ぼんくら放浪記

Blogを綴ることによって、自分のぼんくらさを自己点検しています。

桜花を見た

2007-07-25 05:20:00 | 読書
天保悪党伝』や『かげろう絵図』・『妖怪』・『春風ぞ吹く』など江戸の中期から末期にかけての本を読み続けていたついでに、北町奉行・遠山の金さんのことが書かれてあるぞと思って、この本を読みました。

     

う~ん、金さんが主人公ではないぞ。

太物屋『いせ辰』で働く英助と『いせ辰』の娘お久美の恋物語、この英助が金さんの隠し子という設定です。
太物屋とは木綿や麻の繊維の太い生地を扱うお店。

遠山景元の父“景晋”は昌平講の学問吟味ではお目見以上では最初の主席となった頭脳明晰な男だった。景晋は遠山家4代“景好”の養子であったが、養子に来てから景好に景善という実子が出来たので、景善は景晋の養子となった。すると景晋に景元が生まれたので、今度は景元は景善の養子になったというややこしさ。要するに金さんは実際は遠山家の6代目だったのが、系図になると7代目ということになる。

こうなれば金さんは部屋住みで一生を過さねばならない。それを嫌って10年以上の無頼生活を送った。その頃知り合ったのが英助の母親だったが、英助が生まれる前に景善が病死する。これで金さんに遠山家6代目の当主の役目が回ってきたのだった。

英助はお久美の奔走で金さんと父子の対面を果たす・・・

他に筆造り『宝山堂』の主人・又平と娘のおれん、おれんの夫・卯之吉、おれんが恋心を抱いた後の歌川国直になる鯛蔵を描いた『別れ雲』。

北斎と娘のお栄を描いた『酔いもせず』。

蝦夷・松前藩の家老であり絵師蠣崎広年とアイヌの蜂起を描いた『夷酋列像』、『シクシピリカ』の5編収録。



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