創造性の開発 新規商品を企画しよう

新規商品企画の成功学
求むる所第一義
随時随所楽しまざるなし

商売と学習の両立

2012-08-20 07:30:52 | Weblog

 おはようございます。今日の材料は4つ目の潜在顧客であった、「パソコンの先端技術を現場部門で身につけたい管理職」の項に書かれた説明文です。重視していた潜在ユーザーのモデルだったのでは。自分自身、パソコンが不得意な管理職であり、ニーズが良く分かっていました。今も同じニーズを持っている管理職は多いのかもしれません。

「パソコンのハードウェアとソフトウェアはともに日々進化しています。ハードウェア技術の進歩により、パソコンはひと時代前のメインフレームに匹敵する処理能力を得ました。パソコンの高機能化、高性能化は驚かされます。しかし、多くの人々にとって、それらの機能はほとんど使われないものでしょう。管理職の方々も新しい技術を身につけ、活用したいと思ってはいるでしょう。あまりに急激な技術革新が進んでいるので、かえって新しい技術の導入に躊躇してはいませんか。めったに使わない先端技術は役立つかどうかさえわかりませんし、そんな機能をたまたま利用したために、システム全体が停止することもあります。本書は、正しい先端技術を導入するために、基礎的な考え方を説明しています。」

 若干時代遅れ的なニュアンスが感じられる文章ですが、論旨はその通りでしょう。今はパソコンだけでなく、そこから分化したひとつのジャンルかも知れないスマートフォンやパッドも生存領域を拡大しています。でも、30年以上前、携帯情報端末の一番大事な要件は通信機能と言われ、緊急プロジェクトがスタートしていました。アップル社との共同開発も25年以上前に製品化されたのではないでしょうか。

 一時、アップル社もシャープ社もその事業に力を入れました。しかし、ジョブス氏は、自分が迎えた後継者の社長にアップルから追い出され、UNIXをベースとした先端ワークステーションの会社を設立しました。このシステムは映像制作に一世を風靡したソフトも使えることで研究者達に人気がありました。そのニーズは今も変わらずあるのでは。当時、何故失敗したのか。通信インフラが貧弱で、先進的なコンセプトの製品は失敗者の烙印を押されて沈没したのでは。ジョブス氏が当時、先に夢見ていたものはまだあるはず。それらは通信インフラの革新と共に、我々の目の前に現れてくるに違いがありません。この失敗から学べるものはないのかも。技術の進歩と社会の変革から、発想するしかないのでは。

 使わない技術のためにシステム全体が停止することもあると言う指摘はその通りでしょう。蟻の一穴です。一穴を狙っている人は先進技術に強い人です。まず、先進技術は部門全員が学ぶことが必要です。しかし、一番世の中や技術に遅れている人は新人ではなく、旧人の中の一番のベテラン、多くの場合、管理職者自身ではないでしょうか。歳と多忙ゆえに新しい課題の勉強はなかなか捗らないのが普通だからです。先進性が分からないのを恥とは思わず、勉強すれば良いのでは。

 普通、情報分野では、有力企業の管理職も伝統的な大会社の研究者も新規技術では、先進技術が趣味の人に太刀打ちできません。簡単に言えば、学生や高校生に直ぐに負けてしまうと言う事。ですから、ビジネスは技術の先進性や革新性でなく、コンテンツやサービスの先進性と革新性に力を注いだ方が、安全でしょう。加えて、新技術の実験を提案してくれる若手の言葉を理解するために、安全な形でシステムと技術に挑戦すべきでしょう。言い換えると、現場の管理職は先進技術を自分で学習できる方策と、商売の目標達成を同時に果たせる方策が必要です。一石二鳥です。この文章は正しい説明のように思えます。

 今日は此処までにします。

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