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月あかりの予感

藤子不二雄、ミュージカル、平原綾香・・・好きなこと、好きなものを気の向くままに綴ります

「赤毛のアン」第14章 教室騒動

2006年10月04日 21時32分14秒 | 世界名作劇場(名劇)
昨日は録画に失敗して、NHKに対する文句を散々書いてしまった(笑)「赤毛のアン」ですが、今日は私としては見逃せないお話「第14章 教室騒動」でした。アンが初登場・ギルバート(以下、ギルと書きます)の頭をカチ割る(いや割ってないけど)エピソードです。この回はとにかく見逃せないので、ちゃんと観られて良かったです。

考えてみれば、ギルはこれ以上ないほど悪いタイミングで、アンの赤毛を「にんじん!」とからかってしまったんですね(^^); 彼女はよくマイワールドトリップしますけど、そのときはトリップの真っ最中で、かすかな微笑みまで浮かべながら、雲のお城の回りで戯れる天使たちを眺めていたんです。「明日の宿題も約束も忘れて~♪」なんて、挿入歌までかかっていますから、かなりのトリップ状態です。そこにグイッと髪を引っ張って「にんじん!にんじん!」ですよ!しかも2回も!! この頃のアンは自分の赤毛に、喩えようもないほどのコンプレックスを持っています。そばかすのことはまだしも「赤毛をからかう」という行為だけは、何があっても、彼女には絶対やっちゃいけなかったんです。もちろんギルにそんなこと知る由もないのは当然なんですが、たとえ私がアンでも、やっぱり頭をカチ割るでしょうね(笑)。

とまぁ、アンの行動には大いに同情してしまうのですが(もちろん引っ張ったギルは、そんなお空にトリップ中なんて考えもしなかったでしょうが)、とにかく本当に許せないのはギルではなく、フィリップス先生の態度です。

この先生、もう絵に描いたようなイヤ~な先生で(笑)、この日は、まぁアンにも非があったから仕方がないとはいえ、
アン・シャーリーは癇癪持ちです。アン・シャーリーは癇癪を抑えることを学ばなければなりません
と黒板に書いて、その前に立たせるというのは、さすがにやりすぎです。

これだけに留まらず、翌日教室に入るのが遅れたクラスメートは大勢いたのに、その中でアンだけを罰して、しかもギルの隣の席に座らせるという、アンにとっては屈辱以外の何ものでもない罰を与えます。しかも教室に遅れて入ったことと、ギルの隣に座らせるという罰には何の関係もないんですから、ひどい話です。

アンは思わず
本気でおっしゃったのじゃないと思ったんです!
と言いますが、フィリップス先生は非情な一言を放ちます。
いやぁ~、本気で言ったのですよ
※このときの清川さんの言い回しが妙にツボで、よく元妻の前でマネしていたのを思い出します(笑)。全くアホな夫でした(^^);

このときの教師が、ミュリエル・ステイシー先生であれば、アンとギルの仲直りはもうちょっと早かった気がします。というよりはたして、ここまでギザギザな亀裂が入っていたでしょうか。こんな屈辱的なことがあったからこそ、アンの憎しみが倍増どころか100倍くらいに膨れあがり、それはギルに対して向けられ続けて、彼の謝罪すら拒み続けることに繋がっています。この先ずーっと、アンとギルは仲違いしたまま話は進むんですから、たった1人のバカ教師の責任は本当に重大なんです。最近も教職にある人間のバカバカしすぎる不祥事が目立ちますが、その教師のその後の人生なんてどうでもよくて、そんな教師に教えられていた子どもたちの未来の方が、私なんかはよっぽど心配です。

こうしたことがあって、ついにアンは登校拒否にまで打って出てしまいます。

この悲愴な決意を聞いたマリラは「ばかばかしい!」と一喝するのですが、こういうマリラの冷静な切り返しが、私はたまらなく好きなんです。「ほのぼのとした笑い」がこみ上げてきます。文章だけで書くと冷たく言い放つように思われるかもしれませんが、その奥には、マリラのアンに対する深い愛情が隠れているという、こんな難しい役を見事に演じきった北原文枝さんの演技力には脱帽してしまいます。

実際にマリラは、頭ごなしにアンを学校に行かせるようなことはしません。まず悩んだ末に親友のレイチェル・リンド夫人に相談し、その結果アンの決心を尊重することにしたのです。前々回のブローチ事件を経て、マリラとアンのは、少しずつ、でも着実に強くなってきているのがわかります。

この「赤毛のアン」という作品は、子どもが観るには、辞書をひかなければわからないほど、かなり難しい言い回しもありますが、あえて子どもに迎合した作りにはしなかったところが、あまりにも見事な演出だと思います。世界名作劇場のシリーズには面白い作品が数多くありますが、私にとって「赤毛のアン」は、日本のテレビアニメ史上において金字塔を打ち立てたと言って良いと思うほど、素晴らしい作品です。本当は全話について、じっくりと語りたいところですが、さすがに泥沼にズブズブ沈んでしまう自分を感じますので、今のところは控えておきます(^^);

藤子ファンのためのおまけ
いや~なフィリップス先生役が「チンプイ」で日野先生を演じる清川元夢さん、素敵なステイシー先生役が同じく「チンプイ」のエリママを演じる鈴木弘子さん、いじわる~なジョーシー・パイ役が、チンプイを演じる堀絢子さんと、結構「チンプイ」とキャストがかぶってるところが面白いです。そのほか「チンプイ」には、もったいないほどのチョイ役で、レイチェル·リンド夫人役の麻生美代子さんも1回だけ出演されています。声優ネタがお好きな方向けの情報でした(^^);


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2 コメント

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Unknown (あるさん)
2006-10-05 00:32:42
BS2のアン再放送、今日は無事に録画されていました。といっても昨日の録画失敗でテンションが下がってしまい、まだ見ていません。



アンとチンプイにこれほど共通の声優がいるとは気がつきませんでした。目からウロコ賞ものです。



>いじわる~なジョーシー・パイ役が、チンプイを演じる堀絢子さん



堀絢子さんというとオバQとかクロウばあさんとかイカサマとか、いかにも空想的キャラクターのイメージが強かったので、ジョージーみたいな普通の女の子の声は、一人だけギャグみたいに場違いで浮いた印象を受けました(^-^;



名作劇場も語り出すとキリがないですよね。私も今はスイッチが入らないようにしています。



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堀さんの少女役 ()
2006-10-05 00:58:47
考えたら本当に珍しいですよね~。「パラソルヘンべえ」の丸子ってのもありましたが、あれだって普通の女の子というか何というか(^^);



こういう声優ネタって結構好きなんですよ。「ポリアンナ」でジミーとトムが喋ってると、どうしても影千代と獅子丸が浮かんでしょうがないとか(笑)。



今は「アン」と並行して「あしなが」の録画を観てたりしますが、私もこの上スイッチを入れたら大変なことになりますので、静か~にスリープさせておきます・・・(^^);
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