白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

難聴の理由

2016-11-21 07:21:47 | RP
長男が生まれてすぐ、私たちは遺伝子の検査をした。

異常は何も見つからなかった。

三男も難聴を持って生まれてきた。
兄弟が2人も難聴なんだから、明らかに遺伝だ。

あれから10年、遺伝子の世界は研究が進み今までわからなかったことが、色々解明されてきた。

気になることがあって、もう1度遺伝子の検査をした。

今回は難聴の原因遺伝子が特定された。
それと同時に、この遺伝子異常が持つ本当の怖さもわかってしまった。

難聴は兆候の一つに過ぎなかった。


病名は・・・


アッシャー症候群。




あの日、マーカスの夜盲に気づいた日から、ずっと疑ってきた。
間違いであってほしいと願ってきた。


医者は表情一つ変えずたんたんと説明する。

「10人に一人が持っている遺伝子異常です。遺伝子異常としては少しも珍しくありません。
ただ、タイプがわかっているだけでも100ほどあり、
ご夫婦が同じ遺伝子異常のしかも同じタイプでない限り、お子さんには出ません。」

そして、私たちはぴったり合ってしまった。
すごい確率で。


「現在確率された治療法はありません。
病気の進行を止めることも、遅らせることもできません。」



私の目を移植できないんですか?
長男と三男に一つずつ移植することはできないんですか。

聞きたかった。
でも答えは知っている。
長男の夜盲に気づき、アッシャー症候群を疑った時、私は最初にそれを調べた。

私の目をあげることができたら?

母ならだれもが最初に考えることだろう。
でも答えは


ノー



角膜の移植はできても、網膜の移植はできない。

なんて残酷な・・・。



生まれながらの難聴と、だんだんと見えなくなっていく目の難病、網膜色素変性症。
それがアッシャー症候群。



長男は、そして同じ難聴を持つ三男も、今後だんだん見えなくなっていく目と戦っていかなければいけない。

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