白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

網膜色素変性症とは

2016-11-26 07:21:47 | RP
息子たちが持つ網膜色素変性症とは、
簡単に言うと、網膜の視細胞が少しずつ死滅していく病気。
進行速度は人によってまちまちで、二十代で視力のほとんどを失う人もいれば、中年頃まで使える視力を保つ人もいる。
ただ言えることは、ほとんどの人が50歳までに、ほとんどの視力を失う。

目には桿体細胞と錐体細胞があり、桿体細胞は暗いところで錐体細胞は明るいところで機能する。
桿体細胞の方が、数も多く目全体にあるのに対し、錐体細胞は中心視力を担う。
典型的な網膜色素変性症は、まず桿体細胞から死滅していくため、まず暗いところで見えなくなり、視野がだんだんと狭くなっていく。

長さ60センチのトイレットペーパーの芯を除いたような小さな小さな視野になると、
いったん視野の狭窄は止まるものの、今度は中心視力が衰えだす。
そして、その小さな小さな穴の中も見えなくなっていく。


この病気の人は失明の恐怖を背負って生きていかなければいけない。


言えない。
失明の恐怖を与えたくない。

医者は早く告知しろという。
家族の中で隠し事があってはいけないと。

でも、言えない。
まだ12歳の子供にそんなこと言えるわけない。

せめて、なんらかの治療法が生まれて、
病気を遅らせることができるようになるまで、
希望が持てるようになる日が来るまで、
もう少し、もうしばらく・・・。

でも、そんな日は本当に来るのだろうか。