創造性の開発 新規商品を企画しよう

新規商品企画の成功学
求むる所第一義
随時随所楽しまざるなし

無用も有益

2017-10-04 04:09:59 | Weblog

 おはようございます。

 私が担当した商品は主に、相手先のある海外大企業へのOEMでした。納入が遅れたら相手のチャネルで売る商品がなくなり、販売店が経営破たんしたら、賠償問題になりかねません。販売店の数は半端ではないため、台数が多く大変でした。計画を日々確認し、見直しました。しわ寄せは取扱説明書の翻訳作業に来てしまい、製本も時間がなく大変でした。

 操作を確かめる装置が実験室にしかなく、OEM商品の取り扱い説明書の原案は工場側で作り、原稿を翻訳しました。英語もフランス語もでした。昨日書いた私の学校の勉強計画の修正が役立ちました。受験勉強が新規商品開発の企画業務に大変に役立ったと気が付きました。本を書いた当時、本で勉強しただけと思っていました。実はテスト勉強で実践できていたのです。学校の勉強は本当にいろいろ役に立ちました。

 第2節は良いシナリオの条件の説明です。変革の時代では、多様な環境変化や方針変更に耐えられる、事業の多様なシナリオを事前に想定する必要性が書かれています。理想的と自信があったシナリオがそのまま実行できることはありません。

 本の事例は私が打倒OASYSを目指し企画し大成功した日本語ワープロ書院。漢字キーボードをかな漢字変換にチェンジし、継続型のようで、革新的なキーボードとインクジェットプリンターも使える画期的な書院。当時、コミュニケーション型ワープロがOAの中核になると日米の調査会社が予想していたため、書院にIBM3270互換機能を搭載しました。でも、コミュニケーションワープロはあっという間にインターネットとパソコンに駆逐されました。

 IBM3270互換機能を使うユーザーは社内にはいました。しかし、社外のユーザーがいたか定かではありません。通信機能はハードウェアを追加し、現場でアップグレードする機能でした。新規導入時はなく、これではユーザーは大変でした。すぐ次期モデルが出て、そちらは最初から選択機能であり、選択が容易になりました。少しは売れたと思います。

 もしこの機能が書院になかったら、IBMユーザーの、大手企業が書院を採用してくれたか、疑問です。最初に爆発的に売れた商品にとって、このIBM互換機能は絵にかいた餅でした。この絵がなかったら、IBMの大手ユーザーに5550対抗機として認識されなかったかも。朝日新聞の商談でオアシスを一蹴できなかったかも。

 要するに売れない餅も必要なことがあり、ベストセラーには新機軸が必要条件です。顧客の認知度アップのためにです。ですから最初の書院のシナリオは間違いか、正解か、分かりません。でも、商品販売に成功することと、企画が営業に信用されることは違います。間もなく私は企画を離れ、書院の仕様は営業の言いなりの、安物後継路線となり、書院は自然消滅したようです。

 今日はここまでにします。

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