秋晴れの日曜、午後のスーパーはすいていた。そりゃ、そうだろうよ。格好のお出かけびよりだもの。しゅん...
いつもより早めに老婆に御用聞きの電話をした。「何かいりませんか?」
きっと何もいらんだろう、と思った時に限って意外な答えがかえってくる。
「あの、今日はなんもしたないし、お寿司🍣でも買ってきてくれたら」。
老婆の言う寿司とは、巻き寿司🌀のことだ。(お刺身が乗ったものはお腹をくだす恐れあり)
お寿司なんて、めずらしいことを言うから(しかもハイというか ”上機嫌な酔っ払い”のような喋り方)、何度も聞き直した。ほんまに食べるんかいな?と思いつつ、4個入りの巻き寿司を買った。2軒目のスーパーでは(保険として)ちらし寿司と、茶碗蒸しを買った。
ママ家にとうちゃこしたのは3時半。ああ、間に合った。最近ママ家で競馬の大きなレースをみるのが楽しいのだ(きのうは天皇賞)。元来、競馬には一切興味のない家だった。それが歳をとって、子どもに戻ったような老婆はレース前の様子をみながら、「馬の脚、ほっそいな~ 折れそうや」とか「騎手の服の柄、おもしろいな」とゴキゲンさんになる。もちろん、最も興奮するのはレースの時だ。
そんな子どものように無邪気な老婆とみる競馬は、むっつり黙りこくったおじちゃんとみるより、よっぽど楽しいのである。昨日は久しぶりに天皇・皇后両陛下が見に来られていた。(天皇賞だから?)
それをみた老婆、「最近よう出かけはるな」。これ、雅子さまが「治ってきたんかいな?」というニュアンスである。
その後、勝った馬の騎手(ルメールさん)が場内をまわり、その顔がアップになると、老婆は「〇〇な顔してる(←すみません、オブラートに包みました、、)」とか、「もう若ないな、オッサンやな」と言いたい放題となった。ああ。
***
競馬のあとはラグビーである。夕方4時から、W杯ラグビーの決勝戦の再放送が始まった。早朝見られなかったので、ちょうどいいやと思って見始めた。試合前、ニュージーランドが披露する「ハカ」をみるだけでも、老婆にとって面白いんではないか。老婆はお腹がすいていたようで、買ってきた巻き寿司にかぶりつきながらテレビをみていた。
試合が始まってまもなく、老婆はラグビーのユニフォームについて「みんなピチピチやな」。伸び縮みする素材であることに言及。むっちりたくましい彼らが着ると、その伸縮性がさらに際立つ。また「これって脱げてもええように、ズボンの下に黒いぴっちりしたの履いてるやろ? 絶対脱げへんやつ」。
なかなかよく観察しているじゃ~ないか。あんまり試合みてない割には(°▽°)。
「これって人工芝かな?」「そら天然芝やろ」とボスちゃん。その証拠に南アフリカチームの白いボトムが芝の緑に染まってきている。「そら、白いの履いてたら汚れるわなぁ」。
よほどお腹がすいていたのか、巻き寿司4つをたいらげて、菓子パンもつまみ始めた老婆(ボロボロこぼすなよ~ ますます行儀が悪うて困る)。
ラグビーのルールなどわからない。ただただ、激しい肉弾戦に圧倒されながら、こう言った。
「ニンゲンより、ゴリラに近いな」。
ひど...。でもまあ、機嫌がいいのはよいことだ。

ママ家からのぞむ夕日。

これ、おととい帰り道にみえた満月。
満月は人をコウフンさせるのか?
ゴリラ発言に苦笑していたら、携帯電話が鳴った。福井の義母ちゃんからである。
いきなり「きょうは野球、見に行くんか?(笑)」で始まる。なんでも昨夜かけようとしたが、われらが日本シリーズをみているだろうな~と遠慮したようなのだ(悪いね、いいのにべつに)。ちなみに義母ちゃんは子どもの頃から生粋のジャイアンツ・ファン。福井人はたいていそのようだ。なので今回の野球も「じぇんじぇん興味ない」「岡田さんは現役時代からすきじゃない」とな。
義母ちゃんの電話は、おもに通院の報告だった。先週2ヶ月ぶりに行った整形外科で、「(腰の)骨がきれいにくっついてます」と医師に言われて、嬉しそうだった。そりゃそうだろよ。意を決して、突貫セメント工事したんやもん。でもよかった。万一、他の箇所が新たに潰れていたら大変だもんね。
その後は今月初めにエコノミー症候群(下肢の血栓)で退院した内科に行って、「毎日しっかり、水分採ってくださいよ」と、それは強く先生から念を押されたという話などなど。
義母ちゃんは病院での会話や、ケアマネさんとのやりとり(会話)をすべてそのまま丁寧に再現するので時間がかかる。ママ家のリビングから離れた小部屋で40分近く、じっと電話のお相手をしていたら、携帯を持つ手や耳が痛くなっちゃったよ。
満月のせいだか、ようわからんが。妙にハイな2人の老婆攻め?に遭った日曜であった。ふー。
*おまけショット*

「爪用クリーム」こんなんあるんや。しかしボスちゃんの「巻き爪」には効果なさそうやの~
PS. ”介護のご褒美”とは? 日常的に年寄りに接すると「歳をとるとはこういうものなんだ」と予行演習ができ、心の準備ができるー と介護経験のある お友だちが教えてくれました(^^♪ みんな、がんばろな〜