけました。
彼の 老家= 故郷は
西藏の那曲
なーちゅ というまち。
那曲… うん、おぼえていますとも。
昨秋、青海省の西宁から 拉薩へつながる
青藏鉄道に乗ったとき、
朝早いじかんに 停車したのが
ひっそりとした 那曲駅 でした。
1980年代生まれの バイマーは
那曲の遊牧民の家に生まれた。
遊牧民の子は学校へは行かず、
家の手伝いをする。
家にはテレビはおろか、電気もない。
電灯がない。なので 日の出とともに活動し、
日暮れとともに寝る。
夏は 冬の住処から なるべく遠く離れたところへ
牛たちの草を求めて 転々と テント生活。
そんな遊牧民の子 バイマーは
12才の時に単身 拉薩へ。
両親が長男である彼を拉薩の寺にあずけ、
仏教を勉強させようとした。
ようはお坊さんにさせたかったんだね。
ある時期は 昼は仏教を学び、
夜は夜学で普通学校の授業をうけたりもした。
そのうち お坊さんになるより、
もっと上の学校へ進んで勉強したいと思うようになる。
そんなバイマーの願いを お寺の住職たちは理解し、彼の進学のための金銭的な援助もしてくれたという。
青藏铁路からみた 那曲あたり。
藏族の彼は拉薩で普通語(中国語)はもちろん、英語もマスターし、いまは旅行会社でおもに英語圏の旅行者のガイドとして働いている。
ただ西藏は長い冬のあいだ、ほとんど旅行客がいない。その時期はガイドも開店休業、
バイマーは別のことをしているという。
たとえば西藏に住む高齢者に話を聞き、
古くから伝わる藏族の習慣や遊びなどを記録し、
英語で文章を書いて フランス人の友人の助けを得て、フランスで出版したりも。
同じく 青藏铁路で出会った 欧米か! ショット
悲しいかな…
藏族の彼が自由に国内で本を出すのは
かなり困難らしい。
(彼が国外、たとえば日本に遊びにくる?なんてことも 無理らしい…)
西藏,チベット自治区に生まれた藏族は
それほど大陸のなかで肩身のせまい、
制約のある生活を余儀なくされているのか!
でも彼は…
遊牧民だった彼は マスターした英語を駆使して、ガイドの仕事で知り合った 欧米の研究者や大学の先生たちとの交流から、見聞を広めている。
そして意外だったのは、
バイマーが独身だったこと!
中国では こうして偶然知りあった30代以上の人はたいがい既婚者なんだけど、
彼はシングルでした。
聞けば 那曲にいる妹や弟はすでに成家=結婚して家族がいるとのこと。
彼の普通語は 7、8割かた 聴きとれたかな?
聞きもらした箇所があるのがくやしいくらい、ボクにとっては興味深い、お宝ばなしでした。
バイマーは気遣いの人だし、また男気もあって、
ある観光地で 移動バスに ダーっとなだれ込んで
列を作って並べない中国人観光客をみて、ボクたち みんなで呆れてたんだね。
で、次のバスが来るまでの間、
バイマーは観光客たちみんなに
「排队,排队!(ちゃんと並ぼう)」
と率先して声をかけて音頭をとって、
みんなをきちんと並ばせてくれたんだ。
なかなかできることじゃ〜ないよ。
われらがお茶を飲んでるそばで、たわむれる坊や。たぶんお店の子どもちゃんでしょうね。
(つづく)