創造性の開発 新規商品を企画しよう

新規商品企画の成功学
求むる所第一義
随時随所楽しまざるなし

ウサギと犬から未来を学ぶ

2011-01-29 09:09:24 | Weblog
おはようございます。

 ウサギに纏わる中国の格言を語るなら、「狡兎死走狗烹、こう兎死して走狗煮られる」は外せません。この言葉は司馬遷の史記の中の、范蠡の記述が基です。「有能な猟犬も兎を捕り尽くせば利用価値が無い。代わりに煮られて食べられてしまう。」の意味です。

 この言葉は春秋時代の呉と越の国の戦いの結果に生まれた言葉です。呉越同舟や 臥薪嘗胆 の四字熟語を生んだ激しい呉と越の戦いは最終的に越王勾践が勝者となりました。その勝利に一番貢献したのが范蠡でした。戦いが終わり、范蠡は職を辞しました。越王勾践は人望がなかったのでしょう。范蠡は旧友を案じ、同じように辞職を薦めました。その手紙の言葉を司馬遷が史記にまとめています。秘密の情報は必ず漏れます。捻じ曲がるのが世の常です。讒言者を信じた越王勾践は浅はかにも范蠡の謀反を疑い、死罪を申し付けます。多分、司馬遷の創作でしょうが、范蠡の言葉として格言になりました。なお、韓信も捉えられ、この格言を語ったと史記に記されています。司馬遷の好きな言葉です。

 視点を変えると、逆も真です。主君を裏切る武将が中国の歴史書にたくさん記載されています。日本でも世界でも戦乱の時代にはそれが普通。三日天下の明智光秀は反逆者として有名です。北条早雲や斉藤道三、そして武田信玄ですら主君や父親を裏切ったのかも。山岡荘八の徳川家康は良い点だけ、若いときは勇猛果敢忠義の家康も歳と共に猜疑心が強くなり、漢の劉邦を習ったのか、政権の座に近づくほど、忠義、功臣の大久保家の面々を次々と罰してゆきました。大久保彦左衛門が庶民に人気なのは、讒言に負けず、生き残ったからでしょう。庶民派が好きな人が彦左衛門を理想化したイメージが一心太助の魚屋さんを助ける天下のご意見番でしょう。

 狡兎死走狗烹の格言を現代に置き換えて考えましょう。「上司は有能な部下を重宝に使うが、無用となれば仕事から外す」のは世の常です。大手の新聞社や出版社は非正規社員を大量に採用し、外注を増やしています。コストダウンのためです。すぐに首に出来るのが、経営者にとっての非正規社員の利点です。将来を見通せるなら、派遣の品格の主人公を真似るのもグッド。でも彼女は資格マニアであり、極めて有能な人です。近視眼的に満足しては、若い人はいけません。歴史の勉強が現代のビジネスに役立ちます。そして皆さんの未来に役立ちます。厚い歴史書にも挑戦しませんか。

今日はここまでにします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする