創造性の開発 新規商品を企画しよう

新規商品企画の成功学
求むる所第一義
随時随所楽しまざるなし

読者はいない

2017-06-30 04:31:06 | Weblog

 おはようございます。今日も昨日の続きです。第三段落目。

 まず余談です。この本の節の文章、すなわちこの本の本文は三段落を基本としているようです。1行は32文字、それが文章だけで25行もあります。文字数が多すぎです。読む気がする人は少ないでしょう。でも書いた当時はこの文字数に圧縮するのは大変でした。ゴシックにしただけで必要な欄数が増えてしまい、毎ページ文字数を減らす必要がありました。後ろの方のページでは、すでに初出したページ数も記入したため、その都度文字数を減らしました。

 キーワードはデータベース、情報検索、要求条件でした。全部初出、しかも第二段落目でした。ですから今日の第三段落目は無くても論旨も構成も変更しないで済むはずです。それなのに8行も続けて書いたのはなんでやねん、と思ってしまいました。第二段落目だけのほうが良かったかと思いながら、次を読みました。以下がその文章です。

『本書はそのためのよい教科書になるよう、実際に役立つ、会社の業務に活用するという視点からコンピュータの活用法にアプローチできるようになるでしょう。文科系の学生でも、将来会社での実務に役立つ知識と、社会で役立つ知識を身につけることができるでしょう。本書は、単なる用語集でもなければ、活用ノウハウ集でもありません。知識を活用する方法を解説する意欲的な目標を持っています。新しいかたちの”パソコンの入門書をまず第一の目標”にしています。』

 賛同できる説明のようですが、この通りに考えて、本書の目標を達成できる人は学生にはまずいません。とても難しい話をあたかも簡単なことのように書いています。会社の仕事を経験した人でないと無理なことを言っているからです。アルバイトは下働きです。牛丼屋でアルバイトしたら牛丼屋の習慣を身につけてしまいます。それがシステム開発に役立つとは私には思えません。牛丼屋のシステムですら難しい。インターシップでは学生さんはまずお客様です。会社から見たら、優秀な人を集めるための募集活動の一貫にすぎません。この本は下働きも薦めていますが、それは将来、仕事をするうえでのチーム活動の大切さを経験するためです。

 日本の大学生では、工学部の情報系でも無理でした。今でも無理かもしれません。会社員はどうでしょう。当時、富士通のシステムエンジニアはパソコンなんて馬鹿にしていました。自分の経験に自信があるから、おもちゃのようなパソコンをバカにしていたのです。1億円のシステムの方が20万円のパソコンより価値があると思うのも無理からぬことです。

 ですから第三段落目は不要でしょう。おまけにこの本が想定している読者は極めて例外的な人のようです。先を見て、技術の進化を予想し、社会の変化を予想できる中村師匠のような人だけが評価してくれる本でしょう。彼が研修部隊を説得し、若手及び中堅システム屋の研修に採用したから教科書になりました。でもそれから、富士通は長期の回復期間が必要でした。回復したのはここ2代の社長になってから。富士通の社長数人が中村師匠の爪の垢を煎じて飲んでいれば、不調な時代はなかったかもしれません。組織はトップ次第だからです。結論です。この本は売れる代物ではありません。この国は馬鹿ほど出世するようです。南無大師金剛遍照。

 今日はここまでにします。

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